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本編

4(回想)

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「お招きいただき光栄でございます
皇后陛下におかれましては本日も…」
「もう!マギーったら、頭をあげて頂戴
せっかく私的に来てもらったのよ?畏まらずに昔みたいにお話ししましょう」

挨拶の口上を遮り、皇后がにこにこと笑みを浮かべながらそう言うと、礼の姿勢をとっていた女性…リスト公爵夫人は頭をあげ、困ったような笑みを浮かべた

「しかし…」
「いいのよ。ここには口うるさくするような人は誰もいないもの
それよりそちらのお嬢さんが?」

問われた公爵婦人は苦笑して自分の後ろにいた子供をそっと前に導く

「はい、娘ですわ」
「ご招待ありがとうございます
リスト公爵家長女、セシリアと申します」
「まぁ!礼儀正しいキレイな子
頭を上げて?
でもそうね、マギーのお嬢さんなんだから当たり前かしら」

そのまま話し出した3人…いや、セシリアをアルベルトは後ろからじっと観察していた

今日は先日とは違って淡い桜色のドレスに身を包んでいるが、やはり妙に落ち着いる
王族である母や自分の前だというのに緊張している様子も伺えない

…やっぱり変わった子
綺麗な子だけど可愛げはないな

アルベルトが自分を棚にあげてそんなことを考えていると、ぱちりと少女と目があう
不躾に観察していた事がバレたのかと気まずく感じるアルベルトとは逆に、少女は人形のような美しい顔を緩め、ふわりと微笑むと礼の姿勢をとった
その様子を見た母が思い出したようにアルベルトの方に振り返る

「ごめんなさい、紹介が遅れたわ
私の息子のアルベルトよ
アル、こちらはリスト公爵夫人のマーガレットとセシリア嬢
マーガレットは私の学生時代からの友人なのよ」
「そうなんですね
ようこそお出でくださいました」

気を取り直して笑顔を浮かべ、母と並んで声をかけると夫人も少女と同じく礼の姿勢をとった

「お初にお目にかかります、マーガレット・リストと娘のセシリアでございます
ご挨拶が遅れて申し訳ございません」
「いえ、お気になさらず
それより母上立ったままでは…」
「あら、そうね。私ったら…
お茶しながらゆっくりお話しましょう」

皇后の言葉を合図に、4人はティーセットの用意されたテーブルへと移動した
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