信念の弁証法

WOOPマン

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1.衝突

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午後の太陽は頭上で燦々と輝き、その激しく燃えるような輝きは、パタリプートラの壮大な街を炉のような熱気で覆った。しかし、この灼熱の自然の激しさは、街の中心で火花を散らそうとしている論争の炎には到底及ばなかった。いつもは商人たちが値切り交渉をし、客たちが物々交換をする不協和音が響く市場が、期待に満ちた円形討論場に変貌していた。


討論場の舞台は、若く野心的なバラモンであるデヴと、年老いたローカヤタの高僧であるダーラとの間の激しい言葉の決闘という、注目すべき対決のために用意されていた。

期待、好奇心、そして不安。石畳の道には、まるで街そのものが息を潜めているかのような静寂が漂っていた。伝統的な白いドーティクルタに身を包み、額に神聖な朱を塗ったデヴは、バラモン教の価値観を体現していた。彼の目は青春の輝きを放ち、挑戦に対する抑えがたい渇望に燃えていた。

一方、ダーラは若々しい敵とは対照的だった。彼はローカヤタを体現する人間の毛髪でできた服は着ていなかった。バラモン達が着せたその服は粗く、ぼろ雑巾のように汚れて臭くて、何一つ飾るものは無かった。年齢を重ねた彼の顔にはモザイクのようなしわが刻まれ、そのひとつひとつに知恵と経験があった。しかし、彼のまなざしは揺るぎない安定を保ち、不屈の決意を静かに湛えていた。

「デヴ、あなた方は宇宙の源なるブラフマンについて語る。また、個の根源なるアートマンについても語る。しかし、ブラフマンもアートマンも直接知覚できない妄想である。どちらも私たちが生きている物質世界とはかけ離れた抽象的なものだ。ローカヤタでは、直接知覚だけが論理的に真実だと考えている。見ることもできない抽象的な言葉は言葉遊びでしかなく、そのような不確かやものを真実とするのは傲慢である」

デヴの目とダーラの目が合った。

「私たちの信仰を不確かで傲慢だと勘違いしているのか、ダーラ。むしろ、人ひとりの直接知覚だけで全て知ったような考えを持つ方が傲慢ではないか。ヴェーダやウパニシャットには、数々の苦行を成し得たリシ達、我々の知るところでない神々の知恵が書かれている。それこそ信じるに足るものだ。そこに書かれたことをあなたが感じたことがないだけだ。聖なる儀式を受け、ヨーガの修行を成せば、ブラフマンもアートマンも感じられる」

「あなたは、酒で酔った状態で語られた言葉でも信じるのか?ソーマ、儀式、苦行。それらは直接知覚を狂わせる。直接知覚が狂った人間は間違った感覚を得る。間違った感覚からは誤った知恵しか得られない。神々が語った言葉だから、リシの言ったことだから信じられるというのは、論理的に誤りがある。そもそも、リシも神々の話も伝聞であって確かではない」

パータリプートラの市民達は、デヴとダーラが対立する哲学と格闘するのを、一体となって、音も立てないで見守った。
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