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第十九章 切札編
第九十七話 集中
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「………」
「ん?君は香歩の彼氏の黎君だね。夜遅くにこんな所で出会うなんて奇遇だね。」
「ええ、奇遇ですね。ところで…」
「バコッッッ!!!」
「グシャッ!グシャッ!グシャッ!グシャッ!グシャッ!グシャッ!グシャッ!グシャッ!グシャッ!」
「これで形勢逆転ですね。」
「ドカッッッ!!!」
……………
「あんっ♡あんっ♡」
昼間に菱沼がお嬢の部屋の前を通るとお嬢の喘ぎ声が聞こえる。
「お嬢様、また今日も…!ここのところ毎日ですね…!しかも長時間…!凄まじい体力です…。それしても…」
菱沼が足をモジモジし始め顔を赤らめる。
「そんなに…気持ちいいのでしょうか…?」
「晶ちゃん♡おっはよ~♡」
「も、も、も、萌美ちゃん!?お、おはよう!?」
「どうしたの?そんなに顔赤くして?」
「べ、べ、べ、べ、別に何でもないよ!?」
「あ~♡さては~♡」
「ちょっ…!どこ触って…!?」
「お嬢様の声聞いて想像してるけど、自分は殿方がいなくて寂しいんでしょ?♡」
「そ、そんなことないよ!?そ…そういう萌美ちゃんはどうなの!?」
「萌美は黎様のこと想像して1人でしてるよ♡晶ちゃんに気づかれないようにね♡」
「えーーー!?どこから突っ込んでいいか分からないけど、カミングアウトがド直球すぎるし、そもそも黎様のこと好きだったの!?」
「そりゃ皆好きでしょ♡」
「ダメだよ萌美ちゃん!黎様はお嬢様の…」
「わかってるよ♡でも想像するのは自由でしょ?♡萌美の暗号に真っ先に気づいてくれたのも黎様って聞いて、あんな王子様みたいな人他にいないよ?♡晶ちゃんも本当はそう思ってるんじないの?♡」
「わ、私は…。」
菱沼は南グループを破門にされそうになった時お嬢に何度も頭を下げていた黎のことや、いつも非戦闘員である自分の安全を優先して動いてくれる黎のことを思い出してつい顔が赤くなってしまった。
「た、確かに黎様は…すごく思いやりがあって、かっこいいなって思うけど…」
「ほらほら~♡ちゃんと素直になりなって~♡」
「でも!黎様はお嬢様の…」
「一体なんの騒ぎだ?」
「ボク…まだ眠かった…。」
楓と紅葉が部屋から出てきた。
「ご…!ごめんなさい!お2人とも!お休みのところうるさくしてしまって…!」
「いや、気にするな。もうとっくに昼だしコイツが寝すぎなだけだ。」
「ボク…ロングスリーパー…ムニュムニュ…。」
「あの~♡お2人は黎様のことをどう思ってますか~?♡」
「黎のことか?かっこいいに決まっているだろ。あれはモテるぞ。オレのを差し出してやってもいいぐらいだ。」
「ちょっ…!?」
「ボクもお姉様と同じだよ。お嬢様っていつも黎といると幸せそうな顔してるし、花梨お姉様の一番厳重なセキュリティでロックされたファイルの記録によれば相当気持ちよくてハマっちゃうらしいよ。ボクも体験してみたい。」
「え………えーーーーーーーーー!!!!?」
するとお嬢の部屋からお嬢の喘ぎ声が止んだ。
そしてYシャツだけ着て下は下着しか履いていないお嬢が部屋から飛び出してきた。
「ちょっと!?皆どうしたの!?一体なんの騒ぎ!?」
「お、お嬢様!?も…申し訳ありません?と言いますか…いつもの黒のスカートはどうされたのですか!?」
「あまりにも部屋の前が騒がしいから何事かと思って慌てて出てきたのよ!!」
すると部屋の外にいた女舎弟達がお嬢の部屋の中に上半身が裸の黎の姿が視界に入った。
そして黎は服を着た。
女舎弟達の目には一瞬しか映らなかったが細身でありながらも筋肉のラインがあり、腹筋は左右非対称で六つに割れていた。
「す…素敵…!」
菱沼が顔を赤らめ思わず声を漏らした。
「え?晶ちゃん?」
「今黎様のことについてどう思うか皆で話し合ってたんですよ~♡」
「さすがはお嬢の彼氏だな。」
「正直…うらやましい…。」
「え?え?え?え?え?ちょっと皆?どういうこと?どういうこと?」
