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第7章 それは美しき光の玉
セッ◯スしないと出られない部屋
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「セッ〇スしないと出られない部屋?」
「そう」
何を言い出すんだこの女は。
状況を整理しよう。
猫獣人のウェックさんに教えて貰った遺跡『二つの月の神殿』。元々何を祀っている神殿だったのかは分からなかったが、その内部はなんとダンジョンであった。
しかしダンジョンの内部で何者かの気配を感じ、これを迎え撃つためにダンジョン内の小部屋に退避したところ、閉じ込められた、ってのがここまでの経緯なんだが。
「どうやら私達は、セッ〇スしないと出られない部屋に閉じ込められてしまったみたいね」
だからなんでそうなる。
「噂には聞いたことはあるが、まさか実在するとはのう」
どうやらアスタロウはアンススのこの話題に乗っていくつもりのようだ。いや、ていうかおかしいだろ。
「俺ら三人いるんですけど?」
普通一対一だろ。なに? まさか3Pしないと出られない部屋なの? っていうかよくよく考えたらそれ以前の問題だろ。
「アンススは何をもってしてここが『セッ〇スしないと出られない部屋』だと思ったわけ?」
先ずそこからだろう。しかし俺が当たり前の問いかけをするとアンススは大きくため息を吐いた。まるで「そこから説明しなきゃいけないのか。これだから素人は」とでも言わんばかりだ。俺なにか間違ったこと言ったか?
「いい? ケンジくん。年頃の健康な男女が密室に閉じ込められてるのよ?」
「うん」
「セッ〇スしないと出られない部屋だわ……」
説明終わりかよ。というかこいつに論理的な説明を求めたことが間違ってたわ。なんか、ダンジョン関連で妙に動きが良かったからなんか勘違いしちゃってたけど所詮はバカだからな。
「じゃあ逆に聞くけど、ここがセッ〇スしないと出られない部屋じゃない証拠でもあるの?」
そう来たか。悪魔の証明自分がやられるとすげえ腹立つな。とはいえ明確におかしい点があるだろ。
「お前さっき年頃の健康な男女って言ったけどさあ、もう一人いるじゃん」
俺はアスタロウを指差す。
年頃でもなければ健康でもない。アナルガバガバ系人工肛門まっしぐらの中年男性がいるじゃねえかよ。この状態でヤろうとかよく思えるなこの女は。
「わしの事は、気にせんでくれ……」
気にせんでくれじゃねえよ。
「黒子に徹するから、わしの事はいないものと思ってプレイに励んでくれてよい」
「お前いい加減にしろよ、覗く気満々じゃねえか。こんな状態で出来るかよ。ってか普通に考えて古代の遺跡の中に『セッ〇スしないと出られない部屋』があるわけねえだろが!!」
「いいかい? よく考えてみてくれ、ケンジくん」
なんでこいつはこんな「聞き分けのない若い奴に理知的に言って聞かす人」みたいな口調なんだよ腹立つな。明らかに俺の方が正しいこと言ってるだろうが。
「仮にこの部屋が『セッ〇スしないと出られない部屋』だった場合、君と私がセッ〇スすればあの扉は開く。何の問題もない」
違ったらどうすんだよ。
「逆にこの部屋が『セッ〇スしないと出られない部屋』じゃなかった場合はどうだろう?」
どうだろう? じゃねえよコイツの喋り方腹立つな。
「たしかにセッ〇スしてもあの扉は開かないかもしれない。だが、あの扉はきっとセッ〇スしなくても開かないだろう。この部屋が『セッ〇スしないと出られる部屋』じゃない限りね」
……ん? なんて?
