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プロローグ

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一面の白い世界。

其処に存在するのは、2つの意思だけだ。




『此方ハ、無事出逢えたヨうですヨ…… 』

「ん、そうか。此方も思惑通り。しっかり進んでいるようだよ」

『トウゼンですね。ぱするは得意デす、わタし』


そう言ってその意思はずらりと中途半端な立方体を並べてみせた。

けれど、並んだ立方体が宙に浮かぶだけで、声の主はどこにいるのか姿が見えない。

声はすれども姿は見えず。

まさしくそれだ。

其処へふっと、囁くような笑い声が何処からか風に乗るように聞こえて、


「あぁ、上手く違和感無く紡げたようだね。流石だよ。良い仕事してるね。後は…… 歯車が回り出すだけだ…… 」


と、風も無いのに澄んだ声を響かせた。

今正に、姿の見えぬ、彼等の掌の上で何かが踊り出そうとしていた。

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