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本編
領主について
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「ふぅ、ご馳走様でした。」
食べ終わった自分は、手を合わせて呟く。
いやー美味しかったな。この前のステーキもワイルドな感じで美味しかったけど、今回のステーキもまた違う味で良かった。
…あ、食っている時は忘れてたけど、今は全然酔ってないな。ちゃんと魔道具の効果が発動している様だ。よかったよかった。
それじゃあ今の内に片付けを…って食器無くなってるし…いつも行動が早すぎるんだよ、ここの人達。目を離したら仕事してるからなぁ。
もう行ってしまったならしょうがない、未だに恍惚の表情を浮かべているグレンさんと適当に話を…
ってそう言えば、子供達を連れて行けって言われてたのを忘れてた!ステーキのインパクトが強すぎて半分忘れかけていた。まんまとグレンさんの罠にはまった訳だ。流石は策士グレン。侮れない。
それじゃあ、まずはそれについて言及しないといけないな。
「グレンさーん、ずっと話を逸らされていたけど、子供達を旅に連れて行けってどういう事?」
自分がこう話し掛けると、グレンさんは悔しそうな顔をして、
「上手くごまかせたと思ったのに。流石はトキ君だね…」
と呟いた。自分と似たような感想じゃねえか…
「いや、まんまと騙されかけたよ。話掛けられてたら考える事が無かったから、多分思い出さなかっただろうな。」
「ああ、あの時に余韻に浸ってなければ…って、結局君の料理のせいじゃないか!これも計算づくめだったのか…」
「いや、違うから。そんな事より、早く子供達の件について話をしてくれ。」
「…どうしても?」
「どうしても。」
「はぁー、それならしょうがないか。」
グレンさんはそう言うと真面目な顔つきになった。え、そんなに大事な話なの?かなり軽い気持ちで聞いてるんだけど…
「実は…」
ゴクリ…
「君が旅に出る事を知った子供達の機嫌が悪いんだよ!」
「…は?」
…は?
「いや、君の前では機嫌はいつも良いから知らないかもしれないけど、ここ最近の子供達の様子がおかしいんだ!やっと最近話してくれる様になったのにこんなのあんまりだ!」
…一瞬でも真面目な話と思った自分が馬鹿だった。
「まぁ、まだ二人には領主になる実力が伴ってないからという理由もあるんだけどね。」
「いやそっちの方が大事だろ!…というか領主という言葉で思い出したんだけど、前に街の人に領主にならないか募集を掛けてたんだろ?何で子供たちよりも弱い街の人が領主になれるんだ?」
「ああ、その事ね。前に貴族になれる方法の中にに[貴族に認められる事]って言うのがあっただろう?その方法でなれるんだよ。
あ、ついでに説明しておくと、領主にはその街を守るっていう義務があるんだけど、弱い平民が領主になるならそれの代替案が必要だろう?だから、二人をを養って貰う見返りに、街を守るっていう事になってたんだ。」
「へぇー、色々と面倒臭いんだな。」
「いや、そんな事もないよ?実はこのルール王様が適当に決めたルールだからかなりゆるゆるだしね。まぁ、英雄級の奴だったら見る目があるから、そうそう面倒な事にはならないんだけどねぇ。」
「よくそれで行けてるな…というか、そんな王様で大丈夫なのか?」
「王様自身も強いし、性格も良い人だよ。」
「?何でそんなことを知ってるんだ?」
「実は、私達英雄級の奴たちは王城に顔パスで入れるんだけど、王様は気さくに話し掛けてくれるから、大体の人なら仲良くなれるんだよね。だから英雄級ならほとんどは王様の友達だよ。」
…色々突っ込みどころが多いけど無視しとこう。
「それじゃあ本題だけど…」
…また顔つきが変わった。しかも妙に威圧感を感じる。本当に大事な事なんだろう。そしてその内容は…
「君は、子供達を連れて行くのかい?」
…本当に真面目だった…
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
毎度の如く遅くなりました。申し訳ありません。
