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郵便
しおりを挟む女「全然来んねえ順番」
男「夜やってんのここくらいやからなあ」
女「にしてもなあ」
男「みんな届けたいもんがあるんやろ」
女「届けたいもんかあ」
男「うん。俺かてあるし」
女「白ヤギ」
男「ん? 」
女「白ヤギさんのお手紙には結局何が書いてあったんやろか」
男「そら、黒ヤギさんお元気ですか。とかそんな感じちゃうのん」
女「それだけ? 」
男「暑中お見舞い申し上げます、黒ヤギさんお元気ですか。とこんなもんやろ」
女「ヤギさんは山岳地帯におるやろうから暑くないんちゃう」
男「郵便利用するヤギは平地におるやろ」
女「そっか」
男「そもそも白ヤギスタートやっけ」
女「え、白ヤギさんやろ」
男「え、でも黒ヤギさんからお手紙着いた、白ヤギさんたら読まずに食べたの方が始まりとしてしっくりこん? 」
女「え、でも白ヤギさんからお手紙着いた、黒ヤギさんたら読まずに食べた始まりもしっくりくるで」
男「まあループやからな」
女「いや絶対白ヤギさんやって。黒ヤギさん絶対自分から手紙書かへんもん。黒ヤギさん受身やもん」
男「黒ヤギさんの何を知っとんねん」
女「なんでも知ってるもん」
男「それはそれで新たな謎やわ」
女「あっ」
男「どしたん」
女「もしかして黒ヤギさん、白ヤギさんの気持ちに気付いちゃったんじゃない? 」
男「どういうこと」
女「白ヤギさんは黒ヤギさんに好意を持ってる。しかし黒ヤギさんはその好意に応えることができない。そこで黒ヤギさんは、鈍感なフリをして、手紙を、食べた」
男「いやいやいやいやいや」
女「だって黒ヤギさん、仕方がないのでお手紙書いた、やで? 仕方がないのでってめちゃくちゃあぐらかいてるやん」
男「でも白ヤギさんかて、仕方がないのでお手紙書いてるで」
女「そらあんた、想いを込めて綴ったラブレターを無神経に食べられてしもたら、もう一回仕方がないのでお手紙書くことになるやろ」
男「そやなあ」
女「で、その手紙誰に出すん」
男「あなた」
女「直接渡せや」
男「っていうのは嘘で」
女「嘘なんかい」
男「おかんやね、仕送りくださいって」
女「あー。食べられんかったらええね」
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