54 / 211
プロポーズ
しおりを挟む
「け……血痕?」
結婚……じゃ、ないよね? まさか?
「俺は……あなたのような人が現れるのを待っていた……結婚してください」
聞き間違いじゃなかった。いきなり何なのこの人、いっ、イケメンだからって、ちょ、調子に乗ってるんじゃないの!?
「ハイハイそこまでそこまで」
あっ、いいところでドラーガさんが割って入った。クソッ!
「おいロリコン」
「なっ、ろっ、ろろ、ロリコンちゃうっちゅーねん!!」
ドラーガさんが話しかけるとイチェマルクさんは露骨に取り乱し始めた。
あー、はいはい。そういう事ね。なーるほどね。はいはいはい。もういいわ。
「いいか、こいつはな、年を経て、使い込まれたまな板が神性を帯びて人の形をとっただけの、まな板の精霊みたいなもんだ。胸は平坦だがこれでも成人女性だから、お前が求めてるようなロリっ娘とは違うぜ?」
みなまで言うなこのクソ賢者。誰がまな板の精だ。
「だ……だからこそだ。彼女になら、俺が求婚しても、犯罪にはならない。ようやく俺は、理想の異性に巡り合えたのだ……
ホント死ねよこのゴミクソイケメンが。わたしゃロリっ娘の代替品じゃねーっての。
「邪魔だこのイケメンッ!」
「痛たっ!!」
私はイチェマルクのすねを蹴り上げて道を開けさせる。
「さっさと行きますよアルグスさん!!」
「あっハイ」
気圧されて全員が私の後をついてくる。あー腹立つ。
アジトについた私はすぐに荷物をまとめ始める。結局昼過ぎに天文館を出たのでもう夕暮れ時ではあるが……
「さっ、救出に行きますよ、アルグスさん!!」
「えっ? 今から!?」
「はぁ……」
ため息をついた私に全員が戦慄する。ああもうムカつくなあ。何もかもがムカつく。
「72時間の壁って聞いたことありますか?」
「あ……いやあ……どうかなあ」
「いいですか? 一般に人が飲まず食わずで生き延びられる限界が72時間です。災害が起きた時、この72時間を過ぎると救助をしても生存率ががくんと落ちます。私達がテューマさん達と別れてからどれだけ経ってますか?」
「ん……ええっと……」
「だいたい42時間です。ここからダンジョンの入り口までおよそ半日、すると残り時間は丸一日です」
「あっハイ」
ダンジョンに入り、中を探索していれば当然モンスターも出てくる。さらに今回はヴァンフルフみたいな『四天王』クラスの強力な奴も出てくる可能性が高い。そう考えれば残された時間はあとわずかだ。もっともそれもテューマさん達がすでに魔族に殺されていなければ、の話になるけれど。
「マッピ、その……連日のダンジョン探索で疲れてないのか? 初心者なのに。僕は平気だけど」
「私の『疲労』が被害者の救出よりも優先するものですか?」
「ま、まぁ……うん……イリスウーフは大丈夫?」
アルグスさんがイリスウーフさんの方を見て尋ねると、彼女は笑顔で頷いた。
「私は……ドラーガが一緒に行くならどこへでも」
「ああ!?」
イリスウーフさんの言葉に唐突にクオスさんが切れた。
「私だってどこへでも行くし! 私なんかあれだし! ドラーガの出した体液をバターの代わりにカリっとサクっとトーストしたパンに塗って食べられるし!」
そんな特殊な性癖を例に出して張り合わないでください。というか今その男女の色恋の話を私の前でしないで欲しい。私は心を無にして手早く荷物をまとめる。何か作業に没頭している間は嫌なことを忘れられる。
