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本編
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「大きな声で話すのは、この際いいでしょう
立ち居振舞いがなっていないのにも、目をつぶって差し上げるわ」
静まり返った食堂に、冷たく、威厳に満ちたセシリアの声が響く
「それらは全て、貴女の品位を損なうだけのこと」
同じラピス皇国の貴族としては恥ずかしく思うけれど…と呟きながらも、固まる水色の少女を見据え、ゆっくりと彼女との距離を詰める
「だけど、殿下に関することは見過ごせないわ」
少し距離を置いた場所でセシリアが立ち止まった
そしてスッと目を細めると少女から視線をずらし、周囲の生徒を見回す
「そうでしょう?」
そう言うと数人の男子生徒…騎士科の生徒達が立ち上がり、先程まで騒いでいた少女を取り囲んだ
「な、なに?」
囲まれた少女が驚いたように声を上げる
その声に答え、一際大柄な紺色の髪をした生徒が口を開いた
「アリス・ホワード男爵令嬢、ラピス皇国皇太子殿下の暗殺未遂容疑で拘束させていただきます」
その言葉を合図に、男子生徒たちが少女を拘束する
慌てて拘束を振り払おうと体をよじるが、鍛えられた肉体を持つ生徒達はびくともしない
その様子を冷めた目で眺めながらセシリアが声を発した
「取り調べを受けながら、一度しっかりと反省なさい」
「反省なんてするわけないでしょ!アリス何も悪いことしてないもの!アリスが何したっていうのよ!?」
水色の髪を振り乱して叫ぶ少女にセシリアはその美しい顔をさらに厳しくする
「…お解りにならないの?」
「当たり前でしょ!?放しなさいよ!アリス、何もしてないわ!」
「・・・フランツ、詳しく説明して差し上げなさい」
「畏まりました」
フランツと呼ばれた先程の紺色の生徒が拘束された少女の前に進み出る
「貴女は先ほどアルベルト殿下に食品をお渡しになりましたね」
「…それがなによ」
「殿下はそれを拒否されました」
「拒否じゃなくて遠慮よ!」
ふてぶてしくそう答える少女に、青年は一瞬顔を引くつかせた
「…フランツ?」
セシリアに名を呼ばれ、気を取り直すように眼鏡を中指で押し上げると再び口を開いた
「…いえ、拒否です
にも関わらず、貴女は無理矢理口に押し込もうとされた」
「食べさせてあげようとしただけじゃない!」
「それが問題なのです」
反論するヒロインに厳しい顔でピシャリと告げる
「普通は断られれば引き下がるものです
それなのに無理に食べていただこうとするのは、何か食べていただかなくてはならない理由があるのでは?」
「理由…そ、そんなの
せっかく作ったんだから食べてほしいに決まってるじゃない!」
「本当にそれだけですか?
その他になにか…例えば、その食品の中に薬が入っているとか」
その言葉に今まで騒ぎ続けていたヒロインが黙り込んだ
「っ・・・」
「・・・」
「・・・」
・・・え?
立ち居振舞いがなっていないのにも、目をつぶって差し上げるわ」
静まり返った食堂に、冷たく、威厳に満ちたセシリアの声が響く
「それらは全て、貴女の品位を損なうだけのこと」
同じラピス皇国の貴族としては恥ずかしく思うけれど…と呟きながらも、固まる水色の少女を見据え、ゆっくりと彼女との距離を詰める
「だけど、殿下に関することは見過ごせないわ」
少し距離を置いた場所でセシリアが立ち止まった
そしてスッと目を細めると少女から視線をずらし、周囲の生徒を見回す
「そうでしょう?」
そう言うと数人の男子生徒…騎士科の生徒達が立ち上がり、先程まで騒いでいた少女を取り囲んだ
「な、なに?」
囲まれた少女が驚いたように声を上げる
その声に答え、一際大柄な紺色の髪をした生徒が口を開いた
「アリス・ホワード男爵令嬢、ラピス皇国皇太子殿下の暗殺未遂容疑で拘束させていただきます」
その言葉を合図に、男子生徒たちが少女を拘束する
慌てて拘束を振り払おうと体をよじるが、鍛えられた肉体を持つ生徒達はびくともしない
その様子を冷めた目で眺めながらセシリアが声を発した
「取り調べを受けながら、一度しっかりと反省なさい」
「反省なんてするわけないでしょ!アリス何も悪いことしてないもの!アリスが何したっていうのよ!?」
水色の髪を振り乱して叫ぶ少女にセシリアはその美しい顔をさらに厳しくする
「…お解りにならないの?」
「当たり前でしょ!?放しなさいよ!アリス、何もしてないわ!」
「・・・フランツ、詳しく説明して差し上げなさい」
「畏まりました」
フランツと呼ばれた先程の紺色の生徒が拘束された少女の前に進み出る
「貴女は先ほどアルベルト殿下に食品をお渡しになりましたね」
「…それがなによ」
「殿下はそれを拒否されました」
「拒否じゃなくて遠慮よ!」
ふてぶてしくそう答える少女に、青年は一瞬顔を引くつかせた
「…フランツ?」
セシリアに名を呼ばれ、気を取り直すように眼鏡を中指で押し上げると再び口を開いた
「…いえ、拒否です
にも関わらず、貴女は無理矢理口に押し込もうとされた」
「食べさせてあげようとしただけじゃない!」
「それが問題なのです」
反論するヒロインに厳しい顔でピシャリと告げる
「普通は断られれば引き下がるものです
それなのに無理に食べていただこうとするのは、何か食べていただかなくてはならない理由があるのでは?」
「理由…そ、そんなの
せっかく作ったんだから食べてほしいに決まってるじゃない!」
「本当にそれだけですか?
その他になにか…例えば、その食品の中に薬が入っているとか」
その言葉に今まで騒ぎ続けていたヒロインが黙り込んだ
「っ・・・」
「・・・」
「・・・」
・・・え?
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