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1章 冒険の始まり
3話 チュートリアル ~開始~
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「何処から声が?」
俺が無意識に呟くと、再び声が聞こえてきた。
《リョウさん、初めまして。私は最初の町までの間御案内をさせて頂く、ナビゲーターです。話しかけて貰うか、念じて貰えれば質問にお答えしますよ》
話しかけるのはともかく、念じろと言われても……考えるようなやり方でいいんだろうか?
《ナビゲーターさん? 念じるっていうのは、こんな感じでいいのかな?》
《はい、大丈夫です。それと、私の事は呼びやすいように呼んで下さって構いません。あと、念話がやりにくいようでしたら普通に話して頂いて大丈夫ですよ》
この頭の中で直接やり取りするのは、念話と言うんだな。
「分かりました。うーん、呼び方……それじゃあナビさんと呼ばせてもらいますね」
安直なネーミングではあるが、長い付き合いになるわけでもなさそうだしな。
「それと一つ確認したいんですが、プレイできる時間は午後三時からでは無かったんですか? こちらの時計では、まだ午後二時二十分なんですが」
《時間……ですか? ……私共はプレイヤーの方がここに来たらご案内をするようにと伺っているだけなので、時間に関しては指定されていないんですよ》
「そうなんですか?」
《はい。それでも、まだこちらの世界の時間は早朝の四時四十分ですから……確かに早いですね》
うーん……来れたんだし、早めに公開されただけなのかも知れないな。
「まあ、あまり気にしても仕方ないかな。ではナビさん、町までよろしくお願いします」
つい癖で頭を下げてしまった。
《ふふっ。短い間ですが、よろしくお願いしますね》
なんか笑われてしまったようだが、挨拶も済ませたし気を取り直して町を目指そうかな。
「ここから近い町って、どのくらい距離があるんですか?」
《目の前にある道をまっすぐ進めば、五キロほどで少し大きな町があります。色々なお店がありますから人が沢山居て賑わっており、欲しい物は大抵揃うと思いますよ》
前方を見れば拓かれた道があり、道幅もそれなりに広く見通しがしやすい感じだ。しかし五キロ……少し遠いな。
「もっと近い町はないんですか?」
《後ろにある細い道を一キロほど進めば小さな村がありますが、施設も少ないですし……あまりお勧めは致しませんよ?》
言われて後ろを見てみると、確かに細いが道はある。
しかしなんと言うか……薄暗い上にただの獣道のように見える。
町じゃなくて、森の中にある小さい村だもんな。
……だけど──
「あまり人混みは好きではないので、人が少なそうなそちらに向かうことにします」
《……変わった方ですね。 あまり発展してない村の方に向かいたいと言う方は、今の所貴方だけだと思いますよ?》
呆れた様な声が聞こえたが、聞こえなかったことにしておこう。
《ではご案内しますが、その前に武器の出し方をお伝えしておきますね。メニューと発声して、一覧が出たら装備変更をタップして下さい》
言われた通りにメニューと言うと、ステータス、マップ、アイテムストレージ、 装備変更の項目が目の前に出てきた。昔とはえらい違いだな……
装備変更を押してみると右手 左手 頭 首 上半身 下半身 足 の欄が出てきた。
《次に装備を変えたい箇所をタップすれば、ストレージに入っている物から装備出来る物だけ表示されますので、使いたい武器を選んでタップしてみて下さい》
右手を押すと今度はビギナースピアという槍のみが表示された。
詳細を表示してみると……
『ビギナースピア』
〖攻撃力4(+1) 攻撃速度-30%(+10%)耐久値50
初心者のために作られた槍。
両手で持つことで、攻撃力+1.5倍 攻撃速度+15%〗
うん、分かりやすいほどに初心者用の装備だな。()内の数値は槍術の効果かな?