結局私の圧に押されて全員がすぐに出発の準備をし、ムカフ島のダンジョンに行くことになった。アジトを出るころには日が暮れていたけれど、前回もそうだったし、何より人の命がかかっているんだから文句は言わせない。
道中ちらりとドラーガさんの方を見ると彼は満面の笑みだった。なんだかんだでこいつ今ハーレム状態だからな……男の娘にドラゴニュート、人形と、まともな人が一人もいないとはいえ。
「いやあ、助かるぜ、イリスウーフ。最近入ったゴミ糞まな板粗乳新人は新入りのくせに全く荷物持ってくれなくてよ!」
誰が粗乳だコラ。
というか、この人イリスウーフさんが加入したことで自分の運ぶ荷物の量が減ったから喜んでただけなのか。
「それにしても、今回の救出、本当に救出だけだと思いますか?」
道中クオスさんが口を開いた。確かにそれは私も思ったことだ。フービエさんは本当にテューマさん達の救出を願っていることに嘘はないだろうけど、裏は無いのか。
「すぐに行ってしまったけど、フービエと一緒にセゴーも来ていたね。彼女の言葉に嘘は無かったとしても、その後ろに居るセゴーや七聖鍵に裏がないかというと、そんな甘い話は無いとは思う……それでも」
アルグスさんがクオスさんの問いに答える。
「それでも、助けを求めている人がいるなら、僕は手を差し伸べるだけだ」
「テューマさん達は……アルグスさん達の命を狙ったのに、ですか?」
「ああ。それでも、だ」
イリスウーフさんも怪訝な表情でアルグスさんに尋ねたが、それでもアルグスさんの意思は変わらない。
「フフ、不思議な人たちですね。冒険者とは」
そう言って柔らかい笑みを浮かべるイリスウーフさんの顔は薄暗い月の明かりに静かに照らされてまるで妖精のように可憐だった。
「おめえはどうなんだよ? 三百年前に自分を陥れた人間どもに復讐したいとでも思ってんのか?」
この人は本当に何の気なしにザクっとセンシティブな話題に切り込んでくるなあ。しかし、やはりイリスウーフさんは柔らかい笑みを見せる。
「私も……もうそんな昔のことはどうでもいいですし、ガスタルデッロ達に協力する気もありません。もう争いはたくさんです」
「でも七聖鍵はドラゴニュートの再興を考えているんですよね?」
「そ、そうだよ……私は興味ないけど」
私がドラーガさんの方に問いかけると服の合わせからぴょこっと顔だけを出してクラリスさんが答えた。だったら、心情的には七聖鍵の方に傾くんじゃないのかなあ、と思ったけど……
「私は人間の手によって火口投下刑に処されたけれど、お兄様はドラゴニュートの手によって殺されたの……私にとってはどちらにももう帰属意識はないわ」
そう言ってイリスウーフさんは空を見上げた。町の光は既に遠く、空には満天の星。こんな時だけど、きれいな星空だ。
「人からもドラゴニュートからも疎まれ、火口に投げ入れられた私がこうして生きている……不思議なものね……しかも」
彼女は私達、そしてドラーガさんを見つめて言葉を続ける。
「こうして、お友達もできた。ドラーガ、あなたが私を『仲間だ』って紹介してくれた時、本当に嬉しかった……こんな私にも、お友達ができたんだ、って……」
「ビジネスライクな関係だぜ」
ビジネスライクっていうか、ビジネスですけども。普通こういう空気でそう言うこと言うかなあ。
結婚……じゃ、ないよね? まさか?
「俺は……あなたのような人が現れるのを待っていた……結婚してください」
聞き間違いじゃなかった。いきなり何なのこの人、いっ、イケメンだからって、ちょ、調子に乗ってるんじゃないの!?
「ハイハイそこまでそこまで」
あっ、いいところでドラーガさんが割って入った。クソッ!