最後にネタをぶっこもうかと思ったんですが、流石に止めました。
食べ終わった自分は、手を合わせて呟く。
いやー美味しかったな。この前のステーキもワイルドな感じで美味しかったけど、今回のステーキもまた違う味で良かった。
…あ、食っている時は忘れてたけど、今は全然酔ってないな。ちゃんと魔道具の効果が発動している様だ。よかったよかった。
それじゃあ今の内に片付けを…って食器無くなってるし…いつも行動が早すぎるんだよ、ここの人達。目を離したら仕事してるからなぁ。
もう行ってしまったならしょうがない、未だに恍惚の表情を浮かべているグレンさんと適当に話を…
ってそう言えば、子供達を連れて行けって言われてたのを忘れてた!ステーキのインパクトが強すぎて半分忘れかけていた。まんまとグレンさんの罠にはまった訳だ。流石は策士グレン。侮れない。
それじゃあ、まずはそれについて言及しないといけないな。
「グレンさーん、ずっと話を逸らされていたけど、子供達を旅に連れて行けってどういう事?」
自分がこう話し掛けると、グレンさんは悔しそうな顔をして、
「上手くごまかせたと思ったのに。流石はトキ君だね…」
と呟いた。自分と似たような感想じゃねえか…
「いや、まんまと騙されかけたよ。話掛けられてたら考える事が無かったから、多分思い出さなかっただろうな。」
「ああ、あの時に余韻に浸ってなければ…って、結局君の料理のせいじゃないか!これも計算づくめだったのか…」
「いや、違うから。そんな事より、早く子供達の件について話をしてくれ。」
「…どうしても?」
「どうしても。」
「はぁー、それならしょうがないか。」
グレンさんはそう言うと真面目な顔つきになった。え、そんなに大事な話なの?かなり軽い気持ちで聞いてるんだけど…
「実は…」
ゴクリ…
「君が旅に出る事を知った子供達の機嫌が悪いんだよ!」
「…は?」
…は?
「いや、君の前では機嫌はいつも良いから知らないかもしれないけど、ここ最近の子供達の様子がおかしいんだ!やっと最近話してくれる様になったのにこんなのあんまりだ!」
…一瞬でも真面目な話と思った自分が馬鹿だった。
「まぁ、まだ二人には領主になる実力が伴ってないからという理由もあるんだけどね。」
「いやそっちの方が大事だろ!…というか領主という言葉で思い出したんだけど、前に街の人に領主にならないか募集を掛けてたんだろ?何で子供たちよりも弱い街の人が領主になれるんだ?」
「ああ、その事ね。前に貴族になれる方法の中にに[貴族に認められる事]って言うのがあっただろう?その方法でなれるんだよ。
あ、ついでに説明しておくと、領主にはその街を守るっていう義務があるんだけど、弱い平民が領主になるならそれの代替案が必要だろう?だから、二人をを養って貰う見返りに、街を守るっていう事になってたんだ。」
「へぇー、色々と面倒臭いんだな。」
「いや、そんな事もないよ?実はこのルール王様が適当に決めたルールだからかなりゆるゆるだしね。まぁ、英雄級の奴だったら見る目があるから、そうそう面倒な事にはならないんだけどねぇ。」
「よくそれで行けてるな…というか、そんな王様で大丈夫なのか?」
「王様自身も強いし、性格も良い人だよ。」
「?何でそんなことを知ってるんだ?」
「実は、私達英雄級の奴たちは王城に顔パスで入れるんだけど、王様は気さくに話し掛けてくれるから、大体の人なら仲良くなれるんだよね。だから英雄級ならほとんどは王様の友達だよ。」
…色々突っ込みどころが多いけど無視しとこう。
「それじゃあ本題だけど…」
…また顔つきが変わった。しかも妙に威圧感を感じる。本当に大事な事なんだろう。そしてその内容は…
「君は、子供達を連れて行くのかい?」
…本当に真面目だった…
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毎度の如く遅くなりました。申し訳ありません。
最後にネタをぶっこもうかと思ったんですが、流石に止めました。
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