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6.真実

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  「ねぇ!!何が合ったの!?お兄ちゃん!!」

 リョウガはなんて説明すれば良いのか分からず、直ぐに答える事ができなかった。
 実際、リョウガも化物がカイムだと確信していた訳じゃ無かったからだ。
 それが今、リザの様子を見て確信に変わった。

 「やっぱり…あれはカイムなのか?」
 「あの匂いは、カイムに間違いない」

 ーー化物も匂いを嗅ぎ始め、此方に気付いた。
 
「とにかく時間が無い。簡単に説明するが…  とにかくこの国は腐っている。カイムをあんな姿にしたのはこの国だ」
 
 「え…… 他のみんなは?」

 「悪い…助けれなかった…」

 「ーーっ、嘘……」

 どうしようもない感情が行き場を無くし、爆発したのだろう、その場にリザは泣き崩れる。

 今は悲しんでいても何も変わらない。
 これが真実…
 弱者に残させている選択は限られている。

 ーー死ぬか
 ーー逃げるか

 でも俺はまだ諦めていない。
 さっきの騎士の奴隷の灯火がまだ有る…

 --奴隷の灯火使用--
 --一時的ステータス倍加--

ーーその時、ずっと頭の中に聞こえていた『アラート』の警告音が消えたーー

 「やっと消えたっ!」
 しかしそろそろ最初に使った奴隷の灯火の効果が切れる。
 最後の奴隷の灯火によって、化物よりステータスが高くなったんだ。
 今を逃したらもう、どうしようも出来なくなるっ!

 「テレポート!」
 リョウガは急いでテレポートを発動。と同時に化物に触れた。

  ---奴隷 ロクエル・カイム リンク完了---
 ---スキル 『神速』リンク完了---
 ---オールステータス リンク完了---
 
 
 
 ーーカイムとリンクした途端、カイムの記憶や感情がリョウガにも伝わってくる。
 
 赤ん坊の頃、親に虐待され奴隷として売り飛ばされ見捨てられた記憶。
 教会で修道女が王国の騎士と話している現場を目撃し真実を知った記憶。
 目の前でその王国の騎士に斬られ倒れていく、教会の子供達の記憶。
 すべてが自分が見た記憶の様に鮮明に流れてくる。

 カイムの心は負の感情しか無い、悲しみと怒りで染まっていた。
 
 俺が変えてやる。
 カイムの心が分かるなら、カイムにも俺の心が伝わっているはず…

 『俺がこの世界を変えてやる俺がお前達の居場所を作ってやる。だから戻ってこい』

 『命令だ!!』

 ーーリョウガの命令により、化物の身体に紫色の電光が走る。
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