「おいロリコン」
「なっ、ろっ、ろろ、ロリコンちゃうっちゅーねん!!」
ドラーガさんが話しかけるとイチェマルクさんは露骨に取り乱し始めた。
あー、はいはい。そういう事ね。なーるほどね。はいはいはい。もういいわ。
「いいか、こいつはな、年を経て、使い込まれたまな板が神性を帯びて人の形をとっただけの、まな板の精霊みたいなもんだ。胸は平坦だがこれでも成人女性だから、お前が求めてるようなロリっ娘とは違うぜ?」
みなまで言うなこのクソ賢者。誰がまな板の精だ。
「だ……だからこそだ。彼女になら、俺が求婚しても、犯罪にはならない。ようやく俺は、理想の異性に巡り合えたのだ……
ホント死ねよこのゴミクソイケメンが。わたしゃロリっ娘の代替品じゃねーっての。
「邪魔だこのイケメンッ!」
「痛たっ!!」
私はイチェマルクのすねを蹴り上げて道を開けさせる。
「さっさと行きますよアルグスさん!!」
「あっハイ」
気圧されて全員が私の後をついてくる。あー腹立つ。
アジトについた私はすぐに荷物をまとめ始める。結局昼過ぎに天文館を出たのでもう夕暮れ時ではあるが……
「さっ、救出に行きますよ、アルグスさん!!」
「えっ? 今から!?」
「はぁ……」
ため息をついた私に全員が戦慄する。ああもうムカつくなあ。何もかもがムカつく。
「72時間の壁って聞いたことありますか?」
「あ……いやあ……どうかなあ」
「いいですか? 一般に人が飲まず食わずで生き延びられる限界が72時間です。災害が起きた時、この72時間を過ぎると救助をしても生存率ががくんと落ちます。私達がテューマさん達と別れてからどれだけ経ってますか?」
「ん……ええっと……」
「だいたい42時間です。ここからダンジョンの入り口までおよそ半日、すると残り時間は丸一日です」
「あっハイ」
ダンジョンに入り、中を探索していれば当然モンスターも出てくる。さらに今回はヴァンフルフみたいな『四天王』クラスの強力な奴も出てくる可能性が高い。そう考えれば残された時間はあとわずかだ。もっともそれもテューマさん達がすでに魔族に殺されていなければ、の話になるけれど。
「マッピ、その……連日のダンジョン探索で疲れてないのか? 初心者なのに。僕は平気だけど」
「私の『疲労』が被害者の救出よりも優先するものですか?」
「ま、まぁ……うん……イリスウーフは大丈夫?」
アルグスさんがイリスウーフさんの方を見て尋ねると、彼女は笑顔で頷いた。
「私は……ドラーガが一緒に行くならどこへでも」
「ああ!?」
イリスウーフさんの言葉に唐突にクオスさんが切れた。
「私だってどこへでも行くし! 私なんかあれだし! ドラーガの出した体液をバターの代わりにカリっとサクっとトーストしたパンに塗って食べられるし!」
そんな特殊な性癖を例に出して張り合わないでください。というか今その男女の色恋の話を私の前でしないで欲しい。私は心を無にして手早く荷物をまとめる。何か作業に没頭している間は嫌なことを忘れられる。
結局私の圧に押されて全員がすぐに出発の準備をし、ムカフ島のダンジョンに行くことになった。アジトを出るころには日が暮れていたけれど、前回もそうだったし、何より人の命がかかっているんだから文句は言わせない。
道中ちらりとドラーガさんの方を見ると彼は満面の笑みだった。なんだかんだでこいつ今ハーレム状態だからな……男の娘にドラゴニュート、人形と、まともな人が一人もいないとはいえ。
「いやあ、助かるぜ、イリスウーフ。最近入ったゴミ糞まな板粗乳新人は新入りのくせに全く荷物持ってくれなくてよ!」
誰が粗乳だコラ。
というか、この人イリスウーフさんが加入したことで自分の運ぶ荷物の量が減ったから喜んでただけなのか。
「それにしても、今回の救出、本当に救出だけだと思いますか?」
道中クオスさんが口を開いた。確かにそれは私も思ったことだ。フービエさんは本当にテューマさん達の救出を願っていることに嘘はないだろうけど、裏は無いのか。
「すぐに行ってしまったけど、フービエと一緒にセゴーも来ていたね。彼女の言葉に嘘は無かったとしても、その後ろに居るセゴーや七聖鍵に裏がないかというと、そんな甘い話は無いとは思う……それでも」
アルグスさんがクオスさんの問いに答える。
「それでも、助けを求めている人がいるなら、僕は手を差し伸べるだけだ」
「テューマさん達は……アルグスさん達の命を狙ったのに、ですか?」
