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いち。
秘密基地だったのに。
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━━━まだ好きだよ、たぶん。
一ノ瀬先パイに、そう聞いた翌日。
午後の授業がめんどくさくて、部室でサボることにした。
ドアを開けてすぐ右。荷物が散乱してるように見えるが、実はかがんで垂れたシーツをめくれば、奥に隠しスペースがある。
オレが夏休みに作った場所だ。
古くて処分するといったマットを用務員のおじさんにもらって、昼寝ができるように作った。
昨日から、なんどもなんども反復して考えていることを、そこで寝ころんでまた考える。
ゆうと先パイは、まだおれのこと好き……?
おれたちは、やっぱりつきあってた?
そして、ふってしまった?
なんで?
答えが見つからないまま、時間だけが過ぎていく。
過ごしやすい気候の11月中旬の昼下がり、おれはそのままうとうと寝てしまった。
気づくと、大野がいた。
「お前、こんなとこでサボってんのかよ」
「あー、バレた? おはよぉ」
「オレもサボろうと思って来たら、音するからビビった」
「ごめん~」
「オレも寝る」
「2人は狭くて無理だよ、今何時? おれ起きるわ」
「いいから」
「えっ?」
大野は、おれの上に乗ってきた。
冗談かな、と思ったけど、目が笑ってなかった。
「お前、女みてぇ」
その一言に、全身が凍りついた。
どっち?
どっちで返せばいい?
「……おれとヤりたいの~?」
冗談ぽく返すことにした。
「そうだよ。キスしていい?」
「え~? やだよぉ」
あくまでも、おれは冗談で終わらせようとした。
「じゃあ無理やりするわ」
手首を掴まれ、拘束された。おなかには、おれよりずいぶんと体格のよい彼が体重を乗せていて、動けない。
「っ━━━!!」
おれは、驚いて声が出なくなった。
ゆっくりと顔が近づく。
唇が、ふれる。
かたく閉ざした唇に、大野は笑った。
「かたくなりすぎ。口あけて」
「……やだよ」
「殴ってもいいんだよ?」
「やめてよ……」
「じゃあ殴るな」
ガツンッ
「━━━ッ!!」
頬を殴られた。
いたくて、頬の骨がズキズキする。
「どうする?」
「わかった……大野、舌ちょうだい」
あきらめたおれは、大野に向けて舌を出した。
「はっ……」
大野はうれしそうに、舌を出してきた。
口の外で、舌と舌を絡めていく。唇がふれ、そのまま深いキスになった。
「ふぅっ━━━ぅっ」
乱暴なキスで、おれは呼吸ができない。手は自由になったが、頭を抑えられて顔の向きを変えることすらできない。
「ぅっ━━━」
「はぁっはぁっ」
やっと口を離してくれた。
大野の荒い息が顔にかかる。
「大野……」
「やべー、お前、まじ気持ちいいわ。このままヤっていい?」
「だめ~」
「なんだよ、もう1度殴ってもいいんだぞ」
「もー。キスだけなら我慢してあげるけどさ。えっちに自信あるわけ? 下手くそだったら、いいふらしちゃうよ?」
「はあ? 他のやつにいえるのかよ」
「おれのキャラだったら、男とえっちしても誰も驚かないと思うよ? むしろ大野の方が、世間的にどうなるかな~」
ここまでいってやると、ようやく大野はあきらめてくれた。
「おれ、行くね」
乱れた制服を整え、おれは部室を出た。
一ノ瀬先パイに、そう聞いた翌日。
午後の授業がめんどくさくて、部室でサボることにした。
ドアを開けてすぐ右。荷物が散乱してるように見えるが、実はかがんで垂れたシーツをめくれば、奥に隠しスペースがある。
オレが夏休みに作った場所だ。
古くて処分するといったマットを用務員のおじさんにもらって、昼寝ができるように作った。
昨日から、なんどもなんども反復して考えていることを、そこで寝ころんでまた考える。
ゆうと先パイは、まだおれのこと好き……?
おれたちは、やっぱりつきあってた?
そして、ふってしまった?
なんで?
答えが見つからないまま、時間だけが過ぎていく。
過ごしやすい気候の11月中旬の昼下がり、おれはそのままうとうと寝てしまった。
気づくと、大野がいた。
「お前、こんなとこでサボってんのかよ」
「あー、バレた? おはよぉ」
「オレもサボろうと思って来たら、音するからビビった」
「ごめん~」
「オレも寝る」
「2人は狭くて無理だよ、今何時? おれ起きるわ」
「いいから」
「えっ?」
大野は、おれの上に乗ってきた。
冗談かな、と思ったけど、目が笑ってなかった。
「お前、女みてぇ」
その一言に、全身が凍りついた。
どっち?
どっちで返せばいい?
「……おれとヤりたいの~?」
冗談ぽく返すことにした。
「そうだよ。キスしていい?」
「え~? やだよぉ」
あくまでも、おれは冗談で終わらせようとした。
「じゃあ無理やりするわ」
手首を掴まれ、拘束された。おなかには、おれよりずいぶんと体格のよい彼が体重を乗せていて、動けない。
「っ━━━!!」
おれは、驚いて声が出なくなった。
ゆっくりと顔が近づく。
唇が、ふれる。
かたく閉ざした唇に、大野は笑った。
「かたくなりすぎ。口あけて」
「……やだよ」
「殴ってもいいんだよ?」
「やめてよ……」
「じゃあ殴るな」
ガツンッ
「━━━ッ!!」
頬を殴られた。
いたくて、頬の骨がズキズキする。
「どうする?」
「わかった……大野、舌ちょうだい」
あきらめたおれは、大野に向けて舌を出した。
「はっ……」
大野はうれしそうに、舌を出してきた。
口の外で、舌と舌を絡めていく。唇がふれ、そのまま深いキスになった。
「ふぅっ━━━ぅっ」
乱暴なキスで、おれは呼吸ができない。手は自由になったが、頭を抑えられて顔の向きを変えることすらできない。
「ぅっ━━━」
「はぁっはぁっ」
やっと口を離してくれた。
大野の荒い息が顔にかかる。
「大野……」
「やべー、お前、まじ気持ちいいわ。このままヤっていい?」
「だめ~」
「なんだよ、もう1度殴ってもいいんだぞ」
「もー。キスだけなら我慢してあげるけどさ。えっちに自信あるわけ? 下手くそだったら、いいふらしちゃうよ?」
「はあ? 他のやつにいえるのかよ」
「おれのキャラだったら、男とえっちしても誰も驚かないと思うよ? むしろ大野の方が、世間的にどうなるかな~」
ここまでいってやると、ようやく大野はあきらめてくれた。
「おれ、行くね」
乱れた制服を整え、おれは部室を出た。
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