出逢えた幸せ

ずーちゃ

文字の大きさ
上 下
170 / 351
Extra1:君の初めては全部……

(7)*

しおりを挟む
 透さんの匂いを感じながら、首筋から鎖骨、胸、腹筋へと、引き締まったしなやかな身体を辿っていけば、熱を帯び張り詰めた先端が頬に当たる。

 それは腹にくっつく程に勃ちあがっていて、舌を伸ばして触れてみれば、先端から溢れる蜜の味がした。

 舌で触れた感触だけで見えないのに、手を拘束されていて触ることもできないのに、興奮してしまう。

 ――透さんも同じように興奮してくれてるのかなって思うと、なんだか嬉しいけど……、でも……。

「……ッ……直くん」

 熱の籠った呼気と共に少し焦った声が落ちてきて、俺の顔にかかる前髪を優しい手がそっと掻き上げた。
 
 目隠しされてて見えないけど、情欲に濡れた眼差しに上からじっと見下ろされているのを感じる。

 そのまま熱い幹へ舌を這わせていけば、浮き出た血管が脈打っているのが、リアルに舌先に伝わってくる。
 
 シーツに肌が擦れる音と共にスプリングが揺れて、透さんが身じろぐ気配がする。

 見えないから、歯が当たらないように気を付けながら口を大きく開けて、そろそろと先端から呑み込んでいけば、咥内で透さんのがドクンとまた大きく膨らんだ。

 俺の前髪を掻き上げている指先に力が入ったのを感じて……、

「……っ……直……」

 透さんの余裕のなくなってきた声に呼ばれた途端、頭をそこから引き剥がされて、体はゆっくりと後ろへ押し倒されてしまった。

「……っ」

 脚の間に透さんが割入ってきて、汗ばんだ体がのしかかり、唇を塞がれる。

「……挿れていい?」

 舌を絡め合わせながら、透さんはキスの合間に掠れた声で囁いて、後ろの入り口に硬い熱を押し付けてくる。

「……ん、……」

 頷けば、もう一度だけ啄ばむようになキスをくれて、リップ音を残しながら唇の温もりが離れていってしまう。俺は思わず、追いかけるように頭を起こしたけど、上手く届かなかった。

 腰を持ち上げる手が双丘を割り広げ、グッと先端を埋め込まれる。

 ついさっきまで透さんを受け入れていたそこは、吸い付くように難なく張り詰めた熱を呑み込んでいく。

 俺は後ろで縛られている手を強く握り締めることしかできなくて……。

「ああっ」

「……っ」

 体内がいっぱいになっていく感触に思わず声をあげる。同時に、透さんが零した吐息が聞こえてきた。

 顔の両脇でスプリングが僅かに軋んだ。シーツに手を突いた透さんに、上から見下ろされている気配がする。

「……直……っ」

 余裕のなくなってきた声で呼ばれた瞬間、抱き寄せられてベッドのスプリングが大きく揺れる。

 反動をつけて体が起こされて、対面座位の形で抱きしめられた。

「……っ、ああっ」

 自分の重みで一気に奥まで貫かれる。嬌声を上げながら反らした喉に濡れた舌が這わされて、体が大きく戦慄いた。

 そのまま胸へと下りて、感じやすくなっている尖りを吸い上げる。

「あぁ……ふ、ぁ……っ、とーるさっ……」

 俺の体は、押し寄せる快感に硬直して、カクカクと小刻みに震えて……。

 そして、透さんの乱れた熱い息が肌にかかるのを感じて……。

 ――透さんも興奮してくれてるのが伝わってきて、やっぱり嬉しい……。でも……。

しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

氷の騎士団長様の悪妻とかイヤなので離婚しようと思います

黄金 
BL
目が覚めたら、ここは読んでたBL漫画の世界。冷静冷淡な氷の騎士団長様の妻になっていた。しかもその役は名前も出ない悪妻! だったら離婚したい! ユンネの野望は離婚、漫画の主人公を見たい、という二つの事。 お供に老侍従ソマルデを伴って、主人公がいる王宮に向かうのだった。 本編61話まで 番外編 なんか長くなってます。お付き合い下されば幸いです。 ※細目キャラが好きなので書いてます。    多くの方に読んでいただき嬉しいです。  コメント、お気に入り、しおり、イイねを沢山有難うございます。    

