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娘の名前
しおりを挟む男「娘に嫌われんようにするにはどうしたらええかな」
女「いや、なんで娘生まれる前提やねん。はよ職探せ」
男「いやでもこのままいったら娘に嫌われると思うねん」
女「そら職ないからな」
男「あってもよ。あっても、お父さん臭いとか、お父さんお腹出てるとか、お父さんハゲとか」
女「えらい口悪い娘やな」
男「やから、方法を考えました」
女「口悪くさせない、ちゃう? 」
男「死を偽装する」
女「なにそれ」
男「死を偽装して、近所の人として温かい目で見守る」
女「こわいこわいこわいこわい」
男「『こんにちは、さちえちゃん』『おじちゃんこんにちは。おじちゃん大好き』『おじちゃんも大好きやで。お父さんって呼んでもからね』」
女「こわっ。それでお父さんって呼ばすんか」
男「いや、これなら『さちえ、お父さんおらんくって寂しかってん。お父さん大好き』っていうのでも、『さちえ、お父さんおらんくって寂しいねん。でもさちえの中でお父さんはお父さんだけやから。だから、おじちゃんも大好きやし、お父さんも大好き』っていうパターンのどっちもいける。二度美味しい。ちぇけら」
女「ちぇけらちゃうねん。なんやそれ。ほんで娘の名前さちえなん」
男「さちえええやないか」
女「えー。私らんがいいな」
男「らんな。……でもなあ」
女「なによ」
男「らんって名前で足遅かったらめっちゃ馬鹿にされると思うねん」
女「ええやないの。そのギャップも可愛いやん」
男「小学生の運動できんやつに対する残酷さ舐めんなよ」
女「なんやねん。じゃあゆかりは」
男「絶対しそのふりかけ言われるわ。ほんで無理やりおにぎりくんっていうクラスの太った男の子とペア組まされて冷やかされるわ。そんなこと絶対させたない。おにぎりを近づけさせたくない」
女「そんなんならへんよ。じゃあさちえはどやねん」
男「幸に恵まれた幸恵やないか。ええやないか」
女「ほなあんたも改名してきたら。職恵に」
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