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第1章

9話 反異世界召喚

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9話

朦朧とする意識の中、先導を走っている榊達の前の空間が歪んでいた。その時、ダンジョンに入る前にタジールが言っていた言葉を思い出した。最深部に行こうとした者は地上にテレポートされてしまうのだと、榊達は空間が歪んでいることに気づかずそのまま、歪んでるとこに向かって突っ込んでいった.....
案の定、榊達先導を走っていた6、7人は目の前から忽然と消えた。後からついてきた者は足を止めた。しかし、感のいいタジールは気づいたのだろう。

「飛び込め!地上にでられるぞ!」

それを聞いた者達は我先にと飛び込んでいった。俺と沙知も飛び込もうとスピードを上げた時だった。

「邪魔だ!」

ドンッ

俺だけ後ろからきたやつに飛ばされてしまった。

ガギャーーー

すぐそこまで来ている。必死に起き上がり走りだそうとした時、すでに遅かった俺だけモンスターに囲まれていた。歪んでいる空間の方では、沙知がこちらに来るのを必死で止めているタジールの姿が見えた。俺は、生贄になることを決意した。

「タジール隊長!沙知を連れて早く地上へ!」

タジールは、一言

「すまん」

必死で抵抗する沙知を連れて歪んでる空間に入っていった。
この、ダンジョンに人はもう俺一人しかいない。俺のまわりには、モンスターが数えきれないほどいる。ジリジリと360度から迫って来ていて今にも襲われそうだ。死の恐怖に立っていられなかった腰が抜けて後ろに倒れそうになるのを右手で必死に支えた。
その時だった!
右手の魔法陣が光だし自分の下に同じ模様の魔法陣が展開した。まわりにいたモンスターは魔法陣が展開した直後襲いかかってきた。恐怖のあまり目を瞑ってしまった。
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痛くはない、かといって感覚が麻痺しているわけでもない。恐る恐る目を開けてみると長さ20mくらい長方形の部屋にいた。真ん中には机と椅子があり自分とは反対の方向を向いていた。その奥には、自分の右手と同じの魔法陣があった。後ろを振り向くとそこにも同じ魔法陣があった。

(どういうことだ...俺は確かに襲われたはず..まさか俺もテレポートに成功したのか)
(ということは、皆はもうこの白い部屋を抜けて地上に出たのか)

助かった喜びとなぜ助かったのかという謎が入り乱れていた。考えても仕方ないので俺は反対にある魔法陣まで移動を始めた。真ん中にある椅子に誰か座っていればいいのだが確認してみたがそんなことはなかった。しかし、先程まで誰かいた後があった、誰がいたのだろうか。反対側の魔法陣まで辿りつくと後ろを振り向いた。椅子とテーブルはこちらを向いていた。本来ならこちら側から来るのが正解なのだろう。
そんなことを思いながら反対側の魔法陣に入った。地上に出られると思って入った。しかし、出た先は地上だ、地上だが違う、景色が違う、建物が違う、世界が違う。


ここは、元いた世界の学校の教室だ。


続く。
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