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2章 村での生活

81話 新たな干し肉?

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 失敗を含めても三回の錬金術行使で、タンジーのスキルレベルが上がったことに俺はかなり驚いたが、ブレンは動揺してなさそうだ。


《ブレン? タンジーの錬金術レベルが上がったこと、驚いてないのか?》

《なにを言ってるんですか、リョウさん。……勿論驚いてますよ?》

《いや、でも……驚いてるようには見えないが?》

《リョウさんも体感したはずです。あの干し肉はとても凄いものだと》

《え、うん。確かにレベル一で作れるものにしては凄すぎる……って、まさか……?》


 まさか、あの干し肉の作成可能レベルは一ではないのか……?


《リョウさんも見当がついてると思いますが、恐らく作成可能レベルは最低でも五より高いと思います》

《とすると、当然失敗もありえるはずだよな?》

《ええ。ですがもしかすると……いえ、このまま見ていれば分かるはずです》


 ブレンは何かを言おうとしたが、何故か言うのを躊躇ったようだ。

 見ていれば分かるということは、すぐに結果が出るということだろうか……?


《ところでタンジーさん、錬金術のレベルが上がりましたが、新しく作れそうなものは浮かびましたか?》

「え?」


 どうやらタンジーは、再びちゃんと干し肉を作れたことが相当嬉しかったようだな。

 干し肉を色んな角度から眺めていたので、ブレンの言葉を聞き逃したようだな。


「ごめんなさい! おはなし、きいてなかったみたい……」

《ふふっ、謝らなくてもいいですよ。嬉しい気持ち、分かりますから》


 ブレンも子供相手には優しいなぁ。


《ではタンジーさん、錬金術のレベルが上がったので、新しく作れるものがあるかどうか確認してもらえますか?》

「うん! …………? えっと、ふえたみたいだけど……?」


 ん? タンジー、なんか混乱してる?


《作れるものが増えたことで、なにかおかしなことがありましたか?》

「えっと……あたらしくふえたのは、『もりおおかみの干し肉』なの」

《それはまた……随分限定的ですね?》

「単なる干し肉とは、材料が違うとかなのかな……?」


 と言うか狼の肉は、干し肉に向いているのだろうか……?

 肉食なイメージがある狼だが、実は雑食性もあるらしいと聞いたことはあるが……


「ざいりょうは、もりおおかみの肉とコモンセージそうみたいだよ!」


 最初に干し肉を作ったのと同じ素材じゃないか……

 だが、作ってみなければ違いはわからない。

 確かあと一つだけ在庫があったはず……

 お、やっぱりあった!
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