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第1章

30話 カール山脈

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30話

俺とタリアはマイナ町を出て早2日が経過していた。

「なぁタリア、次のカール山脈には後どのくらいで着くんだ?」

「地図ではもうそろそろみたいですよ。そこまで着けばトンネルが掘ってあるので楽に移動ができますよ」

「そうか、山脈が近いか分からないが早くこの勾配が続く道を抜けたいな」

「あっ!見えてきましたよカール山脈」

そこには急斜面で岩肌が突き出た険しい山々が並んでいた。普通の人間なら登ることはまず不可能だろう。そうこうしているうちに俺たちはカール山脈の麓にたどり着いた。

「悪いな兄ちゃん達、昨日ここのトンネルの奥が崩れちまってな。直すのに後1ヶ月かかっちまうんだ」

「「..........」」

「鏡さん。これは詰んだというやつですね」

「タリア、どこで覚えたそんな言葉...」

「女神様は色んなことを知っているんですよ」

(あの女神、タリアに変な言葉覚えさせやがって)

「兄ちゃん達急いでいるようだけどトンネルを使わずこの山脈を越えようだなんては思うなよ。俺は帰らなかった奴を何人も知っている。それと噂だが山頂にはドラゴンの巣があるそうだ」

「ドラゴン?」

「鏡さんドラゴン知らないですか?」

タリアは、不思議そうな顔で聞いてきた。

「ドラゴン自体は知ってるが存在するのか?」

「当たり前ですよ。この世界で1位2位を争う最強の種族ですよ。一匹で一つの国の兵士を全滅させたことだってあるんですよ」

「そうだぜ兄ちゃん、ドラゴンと出会うのだけは絶対に避けろ。って言ってもそうそう出会えるものじゃないがな。俺だってまだ一度も生で見たことがないからな」

「はー」

「とりあえず兄ちゃん達この麓に着いたばかりだろ。もう、夕方だいい宿紹介してやるから今日はそこで休むといい」

その後、気のいいおじさんから紹介された宿で明日からの予定を決めることにした。

「どうしましょう鏡さん、迂回してこうにもこの山脈相当な距離がありますよ」

「そうだな、そしたら駄目もとで明日少し登ってみるか。もし危険だったらタリアだけでも俺の魔法陣に逃げ込めばいいし」

「鏡さんもです。付いて行きますけどあまり無茶なことはしないで下さい」

「あぁ、分かってる」

明日の予定も決まり俺達は今まで歩いた疲れが出たのかすぐ眠りに落ちた。

続く
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