甘イキしながら生きてます

ナツキ

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に。

朝です。

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気づいたら、朝だった。




ゆうと先パイと初めていっしょに過ごせた夜。


ね、寝落ちしちゃった……。







ああ゛~っ!!!!!



ばかっ!!




おれの、ばかっ!!



布団の中でわなわなと、もだえる。



ん?


布団があったかいと思ったら、おんなじ布団にはゆうと先パイ。


はああ♡

おれ、先パイの胸元に顔をうずめて寝てたみたい。


もっとずっと感じたかったあっ!!

顔をあげて先パイの顔を見ようとすると、先パイが「ん……」と寝ぼけておれをぎゅっと抱きしめてくれた。


し、幸せすぎ……るっ。






このまま、もうしばらく寝ていたいと思ったんだけども。


おれ、トイレ行きたい。





そおっとそおっと、ベッドから脱出すると。


服着てた。


そっかあ、ゆうと先パイが着せてくれたんだぁ♡♡



へへへ~っ♡


にまにましながら、うきうき部屋を出た。

それからそろりそろりと、ひんや~りとした階段を降りる。


曲がって廊下を通ったとき、リビングが見えた。

昨日の夜、センパイとまったりしたところ。




あ……。






おれはトイレをすませると、再び廊下に出た。



それから、曲がって右手に見えるリビングに、そっと入る。












静かな、朝。




しん、と音がするくらいの静かさ。












うっすらと明るくなって、カーテンのすき間から光がそそいでいる。

遮光カーテンをもう少しだけ開けて、光をいれてみる。









棚の上には、家族の写真。



部屋のすみに、モップ。




机の上に、昨日の新聞と、リモコン。





家族のいる、空間だ。




なつかしい、あたたかい空間だ。





寒いのに、ぬくもりを感じる、朝。







ローソファーに座って、目をつぶる。








大丈夫。









こんな景色をみても、もう悲しく思わなくなった。






前に、すすんでる。








忘れるときあるけど、でもときどき、こうやって思い出すから。





ときどきで、許してね。










涙がでなかったのは、はじめてだな。









2階に戻ると、ゆうと先パイが目を開けた。

「伊織、おはよう……」


「先パイ~♡おはよう♡おれ寝ちゃったよぉ」

思いっきりベッドにダイブする。

「昨日激しくしちゃってごめん。痛かったよな」
抱きついたおれの髪を、先パイはやさしく撫でてくれた。


「痛くないよ~気持ちよかったよ♡先パイのしっとがうれしかった♡」

「ほんとはな、あまねくんにはそんなに嫉妬してなかったんだけど、なんか意地悪したくなった。伊織、ごめん」

「そうなの?  怒ってない?」

「隠されたら怒るけど、素直に話してくれるなら嫉妬しない。……でも仁子コーチはダメだぞ」

あ、そんなことあったね。

忘れてた。

「うん、ごめんね♡」

「あまねくんは、すごくいいやつだから、伊織が気づいてくれるとオレもうれしいよ。仲良くしてやって」

「え、ほんと?  いいの?」

「……オレがすごくお世話になった。だから、嫉妬とかあまねくんにはしないかな。伊織、もしあまねくんが寮で困ってたら、オレの代わりに助けてくれるか?」

「うん?  いいよ?」

「伊織とあまねくん、オレも似てると思うから。我慢してるっていうか、隠してるところ」

「う、う~ん?  そうかな~?」


おれはとぼける。


先パイの前では、気づかないふりをした。


おれはバカで、いやバカだけど、そのキャラで守りとおしてることがあるんだ。



それを先パイには見せたくない。



……見せない。



「でも、なんであのタイミングで他の男が気になるっていうわけ?  せっかくの2人きりの夜に話されて、ムカついた。もうちょっと考えろよ?」

「ごめんね~♡」

おれは先パイの首すじにちゅ、とキスをした。







今夜はTシャツも脱いでくれるかなぁ。

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