「と、いうことはだ。あの扉はセッ〇スしてもしなくても開かないということになるね?」
んん~……うん。
「だがもしここが『セッ〇スしないと出られない部屋』だった場合、二人がセッ〇スをすればあの扉は開く。ここまではいいね」
「はい」
間違ったことは……言ってない、な。
「その場合も、セッ〇スをしないと、やはりあの扉は開かない。この二つの可能性とそれぞれに対するセッ〇スをする、しないという行動に対する結果として、唯一扉が開くのはセッ〇スをしたときだけなんだ」
「ええ? ああ~……はいはいはい」
なるほど。うん、確かにそうだな。
「だったら、ここが『セッ〇スしないと出られない部屋』かどうかはここでは議論の必要は無いんじゃないかと私は思うんだ。ただ私達がするべきことは一つ。セッ〇スをすることで、扉が開くのかどうか。確認するべきはそこだけじゃないんだと思うけど、ケンジくんはどう思う?」
「え? あ~……」
なんか……ここはイチかバチかセッ〇スするのが正しい行動のような気がしてきたぞ。
「たとえばこの部屋がデスゲーム部屋だったとしよう」
「デスゲーム部屋?」
答えを待たずしてアンススは次の話題に移った。で、デスゲーム部屋? ちょっと聞いたことない単語ですねえ……
「3人で殺し合いをして生き残った一人だけが部屋を出られる。もしそうだった場合、ケンジくんは私達二人を殺す?」
「いや、できないだろそんなの。本当にそんなことで扉が開くかも分からないのに」
関連性がありそうな、無さそうな話。急にこんな話をすることに何か意味があるのか? 何か意図があって喋ってるのか、どうせこいつはバカだから何の意図もなく喋ってるんだろうけど……
「そう。確かにデスゲーム部屋が真実であろうが嘘であろうが人の命が奪われるということは重く見るべきだと思うわ。それは私も同じ」
なんかコイツの話聞いてても無駄な気がしてきたな。それよりも俺達を閉じ込めたのはいったい誰なんだろう。見も知らぬモンスターの仕業なのか……俺がぼーっと考え事をしてるとアンススはピッと人差し指を顔の前に立てて決め顔で話を続ける。
「でも、セッ〇スなら人の命は奪われない。いえ、それどころか命が増える可能性すらあるのよ!!」
「!?」
目から鱗が落ちるとはこういうことをいうのだろうか。なんだか、むしろセッ〇スしないといけないような気すらしてきた。
「待った!!」
しかしそれに待ったをかけるアスタロウ。
「そういうことなら、セッ〇スをするのは別に勇者ではなく、わしでもいいはずじゃ」
「ダメよ! あなたは先代国王だから、もし子供が出来てしまった場合面倒なことになるわ」
立て板に水とはこういうことを言うのか。まるで最初からその可能性に気付いていて、排除する気満々だったかのような弁舌。
「さあケンジくん。早くヤりましょう。上手くいくかどうかは分からない。でもヤってみなければ可能性はゼロよ」
そう言ってアンススは仰向けに寝転がり、猪木アリ状態で俺を迎え撃つ。
「さあ! さあケンジくん!!」
「くっ……」
行くしかあるまい! 俺は急いでベルトの金具を外そうとしたが、その時聞き覚えのある声が部屋の外から響いた。
「そんな下品な部屋のわけないでしょうが!!」
「そう」
何を言い出すんだこの女は。
状況を整理しよう。
猫獣人のウェックさんに教えて貰った遺跡『二つの月の神殿』。元々何を祀っている神殿だったのかは分からなかったが、その内部はなんとダンジョンであった。
しかしダンジョンの内部で何者かの気配を感じ、これを迎え撃つためにダンジョン内の小部屋に退避したところ、閉じ込められた、ってのがここまでの経緯なんだが。
「どうやら私達は、セッ〇スしないと出られない部屋に閉じ込められてしまったみたいね」
だからなんでそうなる。
「噂には聞いたことはあるが、まさか実在するとはのう」
どうやらアスタロウはアンススのこの話題に乗っていくつもりのようだ。いや、ていうかおかしいだろ。
「俺ら三人いるんですけど?」
普通一対一だろ。なに? まさか3Pしないと出られない部屋なの? っていうかよくよく考えたらそれ以前の問題だろ。
「アンススは何をもってしてここが『セッ〇スしないと出られない部屋』だと思ったわけ?」
先ずそこからだろう。しかし俺が当たり前の問いかけをするとアンススは大きくため息を吐いた。まるで「そこから説明しなきゃいけないのか。これだから素人は」とでも言わんばかりだ。俺なにか間違ったこと言ったか?
