84 / 143
2章 村での生活
37話 怒りの女将さん……
しおりを挟む
全ての焼きサツマノイモと焼きミドリサツマノイモをストレージに回収して、女将さんのいる部屋のドアを開け──
思わず閉めてしまった……
なぜなら、女将さんが仁王立ちして待ち構えていたからだ……
「先生? どうして閉めたんですか?」
「いや……女将さんが、その……ちょっと怒ってるように見えてつい……」
真面目に、女将さんの背後に鬼がいるように見えたんだよな……
開けるのはラベンダーにお任せするべきか──
「ちょっとあんた! なに閉めてんだい!」
「うわっ!? ごめんなさい!」
ドアがものすごい勢いで開き、女将さんに怒鳴られてしまった……
そ、そうだ! 焼きサツマノイモを出せば!!
「お、女将さんはサツマノイモって食べますか?」
びびるな俺! 平常心だ……!
「サツマノイモ!? あんなぼそぼそしたもので、あたしが釣れると思ってんのかい!?」
「い"っ!? いえ、違くて──」
「お母さんやめて!」
襟を捕まれて持ち上げられ、やられる! と思ったとき、ラベンダーが助け船を出してくれた。
「食べてもないのにサツマノイモをバカにしたらだめだよ!」
……俺を助けてくれる訳じゃないのな……
ラベンダーに諌められるとは思っていなかったのか、女将さんは目を丸くしながら俺を掴んでいた手を離してくれた。
……もしかしたら離したことにも気付いてないかもだけど……
「……えっと女将さん、キッチンを貸して下さってありがとうございました。これが、ラベンダーに手伝ってもらって作った『焼きサツマノイモ』です」
女将さんから二歩離れてから礼を述べ、ストレージから焼きサツマノイモを取り出して差し出した。
その香りが届いたのか、ラベンダーを見つめていた女将さんはやっとこちらに気付いたみたいだ。
「このいい香りが、サツマノイモだってのかい?」
「はい。と言っても、俺は下準備をしただけで……ほとんどラベンダーが作ったようなものですが」
「これを、ラベンダーが……?」
俺が差し出していたサツマノイモを受け取り、ラベンダーとサツマノイモを交互に見やる女将さん。
驚くのは、食べてからが本番なんだけどな……
思わず閉めてしまった……
なぜなら、女将さんが仁王立ちして待ち構えていたからだ……
「先生? どうして閉めたんですか?」
「いや……女将さんが、その……ちょっと怒ってるように見えてつい……」
真面目に、女将さんの背後に鬼がいるように見えたんだよな……
開けるのはラベンダーにお任せするべきか──
「ちょっとあんた! なに閉めてんだい!」
「うわっ!? ごめんなさい!」
ドアがものすごい勢いで開き、女将さんに怒鳴られてしまった……
そ、そうだ! 焼きサツマノイモを出せば!!
「お、女将さんはサツマノイモって食べますか?」
びびるな俺! 平常心だ……!
「サツマノイモ!? あんなぼそぼそしたもので、あたしが釣れると思ってんのかい!?」
「い"っ!? いえ、違くて──」
「お母さんやめて!」
襟を捕まれて持ち上げられ、やられる! と思ったとき、ラベンダーが助け船を出してくれた。
「食べてもないのにサツマノイモをバカにしたらだめだよ!」
……俺を助けてくれる訳じゃないのな……
ラベンダーに諌められるとは思っていなかったのか、女将さんは目を丸くしながら俺を掴んでいた手を離してくれた。
……もしかしたら離したことにも気付いてないかもだけど……
「……えっと女将さん、キッチンを貸して下さってありがとうございました。これが、ラベンダーに手伝ってもらって作った『焼きサツマノイモ』です」
女将さんから二歩離れてから礼を述べ、ストレージから焼きサツマノイモを取り出して差し出した。
その香りが届いたのか、ラベンダーを見つめていた女将さんはやっとこちらに気付いたみたいだ。
「このいい香りが、サツマノイモだってのかい?」
「はい。と言っても、俺は下準備をしただけで……ほとんどラベンダーが作ったようなものですが」
「これを、ラベンダーが……?」
俺が差し出していたサツマノイモを受け取り、ラベンダーとサツマノイモを交互に見やる女将さん。
驚くのは、食べてからが本番なんだけどな……
0
お気に入りに追加
279
あなたにおすすめの小説
狼の子 ~教えてもらった常識はかなり古い!?~
一片
ファンタジー
バイト帰りに何かに引っ張られた俺は、次の瞬間突然山の中に放り出された。
しかも体をピクリとも動かせない様な瀕死の状態でだ。
流石に諦めかけていたのだけど、そんな俺を白い狼が救ってくれた。
その狼は天狼という神獣で、今俺がいるのは今までいた世界とは異なる世界だという。
右も左も分からないどころか、右も左も向けなかった俺は天狼さんに魔法で癒され、ついでに色々な知識を教えてもらう。
この世界の事、生き延び方、戦う術、そして魔法。
数年後、俺は天狼さんの庇護下から離れ新しい世界へと飛び出した。
元の世界に戻ることは無理かもしれない……でも両親に連絡くらいはしておきたい。
根拠は特にないけど、魔法がある世界なんだし……連絡くらいは出来るよね?
