白くて細い、項

真田晃

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「──!」

思わずベッドに組み敷いた:瑠風るかに、目を見張った。


……俺は、何て事……


俺の下で、小さく震える身体。怯える瞳。白くて細い首を傾げ、浮き出た鎖骨の下に残る、小さな鬱血痕。
……これは、俺が付けたものじゃない。

多分これは、瑠風の従兄弟であるジュンって奴が付けたもの……だと思う。
いや、絶対そうだ。

マーキング、とはよく言ったもので。『コイツは俺のモノだから、絶対に手を出すなよ』という、無言のメッセージ。
どこでどうやって付けられたのか、なんて……嫌でも想像できてしまう。

瑠風の細い指が襟口を掴み、引っ張り上げてその痕を覆い隠す。

「………悪ぃ、」

ああもう。
何でこんなにざわざわすんだよ。
……もう、訳わかんねぇ……

ギリッと奥歯を噛み締め、瑠風の上から退いて背を向ける。

………っていうか。本当何やってんだ、俺。


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