出逢えた幸せ

ずーちゃ

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第二章:迷う心とタバコ味の……

(39)*

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「……やべ、直の泣き顔見てたら、ムラムラしてきたかも」

 さっき俺のジーンズと下着を脱がした先輩が、何を思ったのか俺の目の前で、自分のベルトをガチャガチャと音を立てながら外し始めた。

「はっ、お前変態だな」

「いいじゃん、なぁ桜川、俺に犯らせて」

「あぁ? 駄目に決まってんじゃん、俺が犯るの!」

 俺の頭の上で、何やら恐ろしい内容の会話が飛び交っているんだけど、俺にはどこか他人事のように思えてならない。

「じゃあさ、直の口でやってもらえよ」

 ――はぁ? 口って……言った?

「仕方ないな。じゃ、口でやってよ、ナオくーん」

 先輩が長椅子に座って、ファスナーを下ろして取り出したそれは、既に腹にくっつくほど反り返り、先端から透明の液を溢れさせている。

 ――嘘だろ……。

 俺は咄嗟に硬く目を瞑って、顔を背けた。 今、起こっている現実から逃げたくて。

「ほら、直、こっち」

 だけど、これは夢でも何でもない。桜川先輩に引き摺られ、俺は長椅子に座っている先輩の前に跪かされた。

「い、やだっ!」

 必死に首を振るけれど、先輩に髪の毛を掴まれ、唇にそれを押し付けられた。

 むっとした独特の、熱を帯びた臭いに顔が歪む。

 たとえ殴られても、絶対に口を開けたくなかった。強く奥歯を噛み締めて、なんとか先輩が諦めてくれないかと願う。

 だけど、先輩は俺の顎を掴み、指が唇をこじ開ける。

「……んっ、うーー」

 無理矢理ねじ込まれ、全部は入りきらない先輩のモノで口の中がいっぱいになって、苦しくて吐き気がした。

「心配しなくても、直のは俺が気持ちよくしてやるよ」

 背後からは桜川先輩が、俺の半身に指を絡めて上下に扱き始め、俺の咥内に自身を咥えさせた先輩は、俺の頭を押さえたまま立ち上がり腰を動かした。

「ほら、歯を立てるなよ」

「……ッ……ん、ん、っ」

 可能な限り奥まで押し込まれ、先端が喉の奥に当たるたびに、何度も嘔吐く。

 どこからか、カメラのフラッシュが光った。

「ふ……っう……ん……ん……ッ」

 気持ち悪くて苦しくて、でも自分の下半身に与えられる刺激は気持ちよくて、先輩のモノを呑み込まされている唇からは、熱い吐息と喘いだような声が漏れてしまう。

「へえ、男にこんなことをされても気持ち善いんだ直は」

 そんな自分が……嫌だと思った。

「ナーオ、ちゃんと舌も使えよ」

 咥内を犯している先輩が、俺の髪を掴んで顔を上に向かせ、舌で舐める事を強要する。

 ――誰がそんなこと!

 俺を見下ろしている先輩を睨みつけ、嫌だと言う意思を必死に伝えた。

 だけどそれが、却って自分を追い詰めてしまう。

「その反抗的な眼、なんだよ、煽ってんのかよ」

 先輩は吐き捨てるように言うと、俺の頭を両手でしっかりと固定して、腰の動きを速めた。

 喉の奥を突くようにピストンされて、何度も嘔吐く。

「――ッ! うッ、ぅ―ッ!」

「お前、本当に鬼だね」

「桜川に言われたくないね」

 そう言って先輩は、更に激しく腰を振った。

 クックッと俺の背後で笑いながら、桜川先輩も俺のを扱く手を速めていく。

 同時にもう片方の手が胸の尖りを刺激した。

「ん……ッ……うぅん……ッ……くッ」

 いつもより敏感になっている身体は、抗う事もできずに簡単に上り詰めていく。

 ドクドクと体が脈打った。

 何度も光るカメラのフラッシュも、3人の笑い声も、どこか遠くに感じていた。

 気が付けば、桜川先輩の手の中に熱を吐き出してしまっていて、それからすぐに、喉奥に熱い飛沫が飛び、青臭い味が咥内に広がる。

 それは、一度だけでなく、二度三度と少しの間隔を開けて、俺の咥内に放たれた。

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