夫婦とは長い会話である

中田翔子

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七夕

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男「七夕てあるやんか」
女「もうすぐやねえ」
男「あれさ、どうにも解せんのよね」
女「何が解せへんの。織姫と彦星かいな」
男「そうそう」
女「そうなんかいな」
男「なんで織姫と彦星やねん」
女「ええやんか。名前なんやから」
男「星の名前やったら織姫星と彦星やんか。なんで語呂重視で省略しとんねん」
女「それはええやん。出光とシェル石油みたいなもんやって。出光も石油やけど名前付かへんでしょ」
男「確かにな。あんた学あるなあ」
女「それでいうとあたしも七夕で不可解なことあるねや」
男「お、なにが不可解なん。織姫と彦星かいな」
女「ちゃうねん」
男「ちゃうんかいな」
女「七夕ってあるやんか」
男「切り出し方パクられたわ。あるから七夕の話しとんねん」
女「七夕って言うやん」
男「言うよ」
女「やから、七夕って言うのが不可解やねん」
男「ん?話が見えませんね」
女「なんで七夕って読むのかねって」
男「え? 」
女「やから、読み方。普通ななと、ゆうとかゆうべとかやん」
男「ああ読み方な」
女「さっきから言うてるやん」
男「すまん」
女「たなは百歩譲ってまだええわ。なな、から転じて、たな。これはまだ通る」
男「ほな何があかんねん」
女「大事なウィークポイント残ってるやん。ゆうよ。ゆうはどう頑張ってもばたにならへん」
男「え?」
女「やから、ゆうはどう頑張っても」
男「ああ、ゆうって読んでもうてんのかいな。そらあかんあかん。ハナから間違ってるもん。読み方。そら読まれへんよ」
女「どういうこと?」
男「七を「たなば」まで読ませな」
女「え?」
男「あとはカタカナのタよ」
女「タなん?あれ夕じゃなくてタなん?」
男「送り仮名送り仮名」
女「ええっ」
男「びっくりした?」
女「びっくりしたって、でもたなばは無理あるんちゃう?」
男「タラバガニっておるやろ?」
女「急にどしたん」
男「このたなばが転じてタラバガニやねん。あいつ足7本やろ?」
女「いや足6本やけどハサミ合わせても8本」
男「そう。でもハサミを足かどうかでカウントするか分かれるから間をとって7にしたらしいで」
女「なんやその理屈」
男「七夕と棚ぼたって似てるよな」
女「それよりさ、七夕の謎がもひとつあるのよ」
男「無視。なんや!」
女「笹の葉さらさらってあるやん」
男「あるな」
女「笹の葉って」
男「さらさらしてないなあ」
女「あ、言われた」
男「ふふ」
女「ほほほ」

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