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Extra2:Moonlight scandal
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「そんなところで、いったい何をしているの?」
お母さんはそう言いながら、思いっきり怪訝そうな表情で、俺のことをじろじろ見てる!
透さんがドアに凭れていたから、ドアスコープから見られていたという事は、ないと思うんだけど……。
さっきまでしていた行為で火が点きかけていた身体は、まだ余韻で火照っていて、俺は堪らずにその視線から逃れるように目を逸らした。
「篠崎家の長男が、ご近所の目もあるのにこんなところで……」
続けられた言葉に、心臓がドキッと跳ねた。
――やっぱり見られてた?
「ちょっと、話をしていただけですよ」
透さんが、お母さんの視線を遮るように、さりげなく俺を背後に隠してくれる。
「美絵さんをあまりお待たせしてはいけないので、すぐ出掛ける準備をしますから」
透さんはそう言って、俺の方を振り返る。
「ごめんね、直くん。送ってあげられないけど……」
申し訳なさそうに謝ってから俺にだけ聞こえるように、「後で必ず連絡するから。週末のこと決めよう」と、耳元に囁いた。
ドキッとして見上げれば、優しい瞳で見つめ返される。
俺は『うん』と、声には出さずに頷いた。
透さんは、俺にニコッと微笑みかけてから、お母さんの方へ向き直る。
「じゃあ、部屋に戻りましょう」
先にお母さんを部屋の中に入るように促して、透さんもその後へ続いた。
そしてドアを閉めながら「週末は……」と言いかけて、俺に視線を合わせる。
『週末は……』の後に続く言葉を、透さんは声に出さずに口だけ動かして伝えてきて、最後に悪戯っぽく微笑んでみせる。
俺は、透さんが何を言ったのかすぐに分かって、一瞬で顔どころか耳まで熱くなってしまった。
パタンとドアが閉じられてから、そっと火照った頬を両手で触ってみる。
「……あつい」
顔の火照りが治まるまで、動けそうにない。
エレベーターで誰かと乗り合わせてしまったら、恥ずかし過ぎるくらい顔が熱いから。
“週末は……”の後、透さんが口パクした言葉は、
『いっぱいセックスしようね』
――まったく! 何を言ってんだよ、透さんは。
俺は、火照った顔を手でパタパタと扇ぎながら、エレベーターへと向かう。
透さんて、普段はクールで、そんな事を言いそうにもないのに、こうやって時々不意打ちで俺をドギマギさせる。
お母さんの急な訪問で、透さんとゆっくりできる時間は無くなってしまっけど、さっきの不意打ちと週末の約束が楽しみ過ぎて、嫌な思いをした事も薄らいでいく。
一人ぼっちの帰り道も、不思議と足取りは重くなかった。
お母さんはそう言いながら、思いっきり怪訝そうな表情で、俺のことをじろじろ見てる!
透さんがドアに凭れていたから、ドアスコープから見られていたという事は、ないと思うんだけど……。
さっきまでしていた行為で火が点きかけていた身体は、まだ余韻で火照っていて、俺は堪らずにその視線から逃れるように目を逸らした。
「篠崎家の長男が、ご近所の目もあるのにこんなところで……」
続けられた言葉に、心臓がドキッと跳ねた。
――やっぱり見られてた?
「ちょっと、話をしていただけですよ」
透さんが、お母さんの視線を遮るように、さりげなく俺を背後に隠してくれる。
「美絵さんをあまりお待たせしてはいけないので、すぐ出掛ける準備をしますから」
透さんはそう言って、俺の方を振り返る。
「ごめんね、直くん。送ってあげられないけど……」
申し訳なさそうに謝ってから俺にだけ聞こえるように、「後で必ず連絡するから。週末のこと決めよう」と、耳元に囁いた。
ドキッとして見上げれば、優しい瞳で見つめ返される。
俺は『うん』と、声には出さずに頷いた。
透さんは、俺にニコッと微笑みかけてから、お母さんの方へ向き直る。
「じゃあ、部屋に戻りましょう」
先にお母さんを部屋の中に入るように促して、透さんもその後へ続いた。
そしてドアを閉めながら「週末は……」と言いかけて、俺に視線を合わせる。
『週末は……』の後に続く言葉を、透さんは声に出さずに口だけ動かして伝えてきて、最後に悪戯っぽく微笑んでみせる。
俺は、透さんが何を言ったのかすぐに分かって、一瞬で顔どころか耳まで熱くなってしまった。
パタンとドアが閉じられてから、そっと火照った頬を両手で触ってみる。
「……あつい」
顔の火照りが治まるまで、動けそうにない。
エレベーターで誰かと乗り合わせてしまったら、恥ずかし過ぎるくらい顔が熱いから。
“週末は……”の後、透さんが口パクした言葉は、
『いっぱいセックスしようね』
――まったく! 何を言ってんだよ、透さんは。
俺は、火照った顔を手でパタパタと扇ぎながら、エレベーターへと向かう。
透さんて、普段はクールで、そんな事を言いそうにもないのに、こうやって時々不意打ちで俺をドギマギさせる。
お母さんの急な訪問で、透さんとゆっくりできる時間は無くなってしまっけど、さっきの不意打ちと週末の約束が楽しみ過ぎて、嫌な思いをした事も薄らいでいく。
一人ぼっちの帰り道も、不思議と足取りは重くなかった。
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