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2章 村での生活

67話 いい物を作れるようになりたい

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 早速出来た首飾りをチェックすると──

『首飾り』

 なんの変哲もない首飾り。

 攻撃力+1
 防御力+1


 見事に最低数値のが出来たな。

 作成した装備品は、ランダムに付与される数値が0~10あるはずだが、見事に何もついてないな──


「すごい! 今のがれんきんじゅつ!?」
「わっ!?」


 いきなり真横から声が聞こえて驚いたが、いつの間にかタンジーが戻ってきていたんだな。

 ……両手いっぱいにお菓子を持って……


「……どちらかというと、タンジーが持ってるお菓子の量の方が凄いような……?」

「そんなことないよ! きばとつたからこんなのが作れる方がすごいよ!」


 そう言いながら大量のお菓子を作業台の上に置き、首飾りを手に持つタンジー。

 そうだ、せっかくだし──


「あまりいいものじゃないかもだけど、よかったらその首飾りをタンジーにあげようか?」

「え! いいの!?」

「勿論いいよ。ちょっとしたお守り代わりには丁度いいだろうし」


 実際、気休め程度の性能だしな……


「わぁ! ありがとうお兄さん! だいじにするね!」

「う、うん。喜んでもらえてよかったよ」


 こんな物でそこまで喜ばれると、なんだか申し訳ない気持ちになるな……

 ……よし、こうなったらちゃんといい物を作れるようになって、本当にお守りになるものを作ろう。

 その為には──


「タンジー、俺は今から同じ物を沢山作って腕を上げようと思う。しばらく退屈だと思うから、一度家に──」
「じゃあ作ってるところ、ずっと見てるね!」

「……え? いやいや、本当に見ていても面白いものじゃないぞ?」

「それはお兄さんがそうおもってるだけだとおもうよ?」


 いや、それはそうかも知れないが──


《リョウさん、見せてあげたほうがいいと思いますよ?》

《ブレン?》

《興味があるのに、見せてあげないのは可哀想だと思いますし》

「そうだよ! ブレンちゃんの言うとおりだよ!!」

「うーん……まあ、確かに退屈になったら見るのを止めればいいだけだな。すまんな、タンジー」

「ううん、いいよ! それより、はやく作るとこ見たいな!」

「分かった。じゃあ早速準備するぞ!」

「《はーい!!》」


 とりあえず作るのは首飾りにするとして、使える材料を全部作業台に出しておく必要があるな。


 さっきと同じ感じで作るなら、使えるのは森狼の牙と爪、それと骨。

 あとは森蔦の乾燥した蔦と根だな。

 それらを一括で指定して作業台に──


「っと、危ない危ない。タンジー、ここに素材を出したいから、一度お菓子はストレージに入れてもいいか?」

「うん!」


 危うく、お菓子の上に素材を出してしまうところだった……
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