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恋愛編

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あの昼食会の翌日
今日は午後からは王妃様に茶会に招待されているが、午前中はやることがない
昨日と同じく本でも読んで時間を潰そうかと書庫へ向かっていると後ろから声をかけられた

「セシリア嬢」
「…王太子様」

呼び掛けに反応して振り向くと、そこには笑顔を浮かべた王太子殿下

「どこかへお出掛けですか?」
「…えぇ、書庫へ行こうかと
昨日途中までしか読めなかった本があるので…」
「そうでしたか
よろしければごいっ「セシリア嬢!よかった。聞きたいことがあるんだ」……レオナルド」

お約束のように言葉をさえ切られた王太子殿下が表情を凍りつかせて彼の名を呼ぶ
名前を呼ばれたレオナルド様は白々しい笑顔で頭を下げた

「あぁ、兄上。ご機嫌麗しく
昨日からよく会いますねぇ」
「…そうだね」
「レオナルド様、おはようございます」
「おはよう、それでね、セシリア嬢
申し訳ないんだけど今から少し時間をもらえるかな?」

その質問に私ではなく王太子殿下が口を開く

「彼女は今から書庫へ行くそうだよ」
「おや、そうだったのか
申し訳ないけどそれは後でもいいかい?
少し急いでるんだ」

そう問われ、私はちらりと王太子殿下を伺ってから頷いた

「はい、私なら大丈夫です」
「それはよかった!では早速行こうか
兄上、失礼しますね」

口を挟ませる隙もなく歩き出した彼に王太子殿下の表情が歪む
私はそれに気がつかないふりをし、礼をして彼の後をおった

________________________________________________

その翌日も、そのまた翌日も、この国の第一王子と第二王子は何かと私に声をかけてきた
その度に何処からともなくレオナルド様が現れて、間に入って喋り続けたり理由をつけて私を連れ出したりしてくださる
今も第二王子に捕まっていたところから連れ出された私は彼に連れられ廊下を歩いていた

「…レオナルド様」
「ん?何かな?」

にこりと笑顔で首をかしげる彼

「何、はこちらの台詞です」
「えー?なんで?」

白々しくとぼける姿に頬がひくつく
言動からして、第一王子と第二王子が何かを企んで私に接触してきているのは間違いない
そして彼の行動はそれを知ってあえて邪魔しているとしか思えない

婚約者でもない殿方に守られてばかりというのも気が引けるのよね
目的を知っていらっしゃるなら私にも教えてくださればいいのに…
そうすれば一々レオナルド様の手を煩わせず、自衛することもできるもの

そう考えて問い詰めようと口を開く
しかし私の言葉は声にする前に元気のいい声に遮られてしまった
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