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違和感
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王立学園に入学してから1週間経ちました。
今日、やっと皆の予定が空いて授業の後でサロンを使います。
殿下方が同席するので、王族用のサロンでお茶会なのです。
「学年が違うから、中々予定が合わなかったが…やっと皆とゆっくり話せるな」
「あと来てないのはクロードですね…ヴェル兄様の近くに居ないのは珍しいですが、シルグランドは何か聞いていますか?」
「いえ、自分も探したのですが…」と、シルグランドがそう言って、クリスティアナの方を見ている。
「私が何か…?」
視線に気付いてクリスティアナが問い掛けるも…
「…いえ。何でもありません…」
―――シルグランドside―――
俺は最近ある事で悩んでいる…
「クロード様ぁ、こんにちは。 今日もこちらに来ていたんですね~」
「あぁ、アリエル嬢。 君も調べものかい?」
「ええ。この学園の図書室は色々な資料が揃っていますからぁ」
「君も大変だね…急に御父上に引き取られたと聞いたよ」
「そうなんですぅ…まだ貴族の事分からなくって…」
結局…この間のお茶会の時、クロードは終わり頃顔を出しただけで…婚約者であるクリスティアナ嬢に声も掛けず、さっさと帰ってしまった。
(幼馴染だったと聞いていたのだが……それに…)
「シルグランド様! 何時の間に来てたんですかぁ?」
アリエル嬢が俺に気付いて駆け寄って来るが…
「こっちに来て下さい。 3人で一緒に勉強しましょう!?」
俺の腕に抱き付いてクロードの方へ連れて行こうとする。
「アリエル嬢っ…手を放して下さい…」
「どぉしてそんな冷たい事言うんですかぁ…」
目を潤ませて此方を見上げて来る……
(彼女にこれをされると頭痛が酷くなるのだが…)
だがその後で、不思議と彼女の言う通りにしたくなってくるんだ。
「ね…? 早く行きましょう?」
「あぁ…そうだな…」
―――クロードside―――
「シルグランド…?」
何故ここにシルグランドが?……いや…俺を探しに来た、のか…?
「それじゃあ、私と一緒に3人で勉強しましょうか」
「っ!? ぐ……」
(何だ…? 頭が…)
「そう、だな…そうしよう…」
―――アリエルside―――
何なの? 私の魅了魔法がこんなに効き難いなんて…
それに…悪役令嬢が何でいきなり銀髪に変わってんのよ!?
前回も、ゲームにも、絶対居なかった男がいつも傍に居るし…
悪役令嬢を処刑して8歳に戻ったから、隠れキャラでも出て来たって訳?
王子2人に隙が無いから、この側近達から攻略しようとしてんのに。
前は殆ど操ってたから気にならなかったけど、何で皆ゲーム通り動かないのよ! おかげで幾つかイベント流れちゃってるし…
とにかく、この側近達を魅了で私の味方にしなきゃ始まんないわ…
「それじゃ、また3人でここに集まりましょうね」
こうなったら時間が掛かってもいいから、回数で勝負よ! 魅了にさえ掛かれば、私の言葉に従うしかなくなるんだから。
今日、やっと皆の予定が空いて授業の後でサロンを使います。
殿下方が同席するので、王族用のサロンでお茶会なのです。
「学年が違うから、中々予定が合わなかったが…やっと皆とゆっくり話せるな」
「あと来てないのはクロードですね…ヴェル兄様の近くに居ないのは珍しいですが、シルグランドは何か聞いていますか?」
「いえ、自分も探したのですが…」と、シルグランドがそう言って、クリスティアナの方を見ている。
「私が何か…?」
視線に気付いてクリスティアナが問い掛けるも…
「…いえ。何でもありません…」
―――シルグランドside―――
俺は最近ある事で悩んでいる…
「クロード様ぁ、こんにちは。 今日もこちらに来ていたんですね~」
「あぁ、アリエル嬢。 君も調べものかい?」
「ええ。この学園の図書室は色々な資料が揃っていますからぁ」
「君も大変だね…急に御父上に引き取られたと聞いたよ」
「そうなんですぅ…まだ貴族の事分からなくって…」
結局…この間のお茶会の時、クロードは終わり頃顔を出しただけで…婚約者であるクリスティアナ嬢に声も掛けず、さっさと帰ってしまった。
(幼馴染だったと聞いていたのだが……それに…)
「シルグランド様! 何時の間に来てたんですかぁ?」
アリエル嬢が俺に気付いて駆け寄って来るが…
「こっちに来て下さい。 3人で一緒に勉強しましょう!?」
俺の腕に抱き付いてクロードの方へ連れて行こうとする。
「アリエル嬢っ…手を放して下さい…」
「どぉしてそんな冷たい事言うんですかぁ…」
目を潤ませて此方を見上げて来る……
(彼女にこれをされると頭痛が酷くなるのだが…)
だがその後で、不思議と彼女の言う通りにしたくなってくるんだ。
「ね…? 早く行きましょう?」
「あぁ…そうだな…」
―――クロードside―――
「シルグランド…?」
何故ここにシルグランドが?……いや…俺を探しに来た、のか…?
「それじゃあ、私と一緒に3人で勉強しましょうか」
「っ!? ぐ……」
(何だ…? 頭が…)
「そう、だな…そうしよう…」
―――アリエルside―――
何なの? 私の魅了魔法がこんなに効き難いなんて…
それに…悪役令嬢が何でいきなり銀髪に変わってんのよ!?
前回も、ゲームにも、絶対居なかった男がいつも傍に居るし…
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王子2人に隙が無いから、この側近達から攻略しようとしてんのに。
前は殆ど操ってたから気にならなかったけど、何で皆ゲーム通り動かないのよ! おかげで幾つかイベント流れちゃってるし…
とにかく、この側近達を魅了で私の味方にしなきゃ始まんないわ…
「それじゃ、また3人でここに集まりましょうね」
こうなったら時間が掛かってもいいから、回数で勝負よ! 魅了にさえ掛かれば、私の言葉に従うしかなくなるんだから。
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