「いい? ケンジくん。年頃の健康な男女が密室に閉じ込められてるのよ?」
「うん」
「セッ〇スしないと出られない部屋だわ……」
説明終わりかよ。というかこいつに論理的な説明を求めたことが間違ってたわ。なんか、ダンジョン関連で妙に動きが良かったからなんか勘違いしちゃってたけど所詮はバカだからな。
「じゃあ逆に聞くけど、ここがセッ〇スしないと出られない部屋じゃない証拠でもあるの?」
そう来たか。悪魔の証明自分がやられるとすげえ腹立つな。とはいえ明確におかしい点があるだろ。
「お前さっき年頃の健康な男女って言ったけどさあ、もう一人いるじゃん」
俺はアスタロウを指差す。
年頃でもなければ健康でもない。アナルガバガバ系人工肛門まっしぐらの中年男性がいるじゃねえかよ。この状態でヤろうとかよく思えるなこの女は。
「わしの事は、気にせんでくれ……」
気にせんでくれじゃねえよ。
「黒子に徹するから、わしの事はいないものと思ってプレイに励んでくれてよい」
「お前いい加減にしろよ、覗く気満々じゃねえか。こんな状態で出来るかよ。ってか普通に考えて古代の遺跡の中に『セッ〇スしないと出られない部屋』があるわけねえだろが!!」
「いいかい? よく考えてみてくれ、ケンジくん」
なんでこいつはこんな「聞き分けのない若い奴に理知的に言って聞かす人」みたいな口調なんだよ腹立つな。明らかに俺の方が正しいこと言ってるだろうが。
「仮にこの部屋が『セッ〇スしないと出られない部屋』だった場合、君と私がセッ〇スすればあの扉は開く。何の問題もない」
違ったらどうすんだよ。
「逆にこの部屋が『セッ〇スしないと出られない部屋』じゃなかった場合はどうだろう?」
どうだろう? じゃねえよコイツの喋り方腹立つな。
「たしかにセッ〇スしてもあの扉は開かないかもしれない。だが、あの扉はきっとセッ〇スしなくても開かないだろう。この部屋が『セッ〇スしないと出られる部屋』じゃない限りね」
……ん? なんて?
「と、いうことはだ。あの扉はセッ〇スしてもしなくても開かないということになるね?」
んん~……うん。
「だがもしここが『セッ〇スしないと出られない部屋』だった場合、二人がセッ〇スをすればあの扉は開く。ここまではいいね」
「はい」
間違ったことは……言ってない、な。
「その場合も、セッ〇スをしないと、やはりあの扉は開かない。この二つの可能性とそれぞれに対するセッ〇スをする、しないという行動に対する結果として、唯一扉が開くのはセッ〇スをしたときだけなんだ」
「ええ? ああ~……はいはいはい」
なるほど。うん、確かにそうだな。
「だったら、ここが『セッ〇スしないと出られない部屋』かどうかはここでは議論の必要は無いんじゃないかと私は思うんだ。ただ私達がするべきことは一つ。セッ〇スをすることで、扉が開くのかどうか。確認するべきはそこだけじゃないんだと思うけど、ケンジくんはどう思う?」
「え? あ~……」
なんか……ここはイチかバチかセッ〇スするのが正しい行動のような気がしてきたぞ。
「たとえばこの部屋がデスゲーム部屋だったとしよう」
「デスゲーム部屋?」
答えを待たずしてアンススは次の話題に移った。で、デスゲーム部屋? ちょっと聞いたことない単語ですねえ……
「3人で殺し合いをして生き残った一人だけが部屋を出られる。もしそうだった場合、ケンジくんは私達二人を殺す?」
「いや、できないだろそんなの。本当にそんなことで扉が開くかも分からないのに」
関連性がありそうな、無さそうな話。急にこんな話をすることに何か意味があるのか? 何か意図があって喋ってるのか、どうせこいつはバカだから何の意図もなく喋ってるんだろうけど……
「そう。確かにデスゲーム部屋が真実であろうが嘘であろうが人の命が奪われるということは重く見るべきだと思うわ。それは私も同じ」
なんかコイツの話聞いてても無駄な気がしてきたな。それよりも俺達を閉じ込めたのはいったい誰なんだろう。見も知らぬモンスターの仕業なのか……俺がぼーっと考え事をしてるとアンススはピッと人差し指を顔の前に立てて決め顔で話を続ける。
「でも、セッ〇スなら人の命は奪われない。いえ、それどころか命が増える可能性すらあるのよ!!」
「!?」
目から鱗が落ちるとはこういうことをいうのだろうか。なんだか、むしろセッ〇スしないといけないような気すらしてきた。
「待った!!」
しかしそれに待ったをかけるアスタロウ。
「そういうことなら、セッ〇スをするのは別に勇者ではなく、わしでもいいはずじゃ」
「ダメよ! あなたは先代国王だから、もし子供が出来てしまった場合面倒なことになるわ」
立て板に水とはこういうことを言うのか。まるで最初からその可能性に気付いていて、排除する気満々だったかのような弁舌。
「さあケンジくん。早くヤりましょう。上手くいくかどうかは分からない。でもヤってみなければ可能性はゼロよ」
そう言ってアンススは仰向けに寝転がり、猪木アリ状態で俺を迎え撃つ。
「さあ! さあケンジくん!!」
「くっ……」
行くしかあるまい! 俺は急いでベルトの金具を外そうとしたが、その時聞き覚えのある声が部屋の外から響いた。
「そんな下品な部屋のわけないでしょうが!!」
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