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第四章:想う心と○○な味の……
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そして今日は、いよいよ14日バレンタインデー。
もちろん今日も朝からバイト。
ハート型チョコクッキーシューの売れ行きも好調で、予約分の準備も完璧。
練習の成果もあってプレートの文字入れも結構いい感じにできるようになった……と、思ってる。
今日の店出し分の準備も終えて、今俺は透さんに渡す分のクッキーシューを作っているところ。
こればかりは、生地の成形も、クリームも、文字入れも、全部自分でやり遂げたい。
チョコと粉まみれになりながら、覚えたレシピを正確に順序良くこなしていく。
最後に、プレートに透さんへのメッセージを書くんだけど……。
「うーーーん……、なんて書こう……」
暫く厨房で頭を抱えてると、なんだか後頭部辺りに視線が刺さっているのを感じた。
後ろを振り向いてみれば、相田さんと池田さんが二人してニヤニヤしながら俺のことを見ている。
「な、なんですかっ?」
「いや~~、直がそれに なんて書くのかなーって、な?」
「ねー」
大人の男二人が、顔を見合わせて「ねー!」とか言ってるよ!
「ちょ……、見ないでくださいよ。恥ずかしいから!」
「えー、いいじゃん、ね、なんて書くのー?」
もーーーっ! なんなんだー! この人達っ。
「いいもん、もうオーソドックスなのでいくからっ」
つか、プレートに書くのって、それでなくても緊張するのに、見られてたら余計に緊張して指が震えるっつーの!
一度息を吐き出して、気持ちを落ち着かせる。
後ろの二人が、固唾を呑んで見守ってるのを感じるけど、無視! 無視!
目の前のプレートとガナッシュを入れた小さい紙の絞り袋の先に、神経を集中させた。
「できたー!」
なんとか失敗せずに、文字入れクリア。
「ほぉ~~」
「ほー、ほー、なるほどオーソドックスだね」
「もー、うるさいです! 二人共!」
まだ、何だかんだと冷やかしてくる二人を無視して、出来上がった中で一番綺麗な形のクッキーシューにプレートを飾って、箱に詰めてラッピングする。
今日は5時であがらせてもらえるから、それまで冷蔵庫に入れておく。これでよし!
「これ、残ったシューも、俺が買いますから」
素人の俺が作ったシュークリームなんて、とてもじゃないけど店には出せないから。
「いや、もうこれ店に出しても大丈夫な出来だよ。直、上手くなったな」
池田さんにそう言われると、めちゃめちゃ嬉しいけど……。
「え、いいのかな……、俺が作ったのに…。」
「まぁ、材料の分量とかは決まってるし、生地の成形も上手く出来てるし、焼き上がりも文句ない。店に出すよこれ」
――なんか、マジ嬉しい。
生まれて初めて、充実感っていうものを味わった気がした。
プレートに書いた言葉は、ごくありふれたもの。
――I'm in love with you.
でもそれが、一番正直な気持ちだから……。
そして今日は、いよいよ14日バレンタインデー。
もちろん今日も朝からバイト。
ハート型チョコクッキーシューの売れ行きも好調で、予約分の準備も完璧。
練習の成果もあってプレートの文字入れも結構いい感じにできるようになった……と、思ってる。
今日の店出し分の準備も終えて、今俺は透さんに渡す分のクッキーシューを作っているところ。
こればかりは、生地の成形も、クリームも、文字入れも、全部自分でやり遂げたい。
チョコと粉まみれになりながら、覚えたレシピを正確に順序良くこなしていく。
最後に、プレートに透さんへのメッセージを書くんだけど……。
「うーーーん……、なんて書こう……」
暫く厨房で頭を抱えてると、なんだか後頭部辺りに視線が刺さっているのを感じた。
後ろを振り向いてみれば、相田さんと池田さんが二人してニヤニヤしながら俺のことを見ている。
「な、なんですかっ?」
「いや~~、直がそれに なんて書くのかなーって、な?」
「ねー」
大人の男二人が、顔を見合わせて「ねー!」とか言ってるよ!
「ちょ……、見ないでくださいよ。恥ずかしいから!」
「えー、いいじゃん、ね、なんて書くのー?」
もーーーっ! なんなんだー! この人達っ。
「いいもん、もうオーソドックスなのでいくからっ」
つか、プレートに書くのって、それでなくても緊張するのに、見られてたら余計に緊張して指が震えるっつーの!
一度息を吐き出して、気持ちを落ち着かせる。
後ろの二人が、固唾を呑んで見守ってるのを感じるけど、無視! 無視!
目の前のプレートとガナッシュを入れた小さい紙の絞り袋の先に、神経を集中させた。
「できたー!」
なんとか失敗せずに、文字入れクリア。
「ほぉ~~」
「ほー、ほー、なるほどオーソドックスだね」
「もー、うるさいです! 二人共!」
まだ、何だかんだと冷やかしてくる二人を無視して、出来上がった中で一番綺麗な形のクッキーシューにプレートを飾って、箱に詰めてラッピングする。
今日は5時であがらせてもらえるから、それまで冷蔵庫に入れておく。これでよし!
「これ、残ったシューも、俺が買いますから」
素人の俺が作ったシュークリームなんて、とてもじゃないけど店には出せないから。
「いや、もうこれ店に出しても大丈夫な出来だよ。直、上手くなったな」
池田さんにそう言われると、めちゃめちゃ嬉しいけど……。
「え、いいのかな……、俺が作ったのに…。」
「まぁ、材料の分量とかは決まってるし、生地の成形も上手く出来てるし、焼き上がりも文句ない。店に出すよこれ」
――なんか、マジ嬉しい。
生まれて初めて、充実感っていうものを味わった気がした。
プレートに書いた言葉は、ごくありふれたもの。
――I'm in love with you.
でもそれが、一番正直な気持ちだから……。
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