出逢えた幸せ

ずーちゃ

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第一章:聖夜と生クリーム味の……

(17)*

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 ……ずっと憧れていた人。

 ずっと気になって、目で追っていた。あの手に触れられたら……、なんて思ってた。

 俺も、透さんとなら……。

 ――だけどーー! だけど、男とそんな事、やっぱあり得ない!

 そう思っているのに、頭のどこかで、この場の雰囲気を壊したくないなんて、考えてる。

 いくら考えても答えは見つからずに迷ってる。迷うくらいなら止めた方がいいに決まってる。

 そう思っているのに……。

「直くんは、男の俺にこんな事されるの、嫌?」

 さっきと同じ質問を、もう一度訊かれて……。

「……嫌じゃない……」

 殆ど無意識に、気が付いたら……、そう答えてしまっていた。

「直くん……」

 優しい手がふわりと頬を包み、綺麗過ぎる顔が近づいて……

 ――――キスをする……。

 唇が重なって、すぐに透さんの舌が入ってくる。さっきよりも、もっと激しくて官能的なキス。

「……ンッ……ふ……」

 透さんの舌に俺の咥内を余す所なく犯されて、合わせた唇の隙間から自然に吐息が漏れた。

 繊細な指で、俺の髪を梳くように優しく撫でながら咥内を熱く翻弄される。そしてその指先に力が入り、俺の髪をくしゃっと掴んだ。

 どんどん情熱的に求められるキスに堪らなくなって、俺は透さんの首に腕を絡め引寄せる。

 二人の身体が密着し、口付けは更に深くなって、唇の端からどちらのものともつかない唾液が零れる。

 意識が遠のくような眩暈のような……、力が抜けていく感覚。

 きっと立っていたら、膝の力が抜けて床に崩れ落ちてしまってると思う。

 「もう、勃ってるね」
 
 そう言うと、透さんは、ズボンの上から硬くなっている俺の中心を、撫で上げた。

「うっ……あァッ……!」

「キスだけで、感じちゃった?」

「……!」

 ――恥ずかしすぎる…… 俺……。

 漆黒の瞳にじっと見つめられて、羞恥とキスの余韻で身体中が熱い。

 確かに下着の中で、その形を変化させている俺の中心は、更に熱を加速させている。

 恥ずかしさのあまり目を逸らし、身を捩り、透さんの腕から逃れようとした俺の体が、不意に宙に浮いた。

「……え?」

 透さんが、俺の体を軽々と横抱きにして立ち上がったのだ。

 ――所謂、『お姫様抱っこ』?

 俺もバランスをとる為に、自然に透さんの首に自分の腕を絡めて、抱きついてる形になってるし!

「ちょ……っ、透さん、下ろして下さい……は、恥ずかしい……」

 そう訴えても、お姫様抱っこのまま、見つめられて軽く唇を塞がれる。

「ベッドの方がいいでしょ?」


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