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第1章
71話 あの日の先へ
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71話
「夢ちゃん、その剣に魔法は込めたことあるか?」
ダンジョンで暴れまわってた2人だが唐突に戸村さんが夢ちゃんに質問した。
「いえ、ありません!」
「そうか、一回俺のことを切ってみろ」
「え!?いいんですか?」
「俺を誰だと思ってる!君の師匠だぞ!」
「おぉ」
夢ちゃんは目を輝かせながら剣を戸村さんに振り下ろした。
キンッ
戸村さん2本の浮遊する剣で受け止めた。
「よし、次は魔法をかけながら切ってみろ」
「魔法の使い方がよく分からないであります!」
「簡単だ。剣に内から出る力を集中させてみろ」
夢ちゃんは集中し再度、戸村さんに切りかかった
カンッ
今度は片方の剣が吹き飛んだ。
「おお、その剣は魔法をかけると本人は分からないらしいが重さが変わるみたいだな」
「なっ!そうだったんですか!」
夢ちゃんは自分の流水神剣を見ながらニマニマし始めた。
すると、戸村さんが私を見てきた。
「宮田ちゃんの魔法もなかなかだな。攻撃力はないもののサポート魔法の部類では君の上に立つものはいないだろう」
「そんな、私なんて人を1人救えないくらい弱い者なんです」
「そう謙遜するな。君の魔法はきっと誰かの役にたつ。
しかし、この調子だとあと半日で地上に出られるな」
「師匠!私は決めました!当分の間、師匠の元にいようと思います!」
「それはダメだ」
「なぜです!?」
「君たちを送り届けたら俺はダンジョンのさらなる深部に降りる。そこには悪魔もいるしルシファーだって復活しているかもしれない」
「大丈夫です!私の力は師匠には及びませんが自分の身は自分で守ることはできます」
「しかしなぁ......宮田ちゃんはどうするんだ?」
私は考えた。王国に戻ればみんなと合流することができると思うし一夜くんだっているかもしれない。けど、まだダンジョンの中で必死に生きているかもしれない。
そこであることを思い出した。
「あの、戸村さん。ダンジョンの地下が全て繋がっているというのは本当ですか?」
「全てとは言いきれないがほとんどのダンジョンは繋がっているぞ」
鏡くんがまだダンジョンの中に居るかもしれない。
奇跡的にあのテレポートに入れても、また私みたいにダンジョンの中かもしれない。考えが頭の中を巡る。
もし、テレポートして地上に出れたとしたら一夜くんは王国に向かうと思う。そしたら安全だ。けど、まだダンジョンの中にいたら......。私は決断した。
「私も残ります。戸村さんだったらテレポートを抜ける方法が分かるんですよね?」
「宮田ちゃんもか。あぁ、あのテレポートには抜け道がある。けど、そこを超えたら命の保証はないぞ」
「分かっています」
目は真剣に戸村さんを見ていた。
「......分かった。そうとなればすぐにでもちゃんとした訓練する。これは命を守る訓練だ。最後までやれるか2人とも?」
「「はい」」
「まぁ、とりあえずは地上に出て準備でもするか」
私たちは、戸村さんに訓練を2週間しっかりとやらされた。戸村さんの教え方が的確に要点だけ教えてくれたので訓練はそれほど過酷ではなかった。
そして、3週間が経とうとする日に私たちは悪魔の住処へと足を踏み入れた。
続く
「夢ちゃん、その剣に魔法は込めたことあるか?」
ダンジョンで暴れまわってた2人だが唐突に戸村さんが夢ちゃんに質問した。
「いえ、ありません!」
「そうか、一回俺のことを切ってみろ」
「え!?いいんですか?」
「俺を誰だと思ってる!君の師匠だぞ!」
「おぉ」
夢ちゃんは目を輝かせながら剣を戸村さんに振り下ろした。
キンッ
戸村さん2本の浮遊する剣で受け止めた。
「よし、次は魔法をかけながら切ってみろ」
「魔法の使い方がよく分からないであります!」
「簡単だ。剣に内から出る力を集中させてみろ」
夢ちゃんは集中し再度、戸村さんに切りかかった
カンッ
今度は片方の剣が吹き飛んだ。
「おお、その剣は魔法をかけると本人は分からないらしいが重さが変わるみたいだな」
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すると、戸村さんが私を見てきた。
「宮田ちゃんの魔法もなかなかだな。攻撃力はないもののサポート魔法の部類では君の上に立つものはいないだろう」
「そんな、私なんて人を1人救えないくらい弱い者なんです」
「そう謙遜するな。君の魔法はきっと誰かの役にたつ。
しかし、この調子だとあと半日で地上に出られるな」
「師匠!私は決めました!当分の間、師匠の元にいようと思います!」
「それはダメだ」
「なぜです!?」
「君たちを送り届けたら俺はダンジョンのさらなる深部に降りる。そこには悪魔もいるしルシファーだって復活しているかもしれない」
「大丈夫です!私の力は師匠には及びませんが自分の身は自分で守ることはできます」
「しかしなぁ......宮田ちゃんはどうするんだ?」
私は考えた。王国に戻ればみんなと合流することができると思うし一夜くんだっているかもしれない。けど、まだダンジョンの中で必死に生きているかもしれない。
そこであることを思い出した。
「あの、戸村さん。ダンジョンの地下が全て繋がっているというのは本当ですか?」
「全てとは言いきれないがほとんどのダンジョンは繋がっているぞ」
鏡くんがまだダンジョンの中に居るかもしれない。
奇跡的にあのテレポートに入れても、また私みたいにダンジョンの中かもしれない。考えが頭の中を巡る。
もし、テレポートして地上に出れたとしたら一夜くんは王国に向かうと思う。そしたら安全だ。けど、まだダンジョンの中にいたら......。私は決断した。
「私も残ります。戸村さんだったらテレポートを抜ける方法が分かるんですよね?」
「宮田ちゃんもか。あぁ、あのテレポートには抜け道がある。けど、そこを超えたら命の保証はないぞ」
「分かっています」
目は真剣に戸村さんを見ていた。
「......分かった。そうとなればすぐにでもちゃんとした訓練する。これは命を守る訓練だ。最後までやれるか2人とも?」
「「はい」」
「まぁ、とりあえずは地上に出て準備でもするか」
私たちは、戸村さんに訓練を2週間しっかりとやらされた。戸村さんの教え方が的確に要点だけ教えてくれたので訓練はそれほど過酷ではなかった。
そして、3週間が経とうとする日に私たちは悪魔の住処へと足を踏み入れた。
続く
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