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第1章

34話 アルベイト

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34話

俺達3人はトンネルに入って2時間が経過していた。

「あの、鏡さん気のせいならいいのですがこのトンネル下ってませんか?」

「だよな。少し前から気になっていたがやっぱりそうだよな」

「出口ないのー」

「冗談でもやめてくれよ。なの、2時間も歩いたんだ」

「あ!鏡さん、なのちゃん、あそこだけ今までの雰囲気とは違いますよ!出口があるってことじゃないでしょうか」

タリアが気づいたその先は今までのトンネルとは違って異様な雰囲気だった。しかし、俺はこの雰囲気を知っている。

「タリア、なの、気をつけろこの先はダンジョンだ。ベヒモスはダンジョンにいてこの穴を掘ってきたんだ」

「そんな~、山の向こうに出ることはできなかったのですね」

俺達が落ち込んでいると後ろから声がした。

「貴様らこのダンジョンに何の用だ。貴様ら一般の冒険者が来るようなところではないぞ」

声の主は黒のマントを羽織って横に手下二人を連れていた。一人は頭の良さそうな女の子ともう一人は見覚えがある。

「おいお前、鏡か。何でこんなところいんだよ」

もう一人は、クラスメイトだった内田というやつだった。

「内田、お前の知り合いか?」

「はい、アルベイト様。こいつは俺達と一緒にこっちに飛ばされたクラスメイトっす」

タリアは黒マントの主の名前が分かった途端固まった。

「アル...ベイ....ト」

その名は俺も聞いたことがある。こっちでは戦争をしたりしているらしいが女神によって召喚された異世界召喚者だ。

「いかにもこの方はアルベイト!そして私はその方の右腕のナーラと申します。一つお聞きしたいのですがベヒモスを倒しましたか?」

「それよりアルベイト様がここに何の用だ。答えたら質問に答えてやる」

アルベイトの目つきは鋭くなって内田に命令した。

「内田、やれ」

内田は手の前に魔法陣を展開するとそこから雷が襲ってきた。

バチッ

いち早く気づいたタリアが影から剣を出し防いだ。

「君、なかなかやるね。電撃って結構早いと思うんだけど」

「あなたは鏡さんの知り合いじゃないんですか?どうしてその人の言うことを聞くんですか?」

「君が勝ったら答えてやるよ」

内田は魔法陣をさらに展開してタリアに放った。タリアは4本の剣で上手く防いでいる。

「アルベイト!あんたは見ているだけか?タリアは内田なんかには負けねーぞ」

「おいおい、ひでーな鏡」

アルベイトは黙ったまま戦いを見ているだけだった。なのの召喚魔法が使えればいいのだがこのダンジョンでドラゴンを召喚したらダンジョンが崩れてしまう。そうこう考えてるうちにもう一人のナーラが迫ってこようとしていた。

「あなた方の実力見せてもらいましょう」

しかし、アルベイトに止められた。

「何回言えば分かるんだ。お前の能力じゃ戦闘は出来ないんだ」

あのアルベイトに突っ込まれていた。その後アルベイトはタリアと内田の戦いを見て一言つぶやいた。

「あいつは合格だ」

何のことを言ってるのか分からなかった。そしてアルベイトはこちらを向いた。

「我が直々に相手をしよう。鏡とやら、少しは楽しませろよ」

続く
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