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偶然か…!?

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クロードとシルグランドを騎士団に放り込んだ後…2人が居ない間だけ、ジルベールが俺の側近としていた。

流石…筆頭公爵家カストリアの嫡男だ。
あの2人には悪いが思考能力、判断力、手際の良さ…有能過ぎる程だな。


「ジルベール兄様、迎えの馬車が来ましたけど…終わりまして?」

フェリシアが来た。
これも、ジルベールが俺の側近である間だけの役得だな…

「あぁ、あと少しで終わるよ。 殿下、中で待たせても宜しいですか?」

「勿論、構わないさ」

「フェリシア、ゲイル」

クィンが手招きして2人を呼んだ。

「今お茶を淹れるから、ここで少し待ってて」

「あら、お茶なら自分で淹れますわ…」

「僕がフェリシアに淹れてあげたいんだ…座ってて」

「ありがとうございます」


早く終わってやりたいが、フェリシアが居るこの時間を出来るだけ長く堪能しても居たい…

「殿下…ペースが遅くなってますよ」

「っ! 悪い…」

ジルベールに指摘された。 バレバレかよ…

教員に提出する書類にサインをしていると誰かが来た様で、部屋の扉をノックする音が聞こえた。

「失礼します。こちらにトリスタン・アヴァインはりますでしょうか」

「あら、スザンヌ様…どうしたの?」

「あ、フェリシア様……トリスタンを探しているのですけど、授業が終わってから姿を見掛けなくて…」

「そういえば、僕も見てないな…スザンヌ嬢、ここには来てないよ」

「そうですか…一体何処へ…」

「トリスタンが来たら君が探していたと伝えるよ」

「ありがとうございます、クィンザ殿下。 どこかで行き違ったのかも知れませんね…私はもう一度園内を探してみますわ」

書類にサインをしながら、フェリシア達の会話を何気なく聞いていた…
ふ、とよぎったのは、騎士団に放り込んだあの2人。

2人が姿を消す時、どこに居たと言っていた?

「…スザンヌ嬢。 図書室は見たか?」

「あ、いえ。 見ておりませんわ」

「クロード達が居なくなる時は、図書室に居る事が多かったそうだ」

「そうなんですの? では別棟の方に行ってみますわ。 失礼します」


スザンヌ嬢が出て行った後、ジルベールが話しかけて来た。

「ヴェルド殿下…。 トリスタンまでが彼女に、と?」

「分からん…が、ふと、そんな気がしてな…」

「あの2人は一緒に居る事が多いから偶々たまたまとしても、トリスタンまでもがとなると…偶然とは言えませんね」

「確認した方が良さそうだな…」



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