上 下
57 / 97
第1章

56話 逆転

しおりを挟む
56話

「頼む五十嵐!最初にできた穴に繋げるように穴を作ってくれ」

「くそ!こき使いやがって負けたらただじゃおかないからな」

五十嵐は最初の穴に沿うようにマリウスに近づく。

「また君か。もう一回穴に落ちてきなよ」

マリウスが再度穴を作る。しかし、一度食らっている五十嵐は穴の壁にしがみついてすぐさま地上に上がってきた。

「何やってんだ!五十嵐!」

マリウスと戦ってた内田が五十嵐に叫んだ。

「俺に言うんじゃね!鏡に言え」

「鏡が言ったのか。何か策があるな」

「内田てめー、鏡は信じて俺は信じねーのかよ」

「当たり前だろ」

「はぁ!?後でどうなるか分かっていッッッおわー」

話の途中でマリウスが穴を開けて再度五十嵐を落とした。

「敵ながらいいタイミングだったぞ悪魔」

「うるさいよ、僕は無視されたり一人にされるのが一番嫌いなんだ」

再度、内田とマリウスは斬り合い始めた。

「あの悪魔許さねー、一発入れてやる」

這い上がってきた五十嵐がマリウスに近づくがまた穴を作られそこに落ちた。

「あのやろーーー」

「おーい、もういいぞ五十嵐十分な穴の大きさだ」

「あぁ!穴なんて知ったことじゃね。俺はあの悪魔に一発入れるまで終わらねーぞ」

五十嵐は完全に頭に血が上っていた。少々面倒だ。

「五十嵐ありがとな。またな」

「は?何言ってッ」

五十嵐は鏡の出した馴染みの魔法陣の中に消えていった。何故か後ろでナーラが面白かったのかニコニコしていた。

「この後はどうするなの?」

「後はマリウスを穴の下に連れて行くんだが.....おっいいタイミングに戻ってきた」

「鏡、どうして五十嵐を戻した。これも策の内なのか」

「まぁ、策の邪魔だったからな。それよりマリウスの方は大丈夫なのか?」

「ああ、何故か一人でぶつぶついいながら大人しくなった」

「ぶつぶつ?」

俺はマリウスの方に目を向けた。確かに小さな声で何か言っている。

「あの人に久しぶりに会える。あと少しあぁ早く会いたいもう少しなんだあぁあの人とも一緒になりたい」

不気味で気になるをぶつぶつ言っている。しかしこの状況はちょうど良かった。

「内田、頼みたいことがある」

俺の考えを一通り内田に話した。

「分かった。今がいいタイミングだすぐに実行する」

内田は大人しくなったマリウスを穴の中へ一瞬で落とした。無抵抗のままマリウスは穴の底まで落ちた。

「何するの?あの人が目覚めるのにこんな穴の底じゃ見えないよ。もう君達と遊ぶのも終わりだよ。本気で死んでもらうからね」

マリウスが正面に目を向けるとそびえ立つ大きな影があった。マリウスの頰から一雫の汗が地面に落ちた。

「テス君やっちゃえーなの!」

続く
しおりを挟む
感想 1

あなたにおすすめの小説

転生令嬢は現状を語る。

みなせ
ファンタジー
目が覚めたら悪役令嬢でした。 よくある話だけど、 私の話を聞いてほしい。

お花畑な母親が正当な跡取りである兄を差し置いて俺を跡取りにしようとしている。誰か助けて……

karon
ファンタジー
我が家にはおまけがいる。それは俺の兄、しかし兄はすべてに置いて俺に勝っており、俺は凡人以下。兄を差し置いて俺が跡取りになったら俺は詰む。何とかこの状況から逃げ出したい。

【完結】異世界転移した私がドラゴンの魔女と呼ばれるまでの話

yuzuku
ファンタジー
ベランダから落ちて死んだ私は知らない森にいた。 知らない生物、知らない植物、知らない言語。 何もかもを失った私が唯一見つけた希望の光、それはドラゴンだった。 臆病で自信もないどこにでもいるような平凡な私は、そのドラゴンとの出会いで次第に変わっていく。 いや、変わらなければならない。 ほんの少しの勇気を持った女性と青いドラゴンが冒険する異世界ファンタジー。 彼女は後にこう呼ばれることになる。 「ドラゴンの魔女」と。 ※この物語はフィクションです。 実在の人物・団体とは一切関係ありません。

