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8・依頼人①江崎葵
No.13のパソコンブース
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「亜矢子さん、すみません~」
「いいよ、ちょうど最後の客帰ったとこ。これ洗いながらでいい?」
「はい、手伝います」
cafeリコ、2階のカウンター。
今夜の2階担当は亜矢子さんで、1階は唯さんとさやかさん。
店長がいない日は珍しいので、今夜を逃すと亜矢子さんとゆっくり話せないと思い、強行突破した。
あとでケントさんと涼くんにめちゃくちゃ怒られるんだろうなと思い、少し憂うつになったが、致し方ない。
スマホ涼くんに取られちゃったし、もうしょうがないよね。バッグを玄関そばのゲストルームに置いてて良かった。
俺は芽生さんに連絡をとり、cafeリコのシフト表を送ってもらっていた。そのあと、スマホを取られcafeリコとの関わりも禁止されたので、今夜ここへ来ることにしたのだ。
ケントさんのうちからは、cafeリコ近くまでのバスがなかったのでだいぶ歩くことになったが、閉店間際に着いて逆に良かったかもしれない。
「実は亜矢子さん、俺、保護者にバイト辞めるように言われて」
「あー、やっぱり。そうだよね」
「すみません……体調なかなか戻らなくて。それで、店長に話す前に、亜矢子さんに状況聞きたくて。もしあれだったら少しの間続けようかなあと」
「うーん、そうだね、ちょっと土曜が厳しいけど、まあ店長が毎日来ればいい話だな」
「わあーやっぱキツイですよね」
「いいよ、いいよ。いつも2階でサボってるんだし」
「じゃあ、辞める方向で今度話しに来ます」
「うん。でも残念だな」
「俺も、cafeリコ好きだったから、辞めたくなかったです。……でも、辞める前に亜矢子さんときちんと話しておきたくて。山元さんのこと、もう1度聞いていいですか?」
ピク、と亜矢子さんが反応した。
「……しょうがないなあ、なに?」
手をペーパータオルで拭き、俺の方に身体を向けて片手をカウンターについた。
「本当は、店長が殺したんですか?」
「━━━ッ!!」
「あの日、動画が送られてきたんです。それを忘れてて。あー、なんていうかな、昨日、見たんです」
「動画……はぁ……」
亜矢子さんは右手をこめかみにあて、少しうつむいた。
「亜矢子さんも、あの動画見たんですよね?」
「……ちょっと待って。ここ閉めてから、裏で話そう」
そう言い、亜矢子さんは電子機器のスイッチを消しに行った。
唯さんとさやかさんは先に帰り、2人きりになった。
1階に降りて、休憩用の椅子に向かい合って腰かける。亜矢子さんは、少しずつ本当のことを話してくれた。
「ほんとは、千尋くんが山元さんのうちに行った。乃愛ちゃんが4月に入って挨拶に来てくれたとき、インスタのこと聞いたって言ったでしょ。その話を、千尋くんにしたの。そしたら、翌日の大雨の日、山元さんのうちに行ってノートを取り返してくれた。でも、殺すなんて……」
亜矢子さんは静かに涙を流していた。
「俺、亜矢子さんはずっと山元さんのこと恨んでると思ってました。でも違いますよね? 今日のメールも、なんだか店長のやり方に不満があるような書き方だったので……店長のこと、怒ってるんですか?」
ケントさんちのお風呂で、亜矢子さんから来たライン。
涼くんには返事待ち、と伝えたが、本当はもう来ていた。今朝亜矢子さんに連絡を取り、パソコンブースの件を質問していたので、風呂場ではその返事を見たのだ。
パソコンブースは、全店舗ではないけどほとんどが昨年春から夏にかけて改装され造られたという。しかも、1つだけあまり防犯カメラに映らないように。
「うちはNo.13のパソコンのところ。あまねくん、2階の担当した時不思議がってたよね」
「そうですね。なんか色々不思議だな、って思ってました。採算とれないだろうな~とか」
2階は基本的にパソコンを使う客が来るので、滞在時間が長い。そのため、コーヒー1杯と低価格のパソコン使用料では人件費まかなえないと思っていた。だからほとんど店長が1人で2階を担当していたのかなと。
「たぶんだけど……合成麻薬をあのブースで売ってる。ほら、店長って雑でしょ。1回隠し忘れてたのを見たんだ。店長しか鍵を持ってない、コーヒー豆の保管庫。私が代わりに取りに行ったときね、樽が開いてて、違うものが詰められてた。cafeリコだけじゃなくて、会社全体がそれをしてる。店長がいつも2階を担当していたのは、あのNo.13のブースで麻薬の販売をしていたから」
No.13のパソコンは『蠱毒』に感染する上、合成麻薬の販売場所ということか。
「亜矢子さんはそういうことしてる店長を怒ってるんですね。でも山元さんから大事なノートを取り返してくれたから、強く言えない……亜矢子さん、No.13のパソコン使ったことありますよね?」
