133 / 143
2章 村での生活
86話 ブレンは気苦労が絶えない……
しおりを挟む
元の調子に戻ったブレンは、すぐにハッとして謝ってきた。
《……また取り乱してしまって、ごめんなさい……》
「いや、色々と苦労を掛けすぎてる俺が悪いし……ブレンが謝ることはないよ」
「んー……よくわからないんだけど、お兄さんとわたしがしたことってそんなによくないことなの?」
「いや、そういう訳じゃないんだけど……うーん、なんと説明したものかな……」
タンジーにとっては、美味しくて凄いものができたってだけなんだよな……
「実は俺、この世界からすると危ないスキルを持ってるみたいでさ。ブレンはそんな俺を見守るために居てくれてるんだ」
「そうなの!? すっごくなかがよさそうだから、お友だちなんだとおもってた……」
タンジーには、運営から監視員として来てるなんて言わない方が良いだろう。
「勿論ブレンは俺からしたら友達で、大切な仲間でもあるよ。ただ、そんな俺が色々無茶したり凄い物を作ったりしてるから、見守ってるブレンからしたら疲れちゃう訳なんだよ」
「そっかー……ブレンちゃん、たいへんなんだね……」
《……友達で大切な仲間……》
うん、嘘は何一つ言ってないから問題はない!
と言うか、もはやこの世界でブレンが居ない生活なんて考えたくもないしな。
「だから、タンジーが作った物は凄くてまた驚いちゃったんだよ。全く悪いことなんかじゃないから安心してな」
「そっかー! ならよかった!」
《大切な仲間……》
……ブレン、そろそろ帰ってこーい。
あと、友達が抜けてる……
「じゃあまた色々作ってもだいじょうぶだね!」
《あの、タンジーさん。……少し手加減してくれると、助かります》
「あはは……」
《リョウさんも笑ってる場合じゃないんですからね!?》
「はい! 済みませんでした……」
こんなくだらなくて楽しいやり取りが続くなら、ソロじゃなくて良かったとつくづく思えるな。
「そういえば、すわりこむまえにお兄さんが作ったくびかざりはどうなったの? 台のところにはおいてなさそうだけど……」
「え? あー……無意識でストレージにしまっていたみたいだ。先に作った首飾りは、出しっぱなしにしておいて良かったな」
じゃないとどれが新しいやつかわからなくなるし。
すぐにストレージから出してみると、一つだけなにかか違うように感じられた。
「なあ二人とも、この中に一つ妙な感じがするのがないか?」
「《これ》」
二人が同時に指(ブレンは翼)で指し示したのは、俺がなにかを感じた首飾りだった。
《……また取り乱してしまって、ごめんなさい……》
「いや、色々と苦労を掛けすぎてる俺が悪いし……ブレンが謝ることはないよ」
「んー……よくわからないんだけど、お兄さんとわたしがしたことってそんなによくないことなの?」
「いや、そういう訳じゃないんだけど……うーん、なんと説明したものかな……」
タンジーにとっては、美味しくて凄いものができたってだけなんだよな……
「実は俺、この世界からすると危ないスキルを持ってるみたいでさ。ブレンはそんな俺を見守るために居てくれてるんだ」
「そうなの!? すっごくなかがよさそうだから、お友だちなんだとおもってた……」
タンジーには、運営から監視員として来てるなんて言わない方が良いだろう。
「勿論ブレンは俺からしたら友達で、大切な仲間でもあるよ。ただ、そんな俺が色々無茶したり凄い物を作ったりしてるから、見守ってるブレンからしたら疲れちゃう訳なんだよ」
「そっかー……ブレンちゃん、たいへんなんだね……」
《……友達で大切な仲間……》
うん、嘘は何一つ言ってないから問題はない!
と言うか、もはやこの世界でブレンが居ない生活なんて考えたくもないしな。
「だから、タンジーが作った物は凄くてまた驚いちゃったんだよ。全く悪いことなんかじゃないから安心してな」
「そっかー! ならよかった!」
《大切な仲間……》
……ブレン、そろそろ帰ってこーい。
あと、友達が抜けてる……
「じゃあまた色々作ってもだいじょうぶだね!」
《あの、タンジーさん。……少し手加減してくれると、助かります》
「あはは……」
《リョウさんも笑ってる場合じゃないんですからね!?》
「はい! 済みませんでした……」
こんなくだらなくて楽しいやり取りが続くなら、ソロじゃなくて良かったとつくづく思えるな。
「そういえば、すわりこむまえにお兄さんが作ったくびかざりはどうなったの? 台のところにはおいてなさそうだけど……」
「え? あー……無意識でストレージにしまっていたみたいだ。先に作った首飾りは、出しっぱなしにしておいて良かったな」
じゃないとどれが新しいやつかわからなくなるし。
すぐにストレージから出してみると、一つだけなにかか違うように感じられた。
「なあ二人とも、この中に一つ妙な感じがするのがないか?」
「《これ》」
二人が同時に指(ブレンは翼)で指し示したのは、俺がなにかを感じた首飾りだった。
0
お気に入りに追加
279
あなたにおすすめの小説
僕の家族は母様と母様の子供の弟妹達と使い魔達だけだよ?
