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第65話:話の整理をさせていただきたい。
しおりを挟む「マナ様申し訳ありません。驚いてしまい・・・・・・。話の整理をさせていただきたいのですが」
ナチェルへ顔を向けた愛那が「はい」と頷く。
「マナ様は昨日、城の神殿で行われた異世界召喚によってこちらの世界に来られた」
愛那が頷く。
「そこで神託が下され神官長によって伝えられた。それがマナ様とレディル王太子が【運命の恋人】同士であり、二人の力を合わせれば魔物を討伐することは容易いという内容だった」
愛那がまた頷き、口を開く。
「だけどあの人は愛する婚約者がいるからと、ひどく私のことを嫌がっていました。婚約破棄など絶対にしないと言って・・・・・・」
ナチェルとモランには、そう言うだろうレディルを易々と想像ができて何ともいえない表情をする。
しかし、だからといって・・・・・・。
「それで、レディル殿下が救世主であるマナ様に対し、暴言を?」
愛那が口を閉ざす。
なので暴言の内容はわからない。
だがそれが愛那を傷つけ、レディルに対して激怒しているのだと、二人は理解した。
「その後あそこにいた全員が嫌がる王太子を説得しようと騒ぎになったんです。あの時私、召喚されてから誰からも一言も声をかけられないまま無視され続けていたので、いいかげん腹が立って」
「ですよね」
モランがそう相づちを打つ。
(何やってんだあの王太子は・・・・・・)
「私が逃げ出したら困るだろうな、と思って。透明人間になって逃げ出せたらいいなって思ったら、出来ちゃったので、そのまま逃げました」
そこでようやく愛那が「えへへ」と笑顔を見せた。
「で、できちゃいましたか」
「マナ様・・・・・・」
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