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第四章:想う心と○○な味の……
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ランチタイムが終わった頃に休憩に入らせてもらい、スタッフルームで紙パックの苺ジュースを一人で飲んでいると、池田さんが入ってきた。
「お、ここにいたか。休憩に入ってるって聞いて、探してたんだ」
言いながら、小さめのスケッチブックを広げる池田さん。
なんだろうと覗いてみると、そこには美味しそうなスイーツが色鉛筆で描かれていた。
スイーツの横には、どんな材料を使うとかを細かく書き込んでいる。
「うわっ、すごい! これ池田さんが描いたんですか?」
「あはは、そうだよ。イメージしたものをこうして描いておくと忘れないしね」
そう言って、池田さんは描かれている絵を指さした。
「これ、さっき話していたハート型のシュークリームなんだけど……」
池田さんの描いたハート型のチョコシューは、ココアを混ぜたクッキーシューに、中はたっぷりのチョコクリームと苺と、デコレーション用のストライプの巻きチョコ。
「大人っぽいですね、これ」
シックな色合いが、透さんぽいかも……。
「直的にはどう? 大人っぽ過ぎる? 恋人にあげるんでしょ?」
「え?! あ、恋人?! いやまだ恋人じゃ……でも本当に大人だから、大人っぽ過ぎるってことはないです」
『恋人』って言葉にテンパる俺に、池田さんは目を丸くして驚いてる。
「えっ、直の彼女って年上なの? しかも大人って……何歳年上?」
うわっ、大人ってとこに食いつかれてしまった!
「え? えーと、10歳くらい……かな」
「まじっ? ええ? ちょっと、その人独身だろうね?」
うわっ、しまった! また正直過ぎる事を言ってしまった。
「ど、独身ですよ!」
慌てて言ったけど、池田さんの顔はもう興味津々で、シュークリームの事なんて頭から離れてるようだ。
「そうなの? いやまぁ、恋愛に歳は関係ないよ。うん……しかし……なんかその話、興味あるなぁ。どんな人なの?」
「……どんなって……綺麗な人で……大人で、この色合いにイメージぴったりって感じで……って、何言わせるんですか! もうこれ以上は言わないですよ! ほら、だからシュークリーム!」
もっと訊きたそうな池田さんの質問攻めを避けるように、俺は話を進めるように促した。
池田さんは、「へー、このイメージがぴったりな人なんだー」とか言いながら、それでも今後のスケジュールを確認していく。
「もうあんまり日にちがないから、今夜店が終わったら俺ちょっと試しに作ってみるよ。それを明日直に食べてもらって……」
「え? 俺も今夜、残りましょうか?」
池田さんが残るなら、俺もやらないとって思う。
「今夜はいいよ。バイト通しで入って、その上終わってからもなんて駄目だよ。病み上がりだしね」
取り敢えず、明日試作品を俺とオーナーシェフの相田さんも食べてみて、いけそうなら少量作って店に出してみる事にした。
「生ものだから、13日と14日渡しの予約を受け付ける事にしよう」
13日と14日は、予約分と店に出す分を作る為、早朝から出勤する事になった。
「明日からは直にも厨房に入ってもらうよ。作り方教えないと手伝ってもらえないしね」
「はい。よろしくお願いします」
足手まといにならないかなって言う不安と、美味しいチョコシューが出来たら、透さんに持っていけるっていう楽しみも、胸の中で混ざり合って、なんだか気持ちが高揚していた。
透さんが喜んでくれたらいいな。
「お、ここにいたか。休憩に入ってるって聞いて、探してたんだ」
言いながら、小さめのスケッチブックを広げる池田さん。
なんだろうと覗いてみると、そこには美味しそうなスイーツが色鉛筆で描かれていた。
スイーツの横には、どんな材料を使うとかを細かく書き込んでいる。
「うわっ、すごい! これ池田さんが描いたんですか?」
「あはは、そうだよ。イメージしたものをこうして描いておくと忘れないしね」
そう言って、池田さんは描かれている絵を指さした。
「これ、さっき話していたハート型のシュークリームなんだけど……」
池田さんの描いたハート型のチョコシューは、ココアを混ぜたクッキーシューに、中はたっぷりのチョコクリームと苺と、デコレーション用のストライプの巻きチョコ。
「大人っぽいですね、これ」
シックな色合いが、透さんぽいかも……。
「直的にはどう? 大人っぽ過ぎる? 恋人にあげるんでしょ?」
「え?! あ、恋人?! いやまだ恋人じゃ……でも本当に大人だから、大人っぽ過ぎるってことはないです」
『恋人』って言葉にテンパる俺に、池田さんは目を丸くして驚いてる。
「えっ、直の彼女って年上なの? しかも大人って……何歳年上?」
うわっ、大人ってとこに食いつかれてしまった!
「え? えーと、10歳くらい……かな」
「まじっ? ええ? ちょっと、その人独身だろうね?」
うわっ、しまった! また正直過ぎる事を言ってしまった。
「ど、独身ですよ!」
慌てて言ったけど、池田さんの顔はもう興味津々で、シュークリームの事なんて頭から離れてるようだ。
「そうなの? いやまぁ、恋愛に歳は関係ないよ。うん……しかし……なんかその話、興味あるなぁ。どんな人なの?」
「……どんなって……綺麗な人で……大人で、この色合いにイメージぴったりって感じで……って、何言わせるんですか! もうこれ以上は言わないですよ! ほら、だからシュークリーム!」
もっと訊きたそうな池田さんの質問攻めを避けるように、俺は話を進めるように促した。
池田さんは、「へー、このイメージがぴったりな人なんだー」とか言いながら、それでも今後のスケジュールを確認していく。
「もうあんまり日にちがないから、今夜店が終わったら俺ちょっと試しに作ってみるよ。それを明日直に食べてもらって……」
「え? 俺も今夜、残りましょうか?」
池田さんが残るなら、俺もやらないとって思う。
「今夜はいいよ。バイト通しで入って、その上終わってからもなんて駄目だよ。病み上がりだしね」
取り敢えず、明日試作品を俺とオーナーシェフの相田さんも食べてみて、いけそうなら少量作って店に出してみる事にした。
「生ものだから、13日と14日渡しの予約を受け付ける事にしよう」
13日と14日は、予約分と店に出す分を作る為、早朝から出勤する事になった。
「明日からは直にも厨房に入ってもらうよ。作り方教えないと手伝ってもらえないしね」
「はい。よろしくお願いします」
足手まといにならないかなって言う不安と、美味しいチョコシューが出来たら、透さんに持っていけるっていう楽しみも、胸の中で混ざり合って、なんだか気持ちが高揚していた。
透さんが喜んでくれたらいいな。
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