「一番最初に受けた説明の時、確か使ったよ」
発現条件はそろってる。
やはり、強い殺意(怒り)を抱いてNo.13のパソコンを使うと『もや』が発現する。
これが『蠱毒』。
そして消失条件は、
怒りの矛先を確定すること。
俺の左手の甲に触れること。
亜矢子さんの怒りの矛先は店長。
それを指摘したから、亜矢子さんの上半身をずっとまとっていた『もや』は、今薄くなってきていた。
やがて消えるだろう。
甲に触れたのがずいぶん前でも、矛先を確定できれば消えるようだ。
店長は『もや』がないので、今度また夜に会いに来ることにした。
まあ殺されることはないでしょ。
ほとんど全世界の店にパソコンブースを設置したのは、『蠱毒』を発現させることと合成麻薬の密売。
亜矢子さんのように『蠱毒』が発現していても誰も殺していない(たぶん)のを考えると、ウイルスのようなのかもしれない。保有していても、発症しないというような。
問題は、人から人へ感染するのか。
『もや』は爆発的に増えていないのをみるとパソコンを使わなければ感染はないように思えるが。いかんせん未知のものなのでわからないな。
俺にできそうだったら勇者するけど。こうやって地道に活動するだけでいいのなら。
ケントさんと涼くんは、俺になにか隠している。
行動を監視するだけじゃなくて、制限しようとしてきた。
これって、本当に俺のためなのかな。
俺を快楽に溺れさせて、ぬるぬると生かそうとすることが、本当に仲間のすることかな。
俺が勇者なら、きっとケントさんは魔法使いとか賢者で、涼くんは盗賊とか旅芸人だ。
勇者の行動を阻む、そんなパーティー普通いない。
ケントさんと涼くんは、俺にとって麻薬だ。
俺を堕落させて、ぬるま湯に浸からせるのが仲間なわけない。
人生のドン底であがいていた俺を、ケントさんは助けてくれた。それは感謝している。
でも、人がなにかしらの使命を全うしないまま過ごすなんて、それって俺は生きているって言えるのかな。
母親の無理心中を思い出して辛かった。
でも、ケントさんのおかげで壊れずにすんだ。
でも、今度はそのケントさんが他の奈落へと落とそうとしている。
そう思った瞬間、コップの水がこぼれだした。
表面張力でギリギリあふれずにいた、俺の心。
俺のすべてを押さえ込もうとした2人に気づいた瞬間、縁をつたって心のコップからあふれてきたのだ。
俺は別の意味で壊れた。
「亜矢子さん、やっぱり、俺バイト続けます」
「いいよ、ちょうど最後の客帰ったとこ。これ洗いながらでいい?」
「はい、手伝います」
cafeリコ、2階のカウンター。
今夜の2階担当は亜矢子さんで、1階は唯さんとさやかさん。
店長がいない日は珍しいので、今夜を逃すと亜矢子さんとゆっくり話せないと思い、強行突破した。
あとでケントさんと涼くんにめちゃくちゃ怒られるんだろうなと思い、少し憂うつになったが、致し方ない。
スマホ涼くんに取られちゃったし、もうしょうがないよね。バッグを玄関そばのゲストルームに置いてて良かった。
俺は芽生さんに連絡をとり、cafeリコのシフト表を送ってもらっていた。そのあと、スマホを取られcafeリコとの関わりも禁止されたので、今夜ここへ来ることにしたのだ。
ケントさんのうちからは、cafeリコ近くまでのバスがなかったのでだいぶ歩くことになったが、閉店間際に着いて逆に良かったかもしれない。
「実は亜矢子さん、俺、保護者にバイト辞めるように言われて」
「あー、やっぱり。そうだよね」
「すみません……体調なかなか戻らなくて。それで、店長に話す前に、亜矢子さんに状況聞きたくて。もしあれだったら少しの間続けようかなあと」
「うーん、そうだね、ちょっと土曜が厳しいけど、まあ店長が毎日来ればいい話だな」
「わあーやっぱキツイですよね」
「いいよ、いいよ。いつも2階でサボってるんだし」
「じゃあ、辞める方向で今度話しに来ます」
「うん。でも残念だな」
「俺も、cafeリコ好きだったから、辞めたくなかったです。……でも、辞める前に亜矢子さんときちんと話しておきたくて。山元さんのこと、もう1度聞いていいですか?」
ピク、と亜矢子さんが反応した。
「……しょうがないなあ、なに?」
手をペーパータオルで拭き、俺の方に身体を向けて片手をカウンターについた。
「本当は、店長が殺したんですか?」
「━━━ッ!!」
「あの日、動画が送られてきたんです。それを忘れてて。あー、なんていうかな、昨日、見たんです」
「動画……はぁ……」
亜矢子さんは右手をこめかみにあて、少しうつむいた。
「亜矢子さんも、あの動画見たんですよね?」
「……ちょっと待って。ここ閉めてから、裏で話そう」
そう言い、亜矢子さんは電子機器のスイッチを消しに行った。
唯さんとさやかさんは先に帰り、2人きりになった。
1階に降りて、休憩用の椅子に向かい合って腰かける。亜矢子さんは、少しずつ本当のことを話してくれた。
「ほんとは、千尋くんが山元さんのうちに行った。乃愛ちゃんが4月に入って挨拶に来てくれたとき、インスタのこと聞いたって言ったでしょ。その話を、千尋くんにしたの。そしたら、翌日の大雨の日、山元さんのうちに行ってノートを取り返してくれた。でも、殺すなんて……」
亜矢子さんは静かに涙を流していた。
「俺、亜矢子さんはずっと山元さんのこと恨んでると思ってました。でも違いますよね? 今日のメールも、なんだか店長のやり方に不満があるような書き方だったので……店長のこと、怒ってるんですか?」
ケントさんちのお風呂で、亜矢子さんから来たライン。
涼くんには返事待ち、と伝えたが、本当はもう来ていた。今朝亜矢子さんに連絡を取り、パソコンブースの件を質問していたので、風呂場ではその返事を見たのだ。
パソコンブースは、全店舗ではないけどほとんどが昨年春から夏にかけて改装され造られたという。しかも、1つだけあまり防犯カメラに映らないように。
「うちはNo.13のパソコンのところ。あまねくん、2階の担当した時不思議がってたよね」
「そうですね。なんか色々不思議だな、って思ってました。採算とれないだろうな~とか」
2階は基本的にパソコンを使う客が来るので、滞在時間が長い。そのため、コーヒー1杯と低価格のパソコン使用料では人件費まかなえないと思っていた。だからほとんど店長が1人で2階を担当していたのかなと。
「たぶんだけど……合成麻薬をあのブースで売ってる。ほら、店長って雑でしょ。1回隠し忘れてたのを見たんだ。店長しか鍵を持ってない、コーヒー豆の保管庫。私が代わりに取りに行ったときね、樽が開いてて、違うものが詰められてた。cafeリコだけじゃなくて、会社全体がそれをしてる。店長がいつも2階を担当していたのは、あのNo.13のブースで麻薬の販売をしていたから」
No.13のパソコンは『蠱毒』に感染する上、合成麻薬の販売場所ということか。
「亜矢子さんはそういうことしてる店長を怒ってるんですね。でも山元さんから大事なノートを取り返してくれたから、強く言えない……亜矢子さん、No.13のパソコン使ったことありますよね?」
「一番最初に受けた説明の時、確か使ったよ」
発現条件はそろってる。
やはり、強い殺意(怒り)を抱いてNo.13のパソコンを使うと『もや』が発現する。
これが『蠱毒』。
そして消失条件は、
怒りの矛先を確定すること。
俺の左手の甲に触れること。
亜矢子さんの怒りの矛先は店長。
それを指摘したから、亜矢子さんの上半身をずっとまとっていた『もや』は、今薄くなってきていた。
やがて消えるだろう。
甲に触れたのがずいぶん前でも、矛先を確定できれば消えるようだ。
店長は『もや』がないので、今度また夜に会いに来ることにした。
まあ殺されることはないでしょ。
ほとんど全世界の店にパソコンブースを設置したのは、『蠱毒』を発現させることと合成麻薬の密売。
亜矢子さんのように『蠱毒』が発現していても誰も殺していない(たぶん)のを考えると、ウイルスのようなのかもしれない。保有していても、発症しないというような。
問題は、人から人へ感染するのか。
『もや』は爆発的に増えていないのをみるとパソコンを使わなければ感染はないように思えるが。いかんせん未知のものなのでわからないな。
俺にできそうだったら勇者するけど。こうやって地道に活動するだけでいいのなら。
ケントさんと涼くんは、俺になにか隠している。
行動を監視するだけじゃなくて、制限しようとしてきた。
これって、本当に俺のためなのかな。
俺を快楽に溺れさせて、ぬるぬると生かそうとすることが、本当に仲間のすることかな。
俺が勇者なら、きっとケントさんは魔法使いとか賢者で、涼くんは盗賊とか旅芸人だ。
勇者の行動を阻む、そんなパーティー普通いない。
ケントさんと涼くんは、俺にとって麻薬だ。
俺を堕落させて、ぬるま湯に浸からせるのが仲間なわけない。
人生のドン底であがいていた俺を、ケントさんは助けてくれた。それは感謝している。
でも、人がなにかしらの使命を全うしないまま過ごすなんて、それって俺は生きているって言えるのかな。
母親の無理心中を思い出して辛かった。
でも、ケントさんのおかげで壊れずにすんだ。
でも、今度はそのケントさんが他の奈落へと落とそうとしている。
そう思った瞬間、コップの水がこぼれだした。
表面張力でギリギリあふれずにいた、俺の心。
俺のすべてを押さえ込もうとした2人に気づいた瞬間、縁をつたって心のコップからあふれてきたのだ。
俺は別の意味で壊れた。
「亜矢子さん、やっぱり、俺バイト続けます」
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