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恋愛編
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あるところに王様と王妃様がいました
王様と王妃様は二人の王子にも恵まれ、幸せとまでは言わずとも、ごく普通に暮らしていました
しかし一つだけ困ったことがありました
王様も、王妃様も、その子供である王子二人も、自分達さえ良ければそれでいいという考えの人たちだったのです
自分が悪く言われるのは嫌なので、言われたお仕事はこなします
しかし、それ以上のことは決してやりません
町に視察に出ることもなく、貧しい人たちに寄付をするでもなく、悪い貴族の不正を暴くでもなく、ただ与えられた仕事をこなすだけ
後は享楽にふける王族たちを見て、最初に危機感を覚えたのは時の宰相でした
先代の王の御代から宰相として国を支えていた彼は、使えない王様達の代わりに政治を動かしながら自分が引退した後のこの国を憂いていました
そんなある日衝撃的な出来事が起こります
王様が浮気をし、その相手が妊娠したのです
その国の王族は一夫多妻ではあるものの、その制度が使われていたのは遥か昔
それ以降は側室なんて居たことがありません
なので、妊娠した子供は庶子で、王子としては認められないはずでした
しかし、宰相がその相手の実家に目をつけました
彼女の実家は男爵という位ではあるものの、とても優秀な文官を排出することで有名な家だったのです
この家の子供なら、自分が引退した後も国を導いていけるかもしれない
そう思った宰相はその女性を側室として引き上げ、産まれた三番目の王子に様々なことを徹底的に教え込みました
自分の後を引き継いで、国を裏から支える人物になれるように
時は過ぎ、王様と王妃様の間にお姫様が生まれました
年の離れた可愛らしいお姫様に、王様も王妃様も、二人の王子様もメロメロです
可愛らしいお姫様の側にいるために、王様たちは与えられた仕事さえもしなくなっていきました
見かねた宰相やまともな貴族達が注意しますが、王様たちは聞き入れません
痺れを切らせた彼らは代わりに仕事をしようとします
しかし、三番目の王子様を除いた自分達家族以外が評価されるのをひどく嫌う王様たちは、重要な仕事から彼らを閉め出してしまいました
それでも国が傾かなかったのは、優秀な宰相と一握りのまともな貴族、そして成長した三番目の王子様が王様たちには気づかれないよう、裏でこっそりと仕事をしていたおかげでした
そんなある日お姫様が他国の皇太子に恋をしました
しかし、皇太子お姫様の気持ちには気がつかず、自国の令嬢と婚約してしまいます
お姫様はショックを受けて部屋に引きこもってしまいました
それを心配した王様たちはとある作戦を思い付きます
その作戦とは、王子様達の誰かがその婚約者の令嬢を口説き落として皇太子から奪い、その謝罪としてお姫様を皇太子に宛がうというものでした
そこまで一気に話したレオナルド様がふーっと息をついて紅茶を口に含む
私ははしたなくもポカンと口を開けてそれを見ていた
「……そんな理由で、なんて作戦を…」
唖然と呟くとレオナルド様はニヤリと笑う
「そう思うよね
でも、もうちょっと聞いてね
まだ、続きがあるんだ」
そう言って彼は再び語り始めた
王様と王妃様は二人の王子にも恵まれ、幸せとまでは言わずとも、ごく普通に暮らしていました
しかし一つだけ困ったことがありました
王様も、王妃様も、その子供である王子二人も、自分達さえ良ければそれでいいという考えの人たちだったのです
自分が悪く言われるのは嫌なので、言われたお仕事はこなします
しかし、それ以上のことは決してやりません
町に視察に出ることもなく、貧しい人たちに寄付をするでもなく、悪い貴族の不正を暴くでもなく、ただ与えられた仕事をこなすだけ
後は享楽にふける王族たちを見て、最初に危機感を覚えたのは時の宰相でした
先代の王の御代から宰相として国を支えていた彼は、使えない王様達の代わりに政治を動かしながら自分が引退した後のこの国を憂いていました
そんなある日衝撃的な出来事が起こります
王様が浮気をし、その相手が妊娠したのです
その国の王族は一夫多妻ではあるものの、その制度が使われていたのは遥か昔
それ以降は側室なんて居たことがありません
なので、妊娠した子供は庶子で、王子としては認められないはずでした
しかし、宰相がその相手の実家に目をつけました
彼女の実家は男爵という位ではあるものの、とても優秀な文官を排出することで有名な家だったのです
この家の子供なら、自分が引退した後も国を導いていけるかもしれない
そう思った宰相はその女性を側室として引き上げ、産まれた三番目の王子に様々なことを徹底的に教え込みました
自分の後を引き継いで、国を裏から支える人物になれるように
時は過ぎ、王様と王妃様の間にお姫様が生まれました
年の離れた可愛らしいお姫様に、王様も王妃様も、二人の王子様もメロメロです
可愛らしいお姫様の側にいるために、王様たちは与えられた仕事さえもしなくなっていきました
見かねた宰相やまともな貴族達が注意しますが、王様たちは聞き入れません
痺れを切らせた彼らは代わりに仕事をしようとします
しかし、三番目の王子様を除いた自分達家族以外が評価されるのをひどく嫌う王様たちは、重要な仕事から彼らを閉め出してしまいました
それでも国が傾かなかったのは、優秀な宰相と一握りのまともな貴族、そして成長した三番目の王子様が王様たちには気づかれないよう、裏でこっそりと仕事をしていたおかげでした
そんなある日お姫様が他国の皇太子に恋をしました
しかし、皇太子お姫様の気持ちには気がつかず、自国の令嬢と婚約してしまいます
お姫様はショックを受けて部屋に引きこもってしまいました
それを心配した王様たちはとある作戦を思い付きます
その作戦とは、王子様達の誰かがその婚約者の令嬢を口説き落として皇太子から奪い、その謝罪としてお姫様を皇太子に宛がうというものでした
そこまで一気に話したレオナルド様がふーっと息をついて紅茶を口に含む
私ははしたなくもポカンと口を開けてそれを見ていた
「……そんな理由で、なんて作戦を…」
唖然と呟くとレオナルド様はニヤリと笑う
「そう思うよね
でも、もうちょっと聞いてね
まだ、続きがあるんだ」
そう言って彼は再び語り始めた
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