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恋愛編

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俺のことが格好よく見える
俺といると照れて自分がおかしくなる

…誰が?
…セシルが

セシルが、俺に、照れる…?

頬を赤らめ、いかにも思いきったと言う風に告げられた言葉
俺はその言葉を理解するのにかなりの時間を要した

「…っ!」

何度も言葉を頭の中で反芻する
そして理解したと同時に俺の頬も熱を持った

はっ…!?
なっ…ほ、本当か…!?
そ、それはつまり…
そういうことか!?

言葉の意図をセシルに問おうと口を開くが、激しい同様でうまく言葉が出てこない
でない言葉をなんとか絞りだそうとはくはくと口を動かしていると、俺が何も言わないことに痺れをきらしたのか、セシルがそっと目をあけた

彼女と俺の視線が絡む

赤く染まった頬
潤んだ瞳
そして絶妙な上目遣い

「…殿下…?」

極めつけに、叱られ、嫌われることを恐れる子供のような震えた声音

あまりの破壊力に、俺は咄嗟に顔を抑えて俯いた

か、かわいすぎるだろう…!

ダメだ
普段凛としていて滅多に表情を崩さない美人の、この表情はずるすぎる
直視できん
…いや、だがこんなに珍しい表情は見ておかなければ損なのでは…
いや、だが直視は…

俺が一人でそんなことを考えながら悶えていると、再びセシルから声がかけられた

「あ、あの…」

泣き出す寸前のような声と表情にはっとする

お、落ち着け
俺はセシルを放って何をやっているんだ…
早く何か答えてやらなければ…

急く気持ちのままに言葉を紡ぐ

「は、話しはわかった
つまりそれは…セシルも俺のことを想ってくれていると言うことだろうか…?」

…って、俺は何を!?
い、いくらなんでも直球すぎじゃないか!?
な、なにかもっと違った聞き方があっただろう…!

慌てて何かフォローをいれようと口を開く
しかし、セシリアの返答の方が少し早かった

「…はい
そのようです」

蚊のなくような小さな声
だが、俺の耳にはやけに大きく、はっきりと届いた
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