「ここの皆さんは黎様に気があるということで満場一致したんですよ♡」
「………」
「バタン。カチャッ。」
お嬢が部屋の扉と鍵を閉めた。
「コラーーーーーッッッ!!!黎ーーーーーッッッ!!!あなたいつの間に浮気してたのよーーーーーッッッ!!!!?」
部屋の中からのお嬢の叫び声が部屋の前まで響き渡る。
「え?してませんよ?俺の記憶共有して…」
「パシンッッッ!!!ドカーーーーーンッッッ!!!」
平手打ちの音と壁にぶち当たる音が部屋の前まで響き渡る。
「やっぱり黎は他の女の子に目移りして!!」
「お…お嬢…ご…誤解…です…。」
「黎!!今日1日私の部屋から出ちゃだめよ!!」
「どうして…ですか…。」
「だめって言ったらだめなの!!わかった!?返事は!?」
「は…はい…。」
部屋の外ではお嬢の声だけが聞こえていた。
そしてお嬢はスカートを履いて部屋を出てきた。
そして女舎弟達を1人ずつ睨みつける。
「むーーーっ!!!」
お嬢はすごく怒っている。
「あの…お嬢さ…」
「なによ!?」
「ひぃ…!ごめんなさい…!」
お嬢は屋敷の広間の玄関へと向かう。
「バタンッッッ!!!」
お嬢は怒りながら屋敷を出て何処かへ行ってしまった。
「ちょっと…!萌美ちゃん!お嬢様すごく怒ってるよ!」
「う~んそれだけ黎様に一途ってことだね♡」
「ポジティブで楽観的すぎる…これからどうするつもり!?」
「心配しなくても大丈夫だ。お嬢は黎が好きだから直ぐに帰って…」
「バタンッッッ!!!」
お嬢が戻ってきた。
しかしさっきのように怒っているわけではなくむしろ悲しそうだった。
「………」
しばらくお嬢が黙って俯いていた。
そして突然、
「やっぱり黎がいないとさー!みー!しー!いー!!!!」
と泣き叫びながら自分の部屋に駆け込んで行った。
「予想より相当早く帰ってきたね。ていうかほとんど外出てないじゃん。」
「黎ーーーーーっっっ…どうして浮気しちゃったのーーーーーっっっ?ねぇーーーーーっ!!!!?」
「なんか…お嬢様…可愛いですね。」
菱沼がそう呟いた矢先に、
「バタンッッッ!」
と屋敷の玄関が開く音がした。
「客人か?」
次回 第九十八話 疑惑
「ん?君は香歩の彼氏の黎君だね。夜遅くにこんな所で出会うなんて奇遇だね。」
「ええ、奇遇ですね。ところで…」
「バコッッッ!!!」
「グシャッ!グシャッ!グシャッ!グシャッ!グシャッ!グシャッ!グシャッ!グシャッ!グシャッ!」
「これで形勢逆転ですね。」
「ドカッッッ!!!」
……………
「あんっ♡あんっ♡」
昼間に菱沼がお嬢の部屋の前を通るとお嬢の喘ぎ声が聞こえる。
「お嬢様、また今日も…!ここのところ毎日ですね…!しかも長時間…!凄まじい体力です…。それしても…」
菱沼が足をモジモジし始め顔を赤らめる。
「そんなに…気持ちいいのでしょうか…?」
「晶ちゃん♡おっはよ~♡」
「も、も、も、萌美ちゃん!?お、おはよう!?」
「どうしたの?そんなに顔赤くして?」
「べ、べ、べ、べ、別に何でもないよ!?」
「あ~♡さては~♡」
「ちょっ…!どこ触って…!?」
「お嬢様の声聞いて想像してるけど、自分は殿方がいなくて寂しいんでしょ?♡」
「そ、そんなことないよ!?そ…そういう萌美ちゃんはどうなの!?」
「萌美は黎様のこと想像して1人でしてるよ♡晶ちゃんに気づかれないようにね♡」
「えーーー!?どこから突っ込んでいいか分からないけど、カミングアウトがド直球すぎるし、そもそも黎様のこと好きだったの!?」
「そりゃ皆好きでしょ♡」
「ダメだよ萌美ちゃん!黎様はお嬢様の…」
「わかってるよ♡でも想像するのは自由でしょ?♡萌美の暗号に真っ先に気づいてくれたのも黎様って聞いて、あんな王子様みたいな人他にいないよ?♡晶ちゃんも本当はそう思ってるんじないの?♡」
「わ、私は…。」
菱沼は南グループを破門にされそうになった時お嬢に何度も頭を下げていた黎のことや、いつも非戦闘員である自分の安全を優先して動いてくれる黎のことを思い出してつい顔が赤くなってしまった。
「た、確かに黎様は…すごく思いやりがあって、かっこいいなって思うけど…」
「ほらほら~♡ちゃんと素直になりなって~♡」
