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Extra2:Moonlight scandal
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透さんは軽やかな動作で、プールサイドから水の中へと飛び込んでいく。
全身の筋肉が瞬時に躍動するのが、スローモーションのように見えた気がした。
完璧な入水角度で上がる水しぶきは、月の灯りに青白くキラキラと揺らめいて静かな音を響かせた。
でも水音が響いたのは一瞬で、水面に波紋を残して辺りはまた、しんと静まり返る。
水中を 軽くドルフィンキックで進んでいた影が、プールの真ん中辺りでゆっくりと浮上してきて、纏わり付く水と一緒に、透さんが水面に顔を出した。
濡れた髪を揺らしながら滴り落ちる雫を飛ばし、両手で前髪を掻き上げる動作が映画のワンシーンのようだと思った。
「直くん、泳がないの?」
ゆっくりと泳いで、こちらへ戻ってきた透さんが、プールの中から俺を見上げて首を傾げてるけど……。
「え、う……ん。泳ぐけど……なんか……」
水着も何も着けてないから、なんだか心許なくて恥ずかしい。
「水の中に入らないと、余計に恥ずかしいよ?」
透さんはそう言って、俺に手を差し出した。
確かにそうだった。プールサイドで真っ裸でしゃがんでる俺は、かなり恥ずかしい格好だ。
意を決して、プールの縁に座って足を水の中に入れてみる。
「ケツ、冷てぇ……」
水の中の足よりも、座った部分に感じる水が、思いのほか冷たい。
「入っちゃえば、そうでもないよ」
クスクスと笑いながら俺の手を握った透さんにクイっと引っ張られて、水の中へパシャンと引きずりこまれてしまう。
「うっわっ、冷たっ! しかも深っ!」
プールの水はやっぱり冷たくて、水深が思ったよりも深い。俺の身長だと背伸びして、やっと顔が出るくらいだ。
思わず大きな声を出してしまった俺に、透さんは「シーっ」と、口元に人差し指をあてる。
「寒い?」
そう訊きながら、水の中でやんわりと抱きしめてくるから、水の温度に反して体内の温度が上がってしまいそう。
「だ……いじょうぶ……」
透さんの言う通り入った瞬間は冷たかったけど、慣れたらそうでもなくて、それより……。
透さんに軽く抱えられてる身体は、水中だから浮遊力があって、なんだか……俺のと、透さんのモノが軽く触れ合ってて……。しかも何か……俺のだけ、硬くなり始めてる気がする。
「直くん」
耳元で囁きながら腰に回された腕に引き寄せられて身体がいっそう密着すると、体内の熱が一気に上がりそうになってしまう。
――やばい……このままじゃ俺……!
全身の筋肉が瞬時に躍動するのが、スローモーションのように見えた気がした。
完璧な入水角度で上がる水しぶきは、月の灯りに青白くキラキラと揺らめいて静かな音を響かせた。
でも水音が響いたのは一瞬で、水面に波紋を残して辺りはまた、しんと静まり返る。
水中を 軽くドルフィンキックで進んでいた影が、プールの真ん中辺りでゆっくりと浮上してきて、纏わり付く水と一緒に、透さんが水面に顔を出した。
濡れた髪を揺らしながら滴り落ちる雫を飛ばし、両手で前髪を掻き上げる動作が映画のワンシーンのようだと思った。
「直くん、泳がないの?」
ゆっくりと泳いで、こちらへ戻ってきた透さんが、プールの中から俺を見上げて首を傾げてるけど……。
「え、う……ん。泳ぐけど……なんか……」
水着も何も着けてないから、なんだか心許なくて恥ずかしい。
「水の中に入らないと、余計に恥ずかしいよ?」
透さんはそう言って、俺に手を差し出した。
確かにそうだった。プールサイドで真っ裸でしゃがんでる俺は、かなり恥ずかしい格好だ。
意を決して、プールの縁に座って足を水の中に入れてみる。
「ケツ、冷てぇ……」
水の中の足よりも、座った部分に感じる水が、思いのほか冷たい。
「入っちゃえば、そうでもないよ」
クスクスと笑いながら俺の手を握った透さんにクイっと引っ張られて、水の中へパシャンと引きずりこまれてしまう。
「うっわっ、冷たっ! しかも深っ!」
プールの水はやっぱり冷たくて、水深が思ったよりも深い。俺の身長だと背伸びして、やっと顔が出るくらいだ。
思わず大きな声を出してしまった俺に、透さんは「シーっ」と、口元に人差し指をあてる。
「寒い?」
そう訊きながら、水の中でやんわりと抱きしめてくるから、水の温度に反して体内の温度が上がってしまいそう。
「だ……いじょうぶ……」
透さんの言う通り入った瞬間は冷たかったけど、慣れたらそうでもなくて、それより……。
透さんに軽く抱えられてる身体は、水中だから浮遊力があって、なんだか……俺のと、透さんのモノが軽く触れ合ってて……。しかも何か……俺のだけ、硬くなり始めてる気がする。
「直くん」
耳元で囁きながら腰に回された腕に引き寄せられて身体がいっそう密着すると、体内の熱が一気に上がりそうになってしまう。
――やばい……このままじゃ俺……!
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