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2章 村での生活

86話 ブレンは気苦労が絶えない……

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 元の調子に戻ったブレンは、すぐにハッとして謝ってきた。


《……また取り乱してしまって、ごめんなさい……》

「いや、色々と苦労を掛けすぎてる俺が悪いし……ブレンが謝ることはないよ」

「んー……よくわからないんだけど、お兄さんとわたしがしたことってそんなによくないことなの?」

「いや、そういう訳じゃないんだけど……うーん、なんと説明したものかな……」


 タンジーにとっては、美味しくて凄いものができたってだけなんだよな……


「実は俺、この世界からすると危ないスキルを持ってるみたいでさ。ブレンはそんな俺を見守るために居てくれてるんだ」

「そうなの!? すっごくなかがよさそうだから、お友だちなんだとおもってた……」


 タンジーには、運営から監視員として来てるなんて言わない方が良いだろう。


「勿論ブレンは俺からしたら友達で、大切な仲間でもあるよ。ただ、そんな俺が色々無茶したり凄い物を作ったりしてるから、見守ってるブレンからしたら疲れちゃう訳なんだよ」

「そっかー……ブレンちゃん、たいへんなんだね……」

《……友達で大切な仲間……》


 うん、嘘は何一つ言ってないから問題はない!

 と言うか、もはやこの世界でブレンが居ない生活なんて考えたくもないしな。


「だから、タンジーが作った物は凄くてまた驚いちゃったんだよ。全く悪いことなんかじゃないから安心してな」

「そっかー! ならよかった!」

《大切な仲間……》


 ……ブレン、そろそろ帰ってこーい。

 あと、友達が抜けてる……


「じゃあまた色々作ってもだいじょうぶだね!」

《あの、タンジーさん。……少し手加減してくれると、助かります》

「あはは……」
《リョウさんも笑ってる場合じゃないんですからね!?》

「はい! 済みませんでした……」


 こんなくだらなくて楽しいやり取りが続くなら、ソロじゃなくて良かったとつくづく思えるな。


「そういえば、すわりこむまえにお兄さんが作ったくびかざりはどうなったの? 台のところにはおいてなさそうだけど……」

「え? あー……無意識でストレージにしまっていたみたいだ。先に作った首飾りは、出しっぱなしにしておいて良かったな」


 じゃないとどれが新しいやつかわからなくなるし。

 すぐにストレージから出してみると、一つだけなにかか違うように感じられた。

 
「なあ二人とも、この中に一つ妙な感じがするのがないか?」

「《これ》」


 二人が同時に指(ブレンは翼)で指し示したのは、俺がなにかを感じた首飾りだった。
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