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しおりを挟む外灯の殆どない『憩いの森』の入り口。
時折吹く風が木葉を揺らし、さわさわと擦れ合う。
「……邪魔したって事は……あんたが今夜、相手してくれるって事だよね……」
大きな漆黒の瞳。
その瞳は、俺を見ている様で……見てなどいない──
絶望の色に染まりながらも色気を含み……俺を誘う、淫らな双眸。
それは……夢で見た、藤井そのもの──
藤井に手を引かれ、遊歩道を外れて茂みに入る。
いつも、ここでしているのだろうか。
物欲しげに瞳が揺れた後、俺の首に両腕を絡めてくる。
ふわりと香る、藤井の甘い匂い。
「……俺を、メチャクチャに……して」
艶っぽい、唇。
その唇が小さく動いた後、眉尻を僅かに下げ、憂いを帯びた表情のままするすると俺の足元に跪く。
「………ハァ? ふざ、けんな……!」
ジーンズのファスナーに手を掛けられ、思わずそれを振り払った。
「俺は、男の趣味なんてねぇからなっ、!」
そう言い放ったものの……
心の何処かで俺は、期待に満ちていた。
それを見透かした様に、じっと見つめる漆黒の瞳。それが再び伏せられると、藤井の手が俺のズボンに触れ、ファスナーを囓って見せる。
「……して、」
うわ言の様に声を漏らし、藤井がそれをジジジ…と下ろす。
「あんたの立派な、これで……」
微かに掠れた細い声。
誘っているにも関わらず、布越しに触れるその指が、僅かに震えていた。
「奥まで、沢山……突いて……」
とろりと濡れた瞳を向けた後、俺のモノを大事そうにパンツから引きずり出し……
片手で、丁寧に皮を根本まで伸ばすと、
何の躊躇もなく……ソレを口に含んだ。
「………っ、!」
まるでアイスキャンディをしゃぶるかの様に、じゅるじゅるっと水音を立てて吸い上げると、一旦口から引き抜き……唇からチラリと深紅の舌を覗かせる。濡れそぼつその先が、俺の先端部分に触れ……その小さな割れ目に差し込まれる。
色気を含んだ仕草で再び咥内に全てを飲み込めば、舌全体に巻き付けるように包み込む。
コイツに彼女とか……マジかよ。
ガチでホモじゃねぇか……
熱い舌肉に絡まれ、嬲られ、舐られながら……我慢できずに溢れ出す汁を、じゅっと吸い取られ……
カリ、鈴口、裏筋……と、尖らせた舌先で執拗に攻められれば、思わずピクンッと反応する。
軽蔑した目で見下せば、跪いた藤井が、情欲的な表情でチラリと俺を見上げた。
瞬間──駆り立てられる、欲情。
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