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第122話:土下座
しおりを挟む「【鑑定】って、幻のスキルといわれている?」
愛那は先程から思考が追いつかないのか、どこかぼんやりとしながらライツとの会話を続けていた。
「そう。相手の能力などを文字化して知ることができるスキルだ」
(・・・・・・はい、知ってます。私がこの世界で一人になった時、すごく欲しかったスキルだもの)
あの時は、ステータスがわかれば、自分に何が出来るかがわかると思っていた。
(あ、そうか。だから・・・・・・)
「だから、さっき私が使える魔法のことを知っていたんですね?」
「あぁ。初めて鑑定した時と違って、マナの使える魔法が増えていたから・・・・・・」
どこか気まずげなライツの表情を見て、愛那は首を傾げる。
(どうしたんだろう? それよりそれって、諦めてた私のステータスを知ることが出来るってことだよね? ぜひ! ぜひ教えて欲しい!)
と、テンションが上がった愛那だったが(いやいや)と首を振って思い直す。
それよりも今、大事な話の途中だった。
(えっと、あれ? ということは何? その鑑定で称号のこともわかるってことよね。・・・・・・・・・・・・じゃあ本当に? 私の運命の恋人って、あの王太子じゃなく、ライツ様だってこと!?)
衝撃を受けたかのように身体を硬直させた愛那。
その愛那の頭の中が急激に回転し始めた。
「マナ?」
心配するライツにも気づかぬ様子で、だんだん青い顔になりながら思考し続ける愛那。
しばらくして、愛那のその身体がフラッと揺れた。
そしてその次の瞬間「大変、申し訳ありませんでした──!!」と声を上げ、祭壇に向かって土下座をする愛那の姿があった。
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