闇夜の現し人(ヤミヨノウツシビト)
ファンタジー
ー 母さんは、「絶世の美女」と呼ばれるほど美しく、国の中で最も権力の強い貴族と呼ばれる公爵様の寵姫だった。
しかし、それをよく思わない正妻やその親戚たちに毒を盛られてしまった。
幸い発熱だけですんだがお腹に子が出来てしまった以上ここにいては危険だと判断し、仲の良かった侍女数名に「ここを離れる」と言い残し公爵家を後にした。
お母さん大好きっ子な主人公は、毒を盛られるという失態をおかした父親や毒を盛った親戚たちを嫌悪するがお母さんが日々、「家族で暮らしたい」と話していたため、ある出来事をきっかけに一緒に暮らし始めた。
しかし、自分が家族だと認めた者がいれば初めて見た者は跪くと言われる程の華の顔(カンバセ)を綻ばせ笑うが、家族がいなければ心底どうでもいいというような表情をしていて、人形の方がまだ表情があると言われていた。
『無能で無価値の稚拙な愚父共が僕の家族を名乗る資格なんて無いんだよ?』
さぁ、ここに超絶チートを持つ自分が認めた家族以外の生き物全てを嫌う主人公の物語が始まる。
〈念の為〉
稚拙→ちせつ
愚父→ぐふ
⚠︎注意⚠︎
不定期更新です。作者の妄想をつぎ込んだ作品です。
狼の子 ~教えてもらった常識はかなり古い!?~
一片
ファンタジー
バイト帰りに何かに引っ張られた俺は、次の瞬間突然山の中に放り出された。
しかも体をピクリとも動かせない様な瀕死の状態でだ。
流石に諦めかけていたのだけど、そんな俺を白い狼が救ってくれた。
その狼は天狼という神獣で、今俺がいるのは今までいた世界とは異なる世界だという。
右も左も分からないどころか、右も左も向けなかった俺は天狼さんに魔法で癒され、ついでに色々な知識を教えてもらう。
この世界の事、生き延び方、戦う術、そして魔法。
数年後、俺は天狼さんの庇護下から離れ新しい世界へと飛び出した。
元の世界に戻ることは無理かもしれない……でも両親に連絡くらいはしておきたい。
根拠は特にないけど、魔法がある世界なんだし……連絡くらいは出来るよね?
そんな些細な目標と、天狼さん以外の神獣様へとお使いを頼まれた俺はこの世界を東奔西走することになる。
色々な仲間に出会い、ダンジョンや遺跡を探索したり、何故か謎の組織の陰謀を防いだり……。
……これは、現代では失われた強大な魔法を使い、小さな目標とお使いの為に大陸をまたにかける小市民の冒険譚!
レイブン領の面倒姫
庭にハニワ
ファンタジー
兄の学院卒業にかこつけて、初めて王都に行きました。
初対面の人に、いきなり婚約破棄されました。
私はまだ婚約などしていないのですが、ね。
あなた方、いったい何なんですか?
初投稿です。
ヨロシクお願い致します~。
異世界宿屋の住み込み従業員
熊ごろう
ファンタジー
なろう様でも投稿しています。
真夏の昼下がり歩道を歩いていた「加賀」と「八木」、気が付くと二人、見知らぬ空間にいた。
そこに居たのは神を名乗る一組の男女。
そこで告げられたのは現実世界での死であった。普通であればそのまま消える運命の二人だが、もう一度人生をやり直す事を報酬に、異世界へと行きそこで自らの持つ技術広めることに。
「転生先に危険な生き物はいないからー」そう聞かせれていたが……転生し森の中を歩いていると巨大な猪と即エンカウント!? 助けてくれたのは通りすがりの宿の主人。
二人はそのまま流れで宿の主人のお世話になる事に……これは宿屋「兎の宿」を中心に人々の日常を描いた物語。になる予定です。
私はお母様の奴隷じゃありません。「出てけ」とおっしゃるなら、望み通り出ていきます【完結】
小平ニコ
ファンタジー
主人公レベッカは、幼いころから母親に冷たく当たられ、家庭内の雑務を全て押し付けられてきた。
他の姉妹たちとは明らかに違う、奴隷のような扱いを受けても、いつか母親が自分を愛してくれると信じ、出来得る限りの努力を続けてきたレベッカだったが、16歳の誕生日に突然、公爵の館に奉公に行けと命じられる。
それは『家を出て行け』と言われているのと同じであり、レベッカはショックを受ける。しかし、奉公先の人々は皆優しく、主であるハーヴィン公爵はとても美しい人で、レベッカは彼にとても気に入られる。
友達もでき、忙しいながらも幸せな毎日を送るレベッカ。そんなある日のこと、妹のキャリーがいきなり公爵の館を訪れた。……キャリーは、レベッカに支払われた給料を回収しに来たのだ。
レベッカは、金銭に対する執着などなかったが、あまりにも身勝手で悪辣なキャリーに怒り、彼女を追い返す。それをきっかけに、公爵家の人々も巻き込む形で、レベッカと実家の姉妹たちは争うことになる。
そして、姉妹たちがそれぞれ悪行の報いを受けた後。
レベッカはとうとう、母親と直接対峙するのだった……
魔境に捨てられたけどめげずに生きていきます
ツバキ
ファンタジー
貴族の子供として産まれた主人公、五歳の時の魔力属性検査で魔力属性が無属性だと判明したそれを知った父親は主人公を魔境へ捨ててしまう
どんどん更新していきます。
ちょっと、恨み描写などがあるので、R15にしました。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる