6 / 21
本編
6
しおりを挟む
混乱した思考をどうにか鎮めようとそっと目を伏せ、握りしめていたカップの中身を一口口に含む
慣れ親しんだ香りと独特の苦みを感じ、ほんの少し気持ちが落ち着いた
大丈夫、大丈夫、落ち着け自分
人生そんなもんだよ・・・
自分に言い聞かせるように心の中でつぶやき、もう一口珈琲を飲んだ
よし、だいぶ落ち着いた
「えっと…
以上の話を踏まえて、お聞きしたいんですが・・・」
馬の発言に目線を上げる
すると上目遣いにこちらを伺うつぶらな瞳と目があった
あ、綺麗な目
そういえば馬って目が優しいとか賢そうとかよくいうよな
そんなことを考えてじっと目を見つめると、馬はまたピクリと肩を揺らしてパッと目をそらした
あ、残念
「ぁ、の…えっと・・・
お嬢さんは、どうしたいですか?」
「?どう、とは?」
「その、保護される、場所、です
神殿や王宮をお望みならお送りしますし・・・」
馬はそこで言葉を区切り、再びちらりと私に視線をよこす
促すように私が首をかしげると、馬は思い切ったように言葉をつづけた
「こ、こに!
居ていただけるようなら、全力でサポートさせていただきます!」
言ったぞ!というように鼻息荒くこぶしを握る馬
私はあぁ…と呟いてしばし考え込んだ
場所か
本人の意思を尊重してくれるってことは私が望めばどこでもいいんだよね?
神殿も王宮も仰々しいし、できれば…
「ここで、お世話になっても構いませんか?」
そう尋ねると馬の雰囲気がパァッと明るくなった
「はい、勿論です!
何も問題ありません!」
元気よく返事をしてくれた馬に笑顔を返す
「ありがとうございます、ではお言葉に甘えてお世話になります
よろしくお願いしますね」
カップから手を放し、ぺこりと頭を下げると馬も同じく頭を下げてくれた
「こちらこそよろしくお願いします!」
慣れ親しんだ香りと独特の苦みを感じ、ほんの少し気持ちが落ち着いた
大丈夫、大丈夫、落ち着け自分
人生そんなもんだよ・・・
自分に言い聞かせるように心の中でつぶやき、もう一口珈琲を飲んだ
よし、だいぶ落ち着いた
「えっと…
以上の話を踏まえて、お聞きしたいんですが・・・」
馬の発言に目線を上げる
すると上目遣いにこちらを伺うつぶらな瞳と目があった
あ、綺麗な目
そういえば馬って目が優しいとか賢そうとかよくいうよな
そんなことを考えてじっと目を見つめると、馬はまたピクリと肩を揺らしてパッと目をそらした
あ、残念
「ぁ、の…えっと・・・
お嬢さんは、どうしたいですか?」
「?どう、とは?」
「その、保護される、場所、です
神殿や王宮をお望みならお送りしますし・・・」
馬はそこで言葉を区切り、再びちらりと私に視線をよこす
促すように私が首をかしげると、馬は思い切ったように言葉をつづけた
「こ、こに!
居ていただけるようなら、全力でサポートさせていただきます!」
言ったぞ!というように鼻息荒くこぶしを握る馬
私はあぁ…と呟いてしばし考え込んだ
場所か
本人の意思を尊重してくれるってことは私が望めばどこでもいいんだよね?
神殿も王宮も仰々しいし、できれば…
「ここで、お世話になっても構いませんか?」
そう尋ねると馬の雰囲気がパァッと明るくなった
「はい、勿論です!
何も問題ありません!」
元気よく返事をしてくれた馬に笑顔を返す
「ありがとうございます、ではお言葉に甘えてお世話になります
よろしくお願いしますね」
カップから手を放し、ぺこりと頭を下げると馬も同じく頭を下げてくれた
「こちらこそよろしくお願いします!」
10
お気に入りに追加
39
あなたにおすすめの小説
知らない世界はお供にナビを
こう7
ファンタジー
私の異世界生活の始まりは土下座でした。
大学合格決定してからの帰り道、一ノ瀬楓はルンルン気分でホップステップジャンプをひたすら繰り返しお家へと向かっていた。
彼女は人生で一番有頂天の時だった。
だから、目の前に突如と現れた黒い渦に気づく事は無かった。
そして、目を覚ませばそこには土下座。
あれが神様だって信じられるかい?
馬鹿野郎な神様の失態で始まってしまった異世界生活。
神様を脅……お願いして手に入れたのはナビゲーター。
右も左も分からない異世界で案内は必要だよね?
お供にナビを携えて、いざ異世界エスティアへ!
目指すはのんびり旅の果てに安住の地でほそぼそとお店経営。
危険が蔓延る世界でも私負けないかんね!
シリアスよりもコメディ過多な物語始まります。
婚姻初日、「好きになることはない」と宣言された公爵家の姫は、英雄騎士の夫を翻弄する~夫は家庭内で私を見つめていますが~
扇 レンナ
恋愛
公爵令嬢のローゼリーンは1年前の戦にて、英雄となった騎士バーグフリートの元に嫁ぐこととなる。それは、彼が褒賞としてローゼリーンを望んだからだ。
公爵令嬢である以上に国王の姪っ子という立場を持つローゼリーンは、母譲りの美貌から『宝石姫』と呼ばれている。
はっきりと言って、全く釣り合わない結婚だ。それでも、王家の血を引く者として、ローゼリーンはバーグフリートの元に嫁ぐことに。
しかし、婚姻初日。晩餐の際に彼が告げたのは、予想もしていない言葉だった。
拗らせストーカータイプの英雄騎士(26)×『宝石姫』と名高い公爵令嬢(21)のすれ違いラブコメ。
▼掲載先→アルファポリス、小説家になろう、エブリスタ
旺盛王子のお気に召すまま
優那
ファンタジー
ソルミア王国という、五十もの小国からなる大国がある。
その国には、王子が20歳になると身分を隠し、従者となる二人の騎士と
癒し人を連れ、大国を見聞する旅が義務付けられている。
ソルミア王国には三人の王子がおり、末の王子が20歳になるため二人の騎士と
一人の癒し人が選ばれた。
好奇心旺盛な第三王子、心優しき騎士、腕は立つが無愛想な騎士、そして
食べるの大好きな、天真爛漫娘の癒し人。
四人の見聞旅の物語。
目が覚めたら異世界でした!~病弱だけど、心優しい人達に出会えました。なので現代の知識で恩返ししながら元気に頑張って生きていきます!〜
楠ノ木雫
恋愛
病院に入院中だった私、奥村菖は知らず知らずに異世界へ続く穴に落っこちていたらしく、目が覚めたら知らない屋敷のベッドにいた。倒れていた菖を保護してくれたのはこの国の公爵家。彼女達からは、地球には帰れないと言われてしまった。
病気を患っている私はこのままでは死んでしまうのではないだろうかと悟ってしまったその時、いきなり目の前に〝妖精〟が現れた。その妖精達が持っていたものは幻の薬草と呼ばれるもので、自分の病気が治る事が発覚。治療を始めてどんどん元気になった。
元気になり、この国の公爵家にも歓迎されて。だから、恩返しの為に現代の知識をフル活用して頑張って元気に生きたいと思います!
でも、あれ? この世界には私の知る食材はないはずなのに、どうして食事にこの四角くて白い〝コレ〟が出てきたの……!?
※他の投稿サイトにも掲載しています。
公爵夫人アリアの華麗なるダブルワーク〜秘密の隠し部屋からお届けいたします〜
白猫
恋愛
主人公アリアとディカルト公爵家の当主であるルドルフは、政略結婚により結ばれた典型的な貴族の夫婦だった。 がしかし、5年ぶりに戦地から戻ったルドルフは敗戦国である隣国の平民イザベラを連れ帰る。城に戻ったルドルフからは目すら合わせてもらえないまま、本邸と別邸にわかれた別居生活が始まる。愛人なのかすら教えてもらえない女性の存在、そのイザベラから無駄に意識されるうちに、アリアは面倒臭さに頭を抱えるようになる。ある日、侍女から語られたイザベラに関する「推測」をきっかけに物語は大きく動き出す。 暗闇しかないトンネルのような現状から抜け出すには、ルドルフと離婚し公爵令嬢に戻るしかないと思っていたアリアだが、その「推測」にひと握りの可能性を見出したのだ。そして公爵邸にいながら自分を磨き、リスキリングに挑戦する。とにかく今あるものを使って、できるだけ抵抗しよう!そんなアリアを待っていたのは、思わぬ新しい人生と想像を上回る幸福であった。公爵夫人の反撃と挑戦の狼煙、いまここに高く打ち上げます!
➡️登場人物、国、背景など全て架空の100%フィクションです。
5年も苦しんだのだから、もうスッキリ幸せになってもいいですよね?
gacchi
恋愛
13歳の学園入学時から5年、第一王子と婚約しているミレーヌは王子妃教育に疲れていた。好きでもない王子のために苦労する意味ってあるんでしょうか。
そんなミレーヌに王子は新しい恋人を連れて
「婚約解消してくれる?優しいミレーヌなら許してくれるよね?」
もう私、こんな婚約者忘れてスッキリ幸せになってもいいですよね?
3/5 1章完結しました。おまけの後、2章になります。
4/4 完結しました。奨励賞受賞ありがとうございました。
1章が書籍になりました。
なろう370000PV感謝! 遍歴の雇われ勇者は日々旅にして旅を住処とす
大森天呑
ファンタジー
〜 報酬は未定・リスクは不明? のんきな雇われ勇者は旅の日々を送る 〜
魔獣や魔物を討伐する専門のハンター『破邪』として遍歴修行の旅を続けていた青年、ライノ・クライスは、ある日ふたりの大精霊と出会った。
大精霊は、この世界を支える力の源泉であり、止まること無く世界を巡り続けている『魔力の奔流』が徐々に乱れつつあることを彼に教え、同時に、そのバランスを補正すべく『勇者』の役割を請け負うよう求める。
それも破邪の役目の延長と考え、気軽に『勇者の仕事』を引き受けたライノは、エルフの少女として顕現した大精霊の一人と共に魔力の乱れの原因を辿って旅を続けていくうちに、そこに思いも寄らぬ背景が潜んでいることに気づく・・・
ひょんなことから勇者になった青年の、ちょっと冒険っぽい旅の日々。
< 小説家になろう・カクヨム・エブリスタでも同名義、同タイトルで連載中です >
絶対に間違えないから
mahiro
恋愛
あれは事故だった。
けれど、その場には彼女と仲の悪かった私がおり、日頃の行いの悪さのせいで彼女を階段から突き落とした犯人は私だと誰もが思ったーーー私の初恋であった貴方さえも。
だから、貴方は彼女を失うことになった私を許さず、私を死へ追いやった………はずだった。
何故か私はあのときの記憶を持ったまま6歳の頃の私に戻ってきたのだ。
どうして戻ってこれたのか分からないが、このチャンスを逃すわけにはいかない。
私はもう彼らとは出会わず、日頃の行いの悪さを見直し、平穏な生活を目指す!そう決めたはずなのに...……。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる