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アルフォード・ミランダル

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(この国に居られるのも、後1年か…)

留学は、王立学園を卒業するまで…という約束で俺はここに来た。

ここの教育は、魔力制御にけていると有名だ…
俺はミランダル王国の第2王子で、向こうでは10歳で魔力検査をする。

俺に内包する魔力は多かった…多過ぎたゆえに両親や兄からも離された。

10歳から離宮に幽閉された俺は、6年間…家族に会う事すらはばまれた。

同年代の貴族の子供達が、次々と魔法を覚えて行く…

俺は……魔力の暴走を恐れた大人達の思惑によって、この学園に放り込まれたんだ…


『フェザクールの王立学園を卒業し、完璧な魔力制御が出来る様になれば帰って来るが良い』


これが、6年振りに会った父から告げられた言葉だ。

(何だよ…それ…。制御出来なきゃ帰って来るなって事かよ…)


この学園に入ってからもう、2年が経つ…

魔力制御は…10歳の時から出来ていたんだ!

ここで教わった事は、幼い頃から俺がやっていた事と同じだった。

(だが、卒業して国へ帰ってどうなる…?)

制御が出来る様になったと言って帰ったとしても、1度いだいた恐れは簡単に消えないだろう…

(魔法を教われる可能性は低いだろうな…)

このまま国へ帰ったとしても、この多過ぎる魔力を恐れて魔法を教えられないまま、また離宮に閉じ込められて終わりだ…

(王立魔法学院か……確か、ジルベールが行くと言っていたな…)

ジルベールは、この学園で親しくなった男だ。
俺は今まで…他人と接した事があまり無い…幽閉されていたからな…

高位貴族であり筆頭公爵家の嫡男だから、隣国の第2王子である俺に気をつかったのだろう。

何度も話しかけて来て、今では名前で呼び合う仲にまでなった。

俺にとっては、初めて出来た友人だ…

(あいつが行くなら俺も行ってみようか…)

どうせこのまま卒業して戻っても、俺に未来は無い。
10歳以前の記憶などほとんど無いし、母や兄の顔も覚えていない。
だから愛国心も、家族への愛情も無い。

(魔法学院へ行って、友人の居るこの国の為に働くのもいいかもな…)

自国に戻るより、この国に居た方が将来の事を考えられる。


友人と言えば、最近よく見掛ける…インジャスタ男爵令嬢…

俺は30~40代の侍女としか、異性と真面まともに話した事が無いんだが…彼女との距離感が掴めなくて困ってる…

先日、ジルベールに距離が近いと注意を受けたが…物理的な距離か?

18にもなってこれは、流石に聞きにくい…

対外的に見ると俺が王族だからか…?

しかし、彼方あちらから近付いて来るんだ…どうやってかわすのかが分からない。

それに…あの令嬢が近くへ来ると、何故か気分が高揚こうようする…

会う度に幸福感が増して行く様な…そんな気がする。


他人に慣れていない所為せいかもしれないが…



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