上司と部下の恋愛事情

朔弥
BL
 幼馴染みの祐也(ゆうや)に淡い恋心を抱いていた早坂真尋(はやさかまひろ)は、彼から結婚する事を告げられ失恋。ヤケ酒を飲んでいる時に、隣で飲んでいた奴に絡み、忘れる為に抱いて欲しいと誘う。その誘った相手は、上司の元宮海里(もとみやかいり)だった···。 海里(上司)✕真尋(部下)の躰の関係から始まった恋愛模様をお楽しみ頂けたらと思います。 焦らしプレイが多めです。 R18要素を含みますので、※印を読まれる際には背後にお気をつけ下さい。 どこまでのエロ表現の時に※をつけるのか迷っておりまして···微エロには※印はつけておりません(>_<) ※印を付けておいてよ!と思われたページがあったら、教えて頂ければと思います。 完結しましたが、話しを思いついたら番外編でSSを書きます。

早く惚れてよ、怖がりナツ

ぱんなこった。
BL
幼少期のトラウマのせいで男性が怖くて苦手な男子高校生1年の那月(なつ)16歳。女友達はいるものの、男子と上手く話す事すらできず、ずっと周りに煙たがられていた。 このままではダメだと、高校でこそ克服しようと思いつつも何度も玉砕してしまう。 そしてある日、そんな那月をからかってきた同級生達に襲われそうになった時、偶然3年生の彩世(いろせ)がやってくる。 一見、真面目で大人しそうな彩世は、那月を助けてくれて… 那月は初めて、男子…それも先輩とまともに言葉を交わす。 ツンデレ溺愛先輩×男が怖い年下後輩 《表紙はフリーイラスト@oekakimikasuke様のものをお借りしました》

隠密同心艶遊記

Peace
歴史・時代
花のお江戸で巻き起こる、美女を狙った怪事件。 隠密同心・和田総二郎が、女の敵を討ち果たす! 女岡っ引に男装の女剣士、甲賀くノ一を引き連れて、舞うは刀と恋模様! 往年の時代劇テイストたっぷりの、血湧き肉躍る痛快エンタメ時代小説を、ぜひお楽しみください!

デボルト辺境伯邸の奴隷。

ぽんぽこ狸
BL
シリアルキラーとして捕えられた青年は,処刑当日、物好きな辺境伯に救われ奴隷として仕える事となる。 主人と奴隷、秘密と嘘にまみれた二人の関係、その果てには何があるのか──────。 亜人との戦争を終え勝利をおさめたある巨大な国。その国境に、黒い噂の絶えない変わり者の辺境伯が住んでいた。 亜人の残党を魔術によって処分するために、あちこちに出張へと赴く彼は、久々に戻った自分の領地の広場で、大罪人の処刑を目にする。 少女とも、少年ともつかない、端麗な顔つきに、真っ赤な血染めのドレス。 今から処刑されると言うのに、そんな事はどうでもいいようで、何気ない仕草で、眩しい陽の光を手で遮る。 真っ黒な髪の隙間から、強い日差しでも照らし出せない闇夜のような瞳が覗く。 その瞳に感情が写ったら、どれほど美しいだろうか、そう考えてしまった時、自分は既に逃れられないほど、君を愛していた。 R18になる話には※マークをつけます。 BLコンテスト、応募用作品として作成致しました。応援して頂けますと幸いです。

神獣ってモテますか?(モテないゲイは、魔法使いを目指す!@異世界版)

ビーバー父さん
BL
モテないゲイは、魔法使いを目指す!のシリーズ? 少しだけリンクしてます。 タイトル変えました。 片思いの相手が、実は自分をイラつくほど嫌っていたことを、大学の不合格の日に知った。 現実から逃げるように走ったら、何かにぶつかって、ごろんと転がったら知らない世界でした。 あれ? これ、ラノベとか漫画にある感じ? 神獣として生まれ直して新しい生を送る アホな子を生ぬるく見守ってください。 R18もしくは※は、そう言う表現有りです。

お前らなんか好きになるわけないだろう

藍生らぱん
BL
幼稚舎時代、執着の激しい幼なじみ達に酷い目に合わされた主人公が10年ぶりに幼なじみ達が通う学園に戻る事になった。 身バレしてまた付きまとわれるのは絶対に阻止したい主人公とヤンデレに片足突っ込みかけている執着系イケメン達のスクールライフ。 この物語は異世界のオメガバースです。(独自設定有り。追々作中か後書きで補足します。) 現代日本に似た極東の島国・大東倭帝國にある学園が舞台になります。 不定期更新です。

青年は快楽を拒むために自ら顔を沈める

五月雨時雨
BL
ブログに掲載した短編です。

処理中です...