悪役令嬢は大好きな絵を描いていたら大変な事になった件について!

naturalsoft
ファンタジー
『※タイトル変更するかも知れません』 シオン・バーニングハート公爵令嬢は、婚約破棄され辺境へと追放される。 そして失意の中、悲壮感漂う雰囲気で馬車で向かって─ 「うふふ、計画通りですわ♪」 いなかった。 これは悪役令嬢として目覚めた転生少女が無駄に能天気で、好きな絵を描いていたら周囲がとんでもない事になっていったファンタジー(コメディ)小説である! 最初は幼少期から始まります。婚約破棄は後からの話になります。

4層世界の最下層、魔物の森で生き残る~生存率0.1%未満の試練~

TOYA
ファンタジー
~完結済み~ 「この世界のルールはとても残酷だ。10歳の洗礼の試練は避ける事が出来ないんだ」 この世界で大人になるには、10歳で必ず発生する洗礼の試練で生き残らなければならない。 その試練はこの世界の最下層、魔物の巣窟にたった一人で放り出される残酷な内容だった。 生存率は1%未満。大勢の子供たちは成す術も無く魔物に食い殺されて行く中、 生き延び、帰還する為の魔法を覚えなければならない。 だが……魔法には帰還する為の魔法の更に先が存在した。 それに気がついた主人公、ロフルはその先の魔法を習得すべく 帰還せず魔物の巣窟に残り、奮闘する。 いずれ同じこの地獄へと落ちてくる、妹弟を救うために。 ※あらすじは第一章の内容です。 ――― 本作品は小説家になろう様 カクヨム様でも連載しております。

レベルが上がらない【無駄骨】スキルのせいで両親に殺されかけたむっつりスケベがスキルを奪って世界を救う話。

玉ねぎサーモン
ファンタジー
絶望スキル× 害悪スキル=限界突破のユニークスキル…!? 成長できない主人公と存在するだけで周りを傷つける美少女が出会ったら、激レアユニークスキルに! 故郷を魔王に滅ぼされたむっつりスケベな主人公。 この世界ではおよそ1000人に1人がスキルを覚醒する。 持てるスキルは人によって決まっており、1つから最大5つまで。 主人公のロックは世界最高5つのスキルを持てるため将来を期待されたが、覚醒したのはハズレスキルばかり。レベルアップ時のステータス上昇値が半減する「成長抑制」を覚えたかと思えば、その次には経験値が一切入らなくなる「無駄骨」…。 期待を裏切ったため育ての親に殺されかける。 その後最高レア度のユニークスキル「スキルスナッチ」スキルを覚醒。 仲間と出会いさらに強力なユニークスキルを手に入れて世界最強へ…!? 美少女たちと冒険する主人公は、仇をとり、故郷を取り戻すことができるのか。 この作品はカクヨム・小説家になろう・Youtubeにも掲載しています。

【完結】あなたに知られたくなかった

ここ
ファンタジー
セレナの幸せな生活はあっという間に消え去った。新しい継母と異母妹によって。 5歳まで令嬢として生きてきたセレナは6歳の今は、小さな手足で必死に下女見習いをしている。もう自分が令嬢だということは忘れていた。 そんなセレナに起きた奇跡とは?

レベルが上がらずパーティから捨てられましたが、実は成長曲線が「勇者」でした

桐山じゃろ
ファンタジー
同い年の幼馴染で作ったパーティの中で、ラウトだけがレベル10から上がらなくなってしまった。パーティリーダーのセルパンはラウトに頼り切っている現状に気づかないまま、レベルが低いという理由だけでラウトをパーティから追放する。しかしその後、仲間のひとりはラウトについてきてくれたし、弱い魔物を倒しただけでレベルが上がり始めた。やがてラウトは精霊に寵愛されし最強の勇者となる。一方でラウトを捨てた元仲間たちは自業自得によるざまぁに遭ったりします。※小説家になろう、カクヨムにも同じものを公開しています。

処理中です...