「ああ。それでも、だ」
イリスウーフさんも怪訝な表情でアルグスさんに尋ねたが、それでもアルグスさんの意思は変わらない。
「フフ、不思議な人たちですね。冒険者とは」
そう言って柔らかい笑みを浮かべるイリスウーフさんの顔は薄暗い月の明かりに静かに照らされてまるで妖精のように可憐だった。
「おめえはどうなんだよ? 三百年前に自分を陥れた人間どもに復讐したいとでも思ってんのか?」
この人は本当に何の気なしにザクっとセンシティブな話題に切り込んでくるなあ。しかし、やはりイリスウーフさんは柔らかい笑みを見せる。
「私も……もうそんな昔のことはどうでもいいですし、ガスタルデッロ達に協力する気もありません。もう争いはたくさんです」
「でも七聖鍵はドラゴニュートの再興を考えているんですよね?」
「そ、そうだよ……私は興味ないけど」
私がドラーガさんの方に問いかけると服の合わせからぴょこっと顔だけを出してクラリスさんが答えた。だったら、心情的には七聖鍵の方に傾くんじゃないのかなあ、と思ったけど……
「私は人間の手によって火口投下刑に処されたけれど、お兄様はドラゴニュートの手によって殺されたの……私にとってはどちらにももう帰属意識はないわ」
そう言ってイリスウーフさんは空を見上げた。町の光は既に遠く、空には満天の星。こんな時だけど、きれいな星空だ。
「人からもドラゴニュートからも疎まれ、火口に投げ入れられた私がこうして生きている……不思議なものね……しかも」
彼女は私達、そしてドラーガさんを見つめて言葉を続ける。
「こうして、お友達もできた。ドラーガ、あなたが私を『仲間だ』って紹介してくれた時、本当に嬉しかった……こんな私にも、お友達ができたんだ、って……」
「ビジネスライクな関係だぜ」
ビジネスライクっていうか、ビジネスですけども。普通こういう空気でそう言うこと言うかなあ。
0
お気に入りに追加
13
あなたにおすすめの小説
【完結】私だけが知らない
綾雅(りょうが)祝!コミカライズ
ファンタジー
目が覚めたら何も覚えていなかった。父と兄を名乗る二人は泣きながら謝る。痩せ細った体、痣が残る肌、誰もが過保護に私を気遣う。けれど、誰もが何が起きたのかを語らなかった。
優しい家族、ぬるま湯のような生活、穏やかに過ぎていく日常……その陰で、人々は己の犯した罪を隠しつつ微笑む。私を守るため、そう言いながら真実から遠ざけた。
やがて、すべてを知った私は――ひとつの決断をする。
記憶喪失から始まる物語。冤罪で殺されかけた私は蘇り、陥れようとした者は断罪される。優しい嘘に隠された真実が徐々に明らかになっていく。
【同時掲載】 小説家になろう、アルファポリス、カクヨム、エブリスタ
2023/12/20……小説家になろう 日間、ファンタジー 27位
2023/12/19……番外編完結
2023/12/11……本編完結(番外編、12/12)
2023/08/27……エブリスタ ファンタジートレンド 1位
2023/08/26……カテゴリー変更「恋愛」⇒「ファンタジー」
2023/08/25……アルファポリス HOT女性向け 13位
2023/08/22……小説家になろう 異世界恋愛、日間 22位
2023/08/21……カクヨム 恋愛週間 17位
2023/08/16……カクヨム 恋愛日間 12位
2023/08/14……連載開始
【完結】後妻に入ったら、夫のむすめが……でした
仲村 嘉高
恋愛
「むすめの世話をして欲しい」
夫からの求婚の言葉は、愛の言葉では無かったけれど、幼い娘を大切にする誠実な人だと思い、受け入れる事にした。
結婚前の顔合わせを「疲れて出かけたくないと言われた」や「今日はベッドから起きられないようだ」と、何度も反故にされた。
それでも、本当に申し訳なさそうに謝るので、「体が弱いならしょうがないわよ」と許してしまった。
結婚式は、お互いの親戚のみ。
なぜならお互い再婚だから。
そして、結婚式が終わり、新居へ……?
一緒に馬車に乗ったその方は誰ですか?
無能なので辞めさせていただきます!
サカキ カリイ
ファンタジー
ブラック商業ギルドにて、休みなく働き詰めだった自分。
マウントとる新人が入って来て、馬鹿にされだした。
えっ上司まで新人に同調してこちらに辞めろだって?
残業は無能の証拠、職務に時間が長くかかる分、
無駄に残業代払わせてるからお前を辞めさせたいって?
