上 下
94 / 97
第1章

93話 戦闘断続中

しおりを挟む
93話

上空の魔法陣は急速に大きくなっている。
マリウスも今のところ気づいてる感じではない。
しかし、仲間の体力が心配だ。マリウスが作り出した巨大な悪魔のようなものは暴れ回っている。あの巨体で暴れ回っているのだからひとたまりもない。

「大丈夫かタリア?」

「はい、と答えたいですがかなり厳しいです」

「おい!鏡、後どのくらいなんだ?」

「まだ、半分もいってない」

「マジかよ」

巨大な悪魔の相手はアルベイト、戸村さん以外の全員で相手をしている。かなり苦戦しているようだ。
悪魔の強さはマリウスとほぼ同等の強さだ。攻撃が当たってもすぐに回復してしまうためこちらの体力だけが削られていく。

「内田!五十嵐!我とマリウスの相手を少し変わってくれ」

アルベイトがマリウスの隙をついて内田達の元までやってきた。

「しかし、こちら側の悪魔が...」

「大丈夫なの、テス君が出たがっているから少しの間だけなら戦えるなの」

「私も沙知さんのおかげでまだ戦えます」

「...分かりました。俺と五十嵐はマリウスの相手をします」

「頼むぞ」

アルベイトはそう言うとどこかへ消えていった。
ナノはテス君を出すがテス君の体力もまだ回復しきれていない。
内田と五十嵐がこの巨大な悪魔の相手から抜けたのは相当な痛手だった。防御役の五十嵐が抜けたことによって攻撃がさらに増した。

「皆さん!上です!」

ナーラが懸命に次の攻撃を察知して対処しているが時間の問題だ。

マリウスの方もアルベイトがいなくなったことで攻撃の激しさが増した。攻撃はろくに出来ず逃げに徹していた。

俺の魔法陣もまだまだだ。マリウスにこの魔法陣の存在が気づかれていないだけ奇跡に近い。

「あーあ、アルベイトがいないと君達はその程度かい?」

マリウスは余裕の表情だ。

「あっちのみんなも余裕そうだからもう殺してあげるね」

マリウスが言うみんなとはあの巨大な悪魔のことだろう。あんな姿になってもみんなと呼べるのか。

マリウスは上空に手を掲げ再度無数の剣を降り注がせた。

「くそ、まじかよ」

内田は死を覚悟したその時、

無数の剣は全て消えた。

「平気か内田よ」

内田の前にはアルベイトがいた。

「アルベイト様、もう大丈夫なんですか?」

「少しと言ったであろう」

「どこへ行ってたのですか?いや、それより俺は向こうの悪魔の方へ戻ります。早く戻らないと」

「心配するな内田。そのために我がいなくなったのだ」

内田は巨大な悪魔の方へ目をやった。

「鏡さん、すみませんもう持ちそうにありません」

「テス君も本当にこれで戦えないなの」

「一夜くん、まずいよ」

一刻も早く魔法陣を出して逃げたいところだがここまできてこの魔法を中断させたくない。

「くそ、また振り出しに戻るのか」

その時、俺の肩に手を置かれた。

「待たせたな鏡」

振り返って見ると
榊、葛西、田口を先頭にしてクラスメイト達がいた。

「お前たち」

「話は他のクラスメイトから聞いた。力を貸すぜ鏡」

アルベイトはこの一瞬でバラバラに送ったクラスメイトと王国にいた榊達を連れてきてくれたのだ。

続く
しおりを挟む
感想 1

あなたにおすすめの小説

転生令嬢は現状を語る。

みなせ
ファンタジー
目が覚めたら悪役令嬢でした。 よくある話だけど、 私の話を聞いてほしい。

悪役令嬢は大好きな絵を描いていたら大変な事になった件について!

naturalsoft
ファンタジー
『※タイトル変更するかも知れません』 シオン・バーニングハート公爵令嬢は、婚約破棄され辺境へと追放される。 そして失意の中、悲壮感漂う雰囲気で馬車で向かって─ 「うふふ、計画通りですわ♪」 いなかった。 これは悪役令嬢として目覚めた転生少女が無駄に能天気で、好きな絵を描いていたら周囲がとんでもない事になっていったファンタジー(コメディ)小説である! 最初は幼少期から始まります。婚約破棄は後からの話になります。

