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第1章

70話 剣

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70話

「ルシファーですか?」

「話といてなんだが君達は知らなくていいことだな」


 戸村さんは表情を変えてそう言った。

「でも、戸村さんがここにいるってことはそのルシファーやその仲間がいるってことなんですか?」

「......ダンジョンにはどこにでもいるさ。あいつのおかげで道はテレポートする魔法で行けなくなっているがな。
 まぁ、心配しないでくれ。ルシファーはまだ眠っている。俺の仲間が倒してな」


「そうですか。お仲間はどのような方なのですか?」

「アルベイトと言ってな、ルシファーともう一体のベリアルを同時に倒したんだ。すごい奴だよ」

 懐かしそうに言った。

「あの、アルベイトと言う名前には聞き覚えがあります。でも、その方は敵と言う話を聞きました」

 戸村さんは笑いながら答えた。

「そうかそうか、まぁ、あいつは無茶して何も考えないところがあるからなどこかで誤解されたんだろ」

 アルベイトと言う人は敵と間違われるほど破天荒な人なのかな。
 でも、私達はきっとその人のおかげで助けられたんだと思う。
 テレポートする魔法って私達がこの場所に来たものだよね。きっとすごい人なんだろうな。
 などと考えていると興奮が収まらない夢ちゃんがまた騒ぎ始めた。

「戸村師匠!その剣はどうやって飛ばしているんですか!?重力の魔法ですか?」

「これはな」

「おぉ」

夢ちゃんは目を輝かせ始めた。

「知らん!」

「おぉ!未知なるパワーと言うやつですね!」

「俺の剣は貰い物だ。夢ちゃんと言ったか?君の剣はどういうものなんだ?」

「よくぞ、聞いてくれました師匠!この剣は流水神剣。私がこの世界に来て持っていたものです!」

「ほう、職は勇者ということだな。どこかで聞いたことがあるぞ。勇者の称号を持ったものは神器に匹敵する剣を持つと」

「さすがは師匠!私は勇者です。ですが、この剣の使い方がいまいち分からないんです。もしかしたら師匠と同じように浮遊することを望んでいるのですが」

「うーん、無理だな。
  しかし、随分と大きな剣だな」

 夢ちゃんの剣は剣先だけで1.5mほどあり幅も広い。見るからに大剣なのだ。
 背の低い夢ちゃんは剣を横にして担いでいる。

「はい!師匠!
 でもこの剣重くないんです。ナイフと同じくらいの重さなんです」

「ほう、面白いな。他に何か特徴はあるのか?」

「わかりません!それを師匠に見てもらいたいんです!」

「いいだろう!ついて来い夢ちゃん!」

 2人は薄暗いダンジョンの中を駆け出した。
 2人はモンスターを流れ作業のように倒していく。
 先程のモンスターが強いだけであってこの付近のモンスターはあまり強くない。なので夢ちゃんもさくさくとモンスターを倒せた。
 
 「宮田さん!私に持久力を上げる魔法とかかけられる?」

「できるけど、そんなにはしゃいで大丈夫?」

「心配しないで!」

 不安だ。


続く
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