はいはいわかりました。
辞めますよ。
退職後、困ったんですかね?さあ、知りませんねえ。
自分無能なんで、なんにもわかりませんから。
カクヨム、なろうにも同内容のものを時差投稿しております。
勇者に闇討ちされ婚約者を寝取られた俺がざまあするまで。
飴色玉葱
ファンタジー
王都にて結成された魔王討伐隊はその任を全うした。
隊を率いたのは勇者として名を挙げたキサラギ、英雄として誉れ高いジークバルト、さらにその二人を支えるようにその婚約者や凄腕の魔法使いが名を連ねた。
だがあろうことに勇者キサラギはジークバルトを闇討ちし行方知れずとなってしまう。
そして、恐るものがいなくなった勇者はその本性を現す……。
わがまま姉のせいで8歳で大聖女になってしまいました
ぺきぺき
ファンタジー
ルロワ公爵家の三女として生まれたクリスローズは聖女の素質を持ち、6歳で教会で聖女の修行を始めた。幼いながらも修行に励み、周りに応援されながら頑張っていたある日突然、大聖女をしていた10歳上の姉が『妊娠したから大聖女をやめて結婚するわ』と宣言した。
大聖女資格があったのは、その時まだ8歳だったクリスローズだけで…。
ー---
全5章、最終話まで執筆済み。
第1章 6歳の聖女
第2章 8歳の大聖女
第3章 12歳の公爵令嬢
第4章 15歳の辺境聖女
第5章 17歳の愛し子
権力のあるわがまま女に振り回されながらも健気にがんばる女の子の話を書いた…はず。
おまけの後日談投稿します(6/26)。
番外編投稿します(12/30-1/1)。
作者の別作品『人たらしヒロインは無自覚で魔法学園を改革しています』の隣の国の昔のお話です。
伯爵令嬢に婚約破棄されたので、人間やめました
えながゆうき
ファンタジー
うー、ダイエット、ダイエットー!
子爵家の庭を必死に走っている俺は、丸々太った、豚のような子爵令息のテオドール十五歳。つい先日、婚約者の伯爵令嬢にフラれたばっかりの、胸に大きな傷を負った漆黒の堕天使さ。髪はブロンド、瞳はブルーだけど。
貴族としてあるまじき醜態はすぐに社交界に広がり、お茶会に参加しても、いつも俺についてのヒソヒソ話をされて後ろからバッサリだ。どっちも、どっちも!
そんなわけで、俺は少しでも痩せるために庭を毎日走っている。でも、全然痩せないんだよね、何でだろう?
そんなことを考えながら走っていると、庭の片隅に見慣れない黒い猫が。
うは、可愛らしい黒猫。
俺がそう思って見つめていると、黒い猫は俺の方へと近づいてきた!
「人間をやめないかい?」
「いいですとも! 俺は人間をやめるぞー!!」
と、その場の空気に飲まれて返事をしたのは良いけれど、もしかして、本気なの!? あ、まずい。あの目は本気でヤる目をしている。
俺は一体どうなってしまうんだー!! それ以前に、この黒い猫は一体何者なんだー!!
え? 守護精霊? あのおとぎ話の? ハハハ、こやつめ。
……え、マジなの!? もしかして俺、本当に人間やめちゃいました!?
え? 魔境の森にドラゴンが現れた? やってみるさ!
え? 娘を嫁にもらってくれ? ずいぶんと地味な子だけど、大丈夫?
え? 元婚約者が別のイケメン男爵令息と婚約した? そう、関係ないね。
え? マンドラゴラが仲間になりたそうな目でこちらを見てる? ノーサンキュー!
え? 魔石が堅くて壊せない? 指先一つで壊してやるよ!
え? イケメン男爵令息が魔族だった? 殺せ!
何でわざわざ俺に相談しに来るんですかねー。俺は嫁とイチャイチャしたいだけなのに。あ、ミケ、もちろんミケともイチャイチャしたいよー?
[完結]回復魔法しか使えない私が勇者パーティを追放されたが他の魔法を覚えたら最強魔法使いになりました
mikadozero
ファンタジー
3月19日 HOTランキング4位ありがとうございます。三月二十日HOTランキング2位ありがとうございます。
ーーーーーーーーーーーーー
エマは突然勇者パーティから「お前はパーティを抜けろ」と言われて追放されたエマは生きる希望を失う。
そんなところにある老人が助け舟を出す。
そのチャンスをエマは自分のものに変えようと努力をする。
努力をすると、結果がついてくるそう思い毎日を過ごしていた。
エマは一人前の冒険者になろうとしていたのだった。
ズボラ通販生活
ice
ファンタジー
西野桃(にしのもも)35歳の独身、オタクが神様のミスで異世界へ!貪欲に通販スキル、時間停止アイテムボックス容量無限、結界魔法…さらには、お金まで貰う。商人無双や!とか言いつつ、楽に、ゆるーく、商売をしていく。淋しい独身者、旦那という名の奴隷まで?!ズボラなオバサンが異世界に転移して好き勝手生活する!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる