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第60話:そっくりなんです!
しおりを挟む(お好きなのでしょうか? というのはもしかしなくても私がライツ様のことを好きなのでしょうか? ということでしょうか?)
愛那の頭の中でぐるぐるその問いが回る。
「好き、好き? うん。はい。好きですよ? だって、ライツ様、優しいし、かっこいいし、素敵だし。えっと・・・・・・それに、あの声は卑怯だし」
そこでナチェルとモランが「え?」と首を傾げる。
「卑怯・・・・・・ですか?」
「ライツ様の声が?」
「えっと、あの・・・・・・実は、ライツ様の声って、びっくりするくらい、私の大好きな人とそっくりなんです!」
思い切って愛那が告白した内容は、それを聞いた二人の表情を真顔で固まらせた。
「私の初恋の人なんです」
「えへへ」と照れながら笑う愛那は、目の前の二人の青ざめた表情に気づいていない。
(どうする?)
(まさかの展開だ)
(絶対ライツ様はマナさまのこと本気だぞ)
(マナ様の態度からマナ様もライツ様のことをお好きなのだろうと思っていたのだが)
(好きな人と声がそっくりって・・・・・・)
(ライツ様の恋は前途多難だな・・・・・・)
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