レベルが上がらない【無駄骨】スキルのせいで両親に殺されかけたむっつりスケベがスキルを奪って世界を救う話。

玉ねぎサーモン
ファンタジー
絶望スキル× 害悪スキル=限界突破のユニークスキル…!? 成長できない主人公と存在するだけで周りを傷つける美少女が出会ったら、激レアユニークスキルに! 故郷を魔王に滅ぼされたむっつりスケベな主人公。 この世界ではおよそ1000人に1人がスキルを覚醒する。 持てるスキルは人によって決まっており、1つから最大5つまで。 主人公のロックは世界最高5つのスキルを持てるため将来を期待されたが、覚醒したのはハズレスキルばかり。レベルアップ時のステータス上昇値が半減する「成長抑制」を覚えたかと思えば、その次には経験値が一切入らなくなる「無駄骨」…。 期待を裏切ったため育ての親に殺されかける。 その後最高レア度のユニークスキル「スキルスナッチ」スキルを覚醒。 仲間と出会いさらに強力なユニークスキルを手に入れて世界最強へ…!? 美少女たちと冒険する主人公は、仇をとり、故郷を取り戻すことができるのか。 この作品はカクヨム・小説家になろう・Youtubeにも掲載しています。

【完結】あなたに知られたくなかった

ここ
ファンタジー
セレナの幸せな生活はあっという間に消え去った。新しい継母と異母妹によって。 5歳まで令嬢として生きてきたセレナは6歳の今は、小さな手足で必死に下女見習いをしている。もう自分が令嬢だということは忘れていた。 そんなセレナに起きた奇跡とは?

竜焔の騎士

時雨青葉
ファンタジー
―――竜血剣《焔乱舞》。それは、ドラゴンと人間にかつてあった絆の証…… これは、人間とドラゴンの二種族が栄える世界で起こった一つの物語――― 田舎町の孤児院で暮らすキリハはある日、しゃべるぬいぐるみのフールと出会う。 会うなり目を輝かせたフールが取り出したのは―――サイコロ? マイペースな彼についていけないキリハだったが、彼との出会いがキリハの人生を大きく変える。 「フールに、選ばれたのでしょう?」 突然訪ねてきた彼女が告げた言葉の意味とは――!? この世にたった一つの剣を手にした少年が、ドラゴンにも人間にも体当たりで向き合っていく波瀾万丈ストーリー! 天然無自覚の最強剣士が、今ここに爆誕します!!

(完結)醜くなった花嫁の末路「どうぞ、お笑いください。元旦那様」

音爽(ネソウ)
ファンタジー
容姿が気に入らないと白い結婚を強いられた妻。 本邸から追い出されはしなかったが、夫は離れに愛人を囲い顔さえ見せない。 しかし、3年と待たず離縁が決定する事態に。そして元夫の家は……。 *6月18日HOTランキング入りしました、ありがとうございます。

ギフト【ズッコケ】の軽剣士は「もうウンザリだ」と追放されるが、実はズッコケる度に幸運が舞い込むギフトだった。一方、敵意を向けた者達は秒で

竹井ゴールド
ファンタジー
 軽剣士のギフトは【ズッコケ】だった。  その為、本当にズッコケる。  何もないところや魔物を発見して奇襲する時も。  遂には仲間達からも見放され・・・ 【2023/1/19、出版申請、2/3、慰めメール】 【2023/1/28、24hポイント2万5900pt突破】 【2023/2/3、お気に入り数620突破】 【2023/2/10、出版申請(2回目)、3/9、慰めメール】 【2023/3/4、出版申請(3回目)】 【未完】

義母に毒を盛られて前世の記憶を取り戻し覚醒しました、貴男は義妹と仲良くすればいいわ。

克全
ファンタジー
「カクヨム」と「小説家になろう」にも投稿しています。 11月9日「カクヨム」恋愛日間ランキング15位 11月11日「カクヨム」恋愛週間ランキング22位 11月11日「カクヨム」恋愛月間ランキング71位 11月4日「小説家になろう」恋愛異世界転生/転移恋愛日間78位

処理中です...