「でも!黎様はお嬢様の…」
「一体なんの騒ぎだ?」
「ボク…まだ眠かった…。」
楓と紅葉が部屋から出てきた。
「ご…!ごめんなさい!お2人とも!お休みのところうるさくしてしまって…!」
「いや、気にするな。もうとっくに昼だしコイツが寝すぎなだけだ。」
「ボク…ロングスリーパー…ムニュムニュ…。」
「あの~♡お2人は黎様のことをどう思ってますか~?♡」
「黎のことか?かっこいいに決まっているだろ。あれはモテるぞ。オレのを差し出してやってもいいぐらいだ。」
「ちょっ…!?」
「ボクもお姉様と同じだよ。お嬢様っていつも黎といると幸せそうな顔してるし、花梨お姉様の一番厳重なセキュリティでロックされたファイルの記録によれば相当気持ちよくてハマっちゃうらしいよ。ボクも体験してみたい。」
「え………えーーーーーーーーー!!!!?」
するとお嬢の部屋からお嬢の喘ぎ声が止んだ。
そしてYシャツだけ着て下は下着しか履いていないお嬢が部屋から飛び出してきた。
「ちょっと!?皆どうしたの!?一体なんの騒ぎ!?」
「お、お嬢様!?も…申し訳ありません?と言いますか…いつもの黒のスカートはどうされたのですか!?」
「あまりにも部屋の前が騒がしいから何事かと思って慌てて出てきたのよ!!」
すると部屋の外にいた女舎弟達がお嬢の部屋の中に上半身が裸の黎の姿が視界に入った。
そして黎は服を着た。
女舎弟達の目には一瞬しか映らなかったが細身でありながらも筋肉のラインがあり、腹筋は左右非対称で六つに割れていた。
「す…素敵…!」
菱沼が顔を赤らめ思わず声を漏らした。
「え?晶ちゃん?」
「今黎様のことについてどう思うか皆で話し合ってたんですよ~♡」
「さすがはお嬢の彼氏だな。」
「正直…うらやましい…。」
「え?え?え?え?え?ちょっと皆?どういうこと?どういうこと?」
「ここの皆さんは黎様に気があるということで満場一致したんですよ♡」
「………」
「バタン。カチャッ。」
お嬢が部屋の扉と鍵を閉めた。
「コラーーーーーッッッ!!!黎ーーーーーッッッ!!!あなたいつの間に浮気してたのよーーーーーッッッ!!!!?」
部屋の中からのお嬢の叫び声が部屋の前まで響き渡る。
「え?してませんよ?俺の記憶共有して…」
「パシンッッッ!!!ドカーーーーーンッッッ!!!」
平手打ちの音と壁にぶち当たる音が部屋の前まで響き渡る。
「やっぱり黎は他の女の子に目移りして!!」
「お…お嬢…ご…誤解…です…。」
「黎!!今日1日私の部屋から出ちゃだめよ!!」
「どうして…ですか…。」
「だめって言ったらだめなの!!わかった!?返事は!?」
「は…はい…。」
部屋の外ではお嬢の声だけが聞こえていた。
そしてお嬢はスカートを履いて部屋を出てきた。
そして女舎弟達を1人ずつ睨みつける。
「むーーーっ!!!」
お嬢はすごく怒っている。
「あの…お嬢さ…」
「なによ!?」
「ひぃ…!ごめんなさい…!」
お嬢は屋敷の広間の玄関へと向かう。
「バタンッッッ!!!」
お嬢は怒りながら屋敷を出て何処かへ行ってしまった。
「ちょっと…!萌美ちゃん!お嬢様すごく怒ってるよ!」
「う~んそれだけ黎様に一途ってことだね♡」
「ポジティブで楽観的すぎる…これからどうするつもり!?」
「心配しなくても大丈夫だ。お嬢は黎が好きだから直ぐに帰って…」
「バタンッッッ!!!」
お嬢が戻ってきた。
しかしさっきのように怒っているわけではなくむしろ悲しそうだった。
「………」
しばらくお嬢が黙って俯いていた。
そして突然、
「やっぱり黎がいないとさー!みー!しー!いー!!!!」
と泣き叫びながら自分の部屋に駆け込んで行った。
「予想より相当早く帰ってきたね。ていうかほとんど外出てないじゃん。」
「黎ーーーーーっっっ…どうして浮気しちゃったのーーーーーっっっ?ねぇーーーーーっ!!!!?」
「なんか…お嬢様…可愛いですね。」
菱沼がそう呟いた矢先に、
「バタンッッッ!」
と屋敷の玄関が開く音がした。
「客人か?」
次回 第九十八話 疑惑
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