そんな些細な目標と、天狼さん以外の神獣様へとお使いを頼まれた俺はこの世界を東奔西走することになる。
色々な仲間に出会い、ダンジョンや遺跡を探索したり、何故か謎の組織の陰謀を防いだり……。
……これは、現代では失われた強大な魔法を使い、小さな目標とお使いの為に大陸をまたにかける小市民の冒険譚!
男子高校生だった俺は異世界で幼児になり 訳あり筋肉ムキムキ集団に保護されました。
カヨワイさつき
ファンタジー
高校3年生の神野千明(かみの ちあき)。
今年のメインイベントは受験、
あとはたのしみにしている北海道への修学旅行。
だがそんな彼は飛行機が苦手だった。
電車バスはもちろん、ひどい乗り物酔いをするのだった。今回も飛行機で乗り物酔いをおこしトイレにこもっていたら、いつのまにか気を失った?そして、ちがう場所にいた?!
あれ?身の危険?!でも、夢の中だよな?
急死に一生?と思ったら、筋肉ムキムキのワイルドなイケメンに拾われたチアキ。
さらに、何かがおかしいと思ったら3歳児になっていた?!
変なレアスキルや神具、
八百万(やおよろず)の神の加護。
レアチート盛りだくさん?!
半ばあたりシリアス
後半ざまぁ。
訳あり幼児と訳あり集団たちとの物語。
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
北海道、アイヌ語、かっこ良さげな名前
お腹がすいた時に食べたい食べ物など
思いついた名前とかをもじり、
なんとか、名前決めてます。
***
お名前使用してもいいよ💕っていう
心優しい方、教えて下さい🥺
悪役には使わないようにします、たぶん。
ちょっとオネェだったり、
アレ…だったりする程度です😁
すでに、使用オッケーしてくださった心優しい
皆様ありがとうございます😘
読んでくださる方や応援してくださる全てに
めっちゃ感謝を込めて💕
ありがとうございます💞
【全話挿絵】発情✕転生 〜何あれ……誘ってるのかしら?〜
墨笑
ファンタジー
『エロ×ギャグ×バトル+雑学』をテーマにした異世界ファンタジー小説です。
主人公はごく普通(?)の『むっつりすけべ』な女の子。
異世界転生に伴って召喚士としての才能を強化されたまでは良かったのですが、なぜか発情体質まで付与されていて……?
召喚士として様々な依頼をこなしながら、無駄にドキドキムラムラハァハァしてしまう日々を描きます。
明るく、楽しく読んでいただけることを目指して書きました。
ぽっちゃり女子の異世界人生
猫目 しの
ファンタジー
大抵のトリップ&転生小説は……。
最強主人公はイケメンでハーレム。
脇役&巻き込まれ主人公はフツメンフツメン言いながらも実はイケメンでモテる。
落ちこぼれ主人公は可愛い系が多い。
=主人公は男でも女でも顔が良い。
そして、ハンパなく強い。
そんな常識いりませんっ。
私はぽっちゃりだけど普通に生きていたい。
【エブリスタや小説家になろうにも掲載してます】
田舎暮らしと思ったら、異世界暮らしだった。
けむし
ファンタジー
突然の異世界転移とともに魔法が使えるようになった青年の、ほぼ手に汗握らない物語。
日本と異世界を行き来する転移魔法、物を複製する魔法。
あらゆる魔法を使えるようになった主人公は異世界で、そして日本でチート能力を発揮・・・するの?
ゆる~くのんびり進む物語です。読者の皆様ものんびりお付き合いください。
感想などお待ちしております。
誰一人帰らない『奈落』に落とされたおっさん、うっかり暗号を解読したら、未知の遺物の使い手になりました!
ミポリオン
ファンタジー
旧題:巻き込まれ召喚されたおっさん、無能で誰一人帰らない場所に追放されるも、超古代文明の暗号を解いて力を手にいれ、楽しく生きていく
高校生達が勇者として召喚される中、1人のただのサラリーマンのおっさんである福菅健吾が巻き込まれて異世界に召喚された。
高校生達は強力なステータスとスキルを獲得したが、おっさんは一般人未満のステータスしかない上に、異世界人の誰もが持っている言語理解しかなかったため、転移装置で誰一人帰ってこない『奈落』に追放されてしまう。
しかし、そこに刻まれた見たこともない文字を、健吾には全て理解する事ができ、強大な超古代文明のアイテムを手に入れる。
召喚者達は気づかなかった。健吾以外の高校生達の通常スキル欄に言語スキルがあり、健吾だけは固有スキルの欄に言語スキルがあった事を。そしてそのスキルが恐るべき力を秘めていることを。
※カクヨムでも連載しています
45歳のおっさん、異世界召喚に巻き込まれる
よっしぃ
ファンタジー
2月26日から29日現在まで4日間、アルファポリスのファンタジー部門1位達成!感謝です!
小説家になろうでも10位獲得しました!
そして、カクヨムでもランクイン中です!
●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●
スキルを強奪する為に異世界召喚を実行した欲望まみれの権力者から逃げるおっさん。
いつものように電車通勤をしていたわけだが、気が付けばまさかの異世界召喚に巻き込まれる。
欲望者から逃げ切って反撃をするか、隠れて地味に暮らすか・・・・
●●●●●●●●●●●●●●●
小説家になろうで執筆中の作品です。
アルファポリス、、カクヨムでも公開中です。
現在見直し作業中です。
変換ミス、打ちミス等が多い作品です。申し訳ありません。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる