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第十六章 真髄編
第八十二話 更生
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黎は遥輝の記憶を読み取る。
しかし記憶が一切存在しないことに気づく。
「お嬢…この男…記憶喪失…してます…。」
「記憶喪失…?私と同じ…?」
「いえ…お嬢よりも…自分の事も…自分と関わって来た者も…ここが何処なのかも…全くわからない…ようです…。」
「嘘…。」
「ですが…厳重な病室の…扉を軽く叩いただけで…破壊してしまったので…戦闘力は…健在です…気をつけてくださ…」
黎が話している途中でお嬢が遥輝の元に寄る。
「お嬢…!いけません…!」
「私は南グループのお嬢よ。そしてあなたは、南グループF級舎弟の高柳遥輝よ。」
「おじょう?みなみぐるーぷ?えふきゅうしゃてい?」
「お嬢…それは…いくらなんでも…危険です…!」
「そうよ。あなたはまだ舎弟の中でも研修の段階だから、A級舎弟の管理のもとで動いてもらう必要があるわ。ここがどこかもわからないだろうし、管理してもらってたA級舎弟も事情により変更する必要がありそうだから教えてあげる。ついてきなさい。」
「…わかったよ。お嬢。」
お嬢と遥輝が病室を後にする。
黎はそれを追いかけようとする。
「お嬢…!駄目です…!そのA級舎弟も…!」
黎の体に激痛が走る。
お嬢が遥輝を案内した先…それは…屍の塔2号であった。
お嬢と遥輝は頂上にたどり着く。
「あれー?お嬢ー久しぶりー!その人誰ー?なんかお嬢に顔似てるね!」
「裕也、あなたこの高柳遥輝っていうF級舎弟の管理をしなさい。」
「えー!?僕がそんなこと…」
「いい?裕也、これはあなたにしか出来ないことよ。あなたの純粋な心で彼の心をしっかりと正してあげなさい。」
お嬢が裕也にノートを渡す。
「うーん…初めてだから上手くいくか分からないけど、お嬢のお願いならやってみるよ!遥輝兄ちゃん!よろしくね!僕は裕也だよ!」
「裕也。よろしくね。」
遥輝が裕也に挨拶を返す。
二階堂は高柳遥輝がどういう存在なのかを知っている。
しかし殺気を感じないことが不思議であった。
「このノートに1日の活動内容を書いて僕に提出してくれればいいんだよ!十の掟っていうのがノートの最初のページに書いてあるからそれに従って自由に行動すればいいんだ!」
「十の…掟…自…由…ぐあっああっっ…!!」
遥輝が突然頭を抑える。
「遥輝兄ちゃん大丈夫!?どうしたの!?」
お嬢と二階堂が遥輝の様子をじっくり伺う。
遥輝が段々落ち着き始める。
「………大…丈夫。裕也、教えてくれてありがとう。そしたら俺はもう行くね。」
「うん!頑張ってね!」
そして遥輝は塔を後にしていった。
「お嬢様…大丈夫なのでしょうか…。」
二階堂が小声でお嬢に尋ねる。
「…黎が教えてくれたんだけど、あの男、南グループの誰よりも強くてS級舎弟も次々とやられていったのよ…。どういうわけか今は記憶を失ってるんだけど、このまま放置して記憶が戻ってもまた南グループの舎弟達が襲われるだけよ…。」
「そんなことが…あったんですね…。」
「それじゃあレナちゃん、裕也にもしものことがあったらすぐに教えてね。私は病院に戻るわ。」
「はい。お気をつけて。」
お嬢が塔を後にして病院に向かってる最中に違和感を感じる。
「黎から…記憶が送られてこない…!!急がなきゃ!!」
次回 第八十三話 失踪
しかし記憶が一切存在しないことに気づく。
「お嬢…この男…記憶喪失…してます…。」
「記憶喪失…?私と同じ…?」
「いえ…お嬢よりも…自分の事も…自分と関わって来た者も…ここが何処なのかも…全くわからない…ようです…。」
「嘘…。」
「ですが…厳重な病室の…扉を軽く叩いただけで…破壊してしまったので…戦闘力は…健在です…気をつけてくださ…」
黎が話している途中でお嬢が遥輝の元に寄る。
「お嬢…!いけません…!」
「私は南グループのお嬢よ。そしてあなたは、南グループF級舎弟の高柳遥輝よ。」
「おじょう?みなみぐるーぷ?えふきゅうしゃてい?」
「お嬢…それは…いくらなんでも…危険です…!」
「そうよ。あなたはまだ舎弟の中でも研修の段階だから、A級舎弟の管理のもとで動いてもらう必要があるわ。ここがどこかもわからないだろうし、管理してもらってたA級舎弟も事情により変更する必要がありそうだから教えてあげる。ついてきなさい。」
「…わかったよ。お嬢。」
お嬢と遥輝が病室を後にする。
黎はそれを追いかけようとする。
「お嬢…!駄目です…!そのA級舎弟も…!」
黎の体に激痛が走る。
お嬢が遥輝を案内した先…それは…屍の塔2号であった。
お嬢と遥輝は頂上にたどり着く。
「あれー?お嬢ー久しぶりー!その人誰ー?なんかお嬢に顔似てるね!」
「裕也、あなたこの高柳遥輝っていうF級舎弟の管理をしなさい。」
「えー!?僕がそんなこと…」
「いい?裕也、これはあなたにしか出来ないことよ。あなたの純粋な心で彼の心をしっかりと正してあげなさい。」
お嬢が裕也にノートを渡す。
「うーん…初めてだから上手くいくか分からないけど、お嬢のお願いならやってみるよ!遥輝兄ちゃん!よろしくね!僕は裕也だよ!」
「裕也。よろしくね。」
遥輝が裕也に挨拶を返す。
二階堂は高柳遥輝がどういう存在なのかを知っている。
しかし殺気を感じないことが不思議であった。
「このノートに1日の活動内容を書いて僕に提出してくれればいいんだよ!十の掟っていうのがノートの最初のページに書いてあるからそれに従って自由に行動すればいいんだ!」
「十の…掟…自…由…ぐあっああっっ…!!」
遥輝が突然頭を抑える。
「遥輝兄ちゃん大丈夫!?どうしたの!?」
お嬢と二階堂が遥輝の様子をじっくり伺う。
遥輝が段々落ち着き始める。
「………大…丈夫。裕也、教えてくれてありがとう。そしたら俺はもう行くね。」
「うん!頑張ってね!」
そして遥輝は塔を後にしていった。
「お嬢様…大丈夫なのでしょうか…。」
二階堂が小声でお嬢に尋ねる。
「…黎が教えてくれたんだけど、あの男、南グループの誰よりも強くてS級舎弟も次々とやられていったのよ…。どういうわけか今は記憶を失ってるんだけど、このまま放置して記憶が戻ってもまた南グループの舎弟達が襲われるだけよ…。」
「そんなことが…あったんですね…。」
「それじゃあレナちゃん、裕也にもしものことがあったらすぐに教えてね。私は病院に戻るわ。」
「はい。お気をつけて。」
お嬢が塔を後にして病院に向かってる最中に違和感を感じる。
「黎から…記憶が送られてこない…!!急がなきゃ!!」
次回 第八十三話 失踪
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