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2章 村での生活

70話 子供には、笑顔が似合うと思う

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 でも、タンジーは錬金術自体を知らなかった訳だし、やってみたいというのは厳しいのでは……?


《タンジーさん、流石にスキルもなしに見たばかりの錬金術をやろうとするのは危ないですよ?》

「えっ、あぶないの?」

《そうですよ。失敗した時に素材が間違っていれば、かなり高い確率で爆発……もしくは素材が消失します》

「じゃあ、つかうそざいがまちがってなければばくはつはしないの?」

《……そう、なります……ですがスキルもありませんし、素材だけを失ってしまう可能性がとても高いのは間違いありません》

「うーん……それはお兄さんにわるいなぁ……」


 どうやらブレンはタンジーに錬金術をやらせたくないみたいだな。

 理由は恐らく危ないからではなく、確実に失敗すると分かっているからだろう。

 今回使っているのは魔物の素材だ。

 俺はたまたま貰ったものが沢山あるが、普通は魔物を倒さなければ手に入らない物だし、無駄にするのをよく思っていないのだろう。

 危ない事を最初に話したのは、いつか一人で適当に錬金術を行う可能性を考えてしまったから──


《ですから、止めておきましょう?》

「う、うん……」


 でも、子供だから興味を持ったことはやってみたくなるものだよな。

 ブレンに諭されたタンジーの顔を見れば、納得しきれてないのは丸わかりだしな。

 とすれば、俺が言える事は一つだな──


「なあブレン、一度くらい俺達がいる前でならやらせてあげても良いんじゃないかな?」

「え!? ほんと!?」

《……はぁ、リョウさんならそう言うのではないかと思ってはいましたが……》


 やはりというかブレンには呆れられてしまったが、タンジーはとても嬉しそうだ。

 やはり子供には笑顔が一番だな!


「勿論条件はあるぞ。絶対に俺達が居ない時にやらないことと、適当に素材を使ったり──」
「うん! ちゃんとやくそくするよ!!」

「お、おう。なら、俺から言うことはないな」


 凄い食い気味な返事だな。

 よほどやってみたかったのか……そんなに面白いものではないと思うが……?


《もう、リョウさんはタンジーさんに甘すぎます!》

「ごめんな、ブレン。タンジーの為に言ってくれたのは分かるが、俺はやはり子供には我慢とかさせたくなくてさ」


 タンジーは元々母親のサラさんを厄介な男共から守ったりしてきたんだから、色々我慢してきたはずだ。

 この間も冒険者に殴られたりしても泣き言を言ったりしなかった。

 だからこそ、俺の前でくらいタンジーには楽しく過ごしてもらいたいからな。
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