甘イキしながら生きてます

ナツキ

文字の大きさ
上 下
13 / 26
いち。

次はゆうと先パイからだよ。【最終話】

しおりを挟む
ゆうと先パイは、身体に広範囲のやけどの痕があり、それを誰にも見せたくなかったのだと打ち明けてくれた。

おれに告白されて、でもつきあうとなると申し訳ないという気持ちの方がまさり、自分も好きだといえなかったという。

こんな、汚いオレが恋人だなんて、申し訳ない。

そう思っていたそうだ。

「おれ、汚いだなんていうわけないでしょ?  おれのことどういう人間だと思ってたのさ」

「伊織が、きれいだから。きれいだから、不安だった」

「も~ほめすぎ。おれ、ずっと好きだっていってたのに、わかってなかったんだね」

抱きしめながら、見えないやけどの痕をやさしく撫でる。

「二子コーチとの会話聞いて……もしかして、いえるかな、って思った」

でも、思わず二子コーチの傷痕を汚いといってしまい、おれを怒らせてしまったと。


もう、不器用なんだから。




「……おれの出身はね、北の方。親は2人ともそこで死んだ。海がきらいで、3月になると食欲が少しだけなくなる。これがおれがいわなかったこと」

「……この前、無理に聞いてごめんな」

「いいよ。恋人だったら、いつかいおうと思ってたことだし。九州にいると、おれも忘れそうになる。忘れられる。忘れたらダメだけど、忘れてる時間がほしいから。あ、育ててくれたおじさんおばさんはいい人だからね?  おれがサッカーやりたくて、寮に入ってるんだよ」

頭にあまね先パイのことがよぎって、補足する。

「オレも、母親が離婚して再婚した新しい親父はめちゃくちゃいい人。サッカーも応援してくれてる」

「良かった」

おれはTシャツから手を抜き、先パイの首に手を回す。

「今度は先パイから、好きって告白してよ」

返事を聞かずに、おれはキスをした。


唇を離し、見つめる。




もう1度、唇を合わせる。


小さく、つまむ。




ついばんで、ついばんで、いやらしく吐息を頬にかける。

「今度の水曜、先パイのうちに行っていい?」

好きっていってくれない先パイに、たくさん仕掛けていく。



さあ、早く告白してよ。



おれは、大好きなんだよ?




先パイののどがゴク、となった。






「……ずっと、ずっと好きだった」






「っ━━うれしい」

おれは、ぎゅうっと抱きついた。

うれしい、うれしい、うれしい、!!

やっと、聞けた。


おれのことが、好き。



好きといわれて全身で喜ぶおれを、先パイはやさしく包みこんでくれた。それからつづけて、こういったんだ。




「オレと、つきあってくれますか?」





━━━もちろん。





もちろん。





もちろん!!!






「……っ」

たくさんの、もちろんが口の中で渋滞して、声が出ない。



代わりに、うれし涙が瞳からこぼれ落ちた。



おれは、ほほ笑みながら、しずかに泣いた。



ゆうと先パイは、抱きつくおれを離し、涙を流しているおれの目元を指でぬぐってくれた。そうして、そっとやさしく濡れた瞳にキスをしてくれた。
頬にキスして、おれの唇にそっとタッチする。

ふれたか、ふれてないか、わからないくらいのキス。



やさしい、やさしい先パイ。




大好き。








次の水曜日まで待てなくなったおれと先パイは、寮を出て、先パイのうちまで行った。

もちろん、部活なんかサボっちゃう。

ゆうと先パイはほんの少し、罪悪感にさいなまれてたけど。




先パイは肌を見せることはまだできなかったけど、触らせてくれた。ちくびをつまむと、「んん゛っ」とくぐもったあえぎ声を出したから、いつか脱がせてれろれろ舐めたいな、と思った。

真っ暗にしたら脱いでくれるかもね?

それか、おれが目隠ししちゃう?

あ、それいいかも。

にこコーチのちょっとした言葉責め、気持ち良かったもの。ソフトSM、興味あるよ。

やさしい先パイが、どこまでしてくれるかな。無理かな?






楽しみ。









粉砂糖みたいな先パイのえっちは、甘くてふんわりとして、おれをどこまでもやさしく包みこんでくれた。
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

女の子がひたすら気持ちよくさせられる短編集

恋愛
様々な設定で女の子がえっちな目に遭うお話。詳しくはタグご覧下さい。モロ語あり一話完結型。注意書きがない限り各話につながりはありませんのでどこからでも読めます。pixivにも同じものを掲載しております。

身体検査が恥ずかしすぎる

Sion ショタもの書きさん
BL
桜の咲く季節。4月となり、陽物男子中学校は盛大な入学式を行った。俺はクラスの振り分けも終わり、このまま何事もなく学校生活が始まるのだと思っていた。 しかし入学式の一週間後、この学校では新入生の身体検査を行う。内容はとてもじゃないけど言うことはできない。俺はその検査で、とんでもない目にあった。 ※注意:エロです

クリ責めイド

めれこ
恋愛
----------  ご主人様は言いました。  「僕は、人が理性と欲求の狭間で翻弄される姿が見たいのだよ!」と。  ご主人様は私のクリトリスにテープでロータを固定して言いました。  「クリ責めイドである君には、この状態で広間の掃除をしてもらおう」と。  ご主人様は最低な変態野郎でした。 -----------  これは、あらゆる方法でクリ責めされてしまうメイド「クリ責めイド」が理性と欲求の狭間で翻弄されるお話。  恋愛要素は薄いかも知れません。

マッチョ兄貴調教

Shin Shinkawa
BL
ジムでよく会うガタイのいい兄貴をメス堕ちさせて調教していく話です。

魔王に飼われる勇者

たみしげ
BL
BLすけべ小説です。 敵の屋敷に攻め込んだ勇者が逆に捕まって淫紋を刻まれて飼われる話です。

男の子の雌化♡

クレアンの物書き
BL
いろんな男の子達が従順なメス男子に変わっちゃうお話です!

BLエロ短編集

ねおもの
BL
ただただエロBLを書きます。R18です。 快楽責めや甘々系などがメインでグロ系はありません。 登場人物はみんな学生~20代の予定です。 もし良ければお気に入り登録お願いします。 基本的に1話~2話完結型の短編集です。 リクエストや感想もお待ちしています!

首輪 〜性奴隷 律の調教〜

M
BL
※エロ、グロ、スカトロ、ショタ、モロ語、暴力的なセックス、たまに嘔吐など、かなりフェティッシュな内容です。 R18です。 ほとんどの話に男性同士の過激な性表現・暴力表現が含まれますのでご注意下さい。 孤児だった律は飯塚という資産家に拾われた。 幼い子供にしか興味を示さない飯塚は、律が美しい青年に成長するにつれて愛情を失い、性奴隷として調教し客に奉仕させて金儲けの道具として使い続ける。 それでも飯塚への一途な想いを捨てられずにいた律だったが、とうとう新しい飼い主に売り渡す日を告げられてしまう。 新しい飼い主として律の前に現れたのは、桐山という男だった。

処理中です...