早速ビギナースピアをタップすると、右手に一・五メートルほどの槍が現れた。
《無事装備できたようなので、軽く振ってみて下さい。
慣らしておかないと、モンスターが出た時に対処できないですからね》
ふむ、とりあえず振ってみるかな。まずは両手で持って突き、払い、斬る、などの動作を何パターンか組み合わせて振ってみる。
「うーん、これは槍にしては軽いな。勢いをつけて重心を掛けないとあまり威力出ないかも。って当たり前か……基本片手持ちの槍だし初期装備だもんな」
とりあえずメニューと呟き、ステータスを見てみる。
『リョウ』
〖LV1
HP 16/16 MP 10/10
STR 1 VIT 1 INT 1 AGI 1 DEX 1 LUK 1
ボーナスポイント 0
装備
両手 ビギナースピア
頭
首
(セット防具 冒険者装備一式により防御力+4)
上半身 冒険者の服(上)
下半身 冒険者の服(下)
足 冒険者の靴
攻撃力 10
防御力 12
攻撃速度 -4%
スキル
槍術 LV1〗
うん、正に初心者って感じだな。HPやMP以外のステータスは全部一だし。えっと、ステータスの詳細は……。
STR(筋力)
〖物理攻撃力、攻撃速度に影響。
重いものを装備するためには必要〗
VIT(体力)
〖物理防御力、 HP最大値に影響
攻撃によるノックバックの影響を受けにくくなる〗
INT(知力)
〖魔法攻撃力、魔法防御力に影響。
精神に作用する状態異常が効きにくくなる〗
AGI(敏捷)
〖攻撃速度、移動速度に影響。
自身の反応速度を高め、回避力が上昇〗
DEX(器用)
〖命中率、クリティカル率に影響。
生産時の成功率が上昇〗
LUK(運)
〖効果は僅かだが、様々な事柄に影響。
アイテムドロップ率上昇、クリティカル率上昇、生産時の大成功率上昇、生産時の失敗率減少、防御時ランダムでダメージ減少〗
と言った感じかな? 隠しパラメータもあるらしいけど、今はまだ公開されてないんだよな。
とりあえずステータス画面を閉じてまた槍を振り回す。まずはこれに慣れないと!
俺が無意識に呟くと、再び声が聞こえてきた。
《リョウさん、初めまして。私は最初の町までの間御案内をさせて頂く、ナビゲーターです。話しかけて貰うか、念じて貰えれば質問にお答えしますよ》
話しかけるのはともかく、念じろと言われても……考えるようなやり方でいいんだろうか?
《ナビゲーターさん? 念じるっていうのは、こんな感じでいいのかな?》
《はい、大丈夫です。それと、私の事は呼びやすいように呼んで下さって構いません。あと、念話がやりにくいようでしたら普通に話して頂いて大丈夫ですよ》
この頭の中で直接やり取りするのは、念話と言うんだな。
「分かりました。うーん、呼び方……それじゃあナビさんと呼ばせてもらいますね」
安直なネーミングではあるが、長い付き合いになるわけでもなさそうだしな。
「それと一つ確認したいんですが、プレイできる時間は午後三時からでは無かったんですか? こちらの時計では、まだ午後二時二十分なんですが」
《時間……ですか? ……私共はプレイヤーの方がここに来たらご案内をするようにと伺っているだけなので、時間に関しては指定されていないんですよ》
「そうなんですか?」
《はい。それでも、まだこちらの世界の時間は早朝の四時四十分ですから……確かに早いですね》
うーん……来れたんだし、早めに公開されただけなのかも知れないな。
「まあ、あまり気にしても仕方ないかな。ではナビさん、町までよろしくお願いします」
つい癖で頭を下げてしまった。
《ふふっ。短い間ですが、よろしくお願いしますね》
なんか笑われてしまったようだが、挨拶も済ませたし気を取り直して町を目指そうかな。
「ここから近い町って、どのくらい距離があるんですか?」
《目の前にある道をまっすぐ進めば、五キロほどで少し大きな町があります。色々なお店がありますから人が沢山居て賑わっており、欲しい物は大抵揃うと思いますよ》
前方を見れば拓かれた道があり、道幅もそれなりに広く見通しがしやすい感じだ。しかし五キロ……少し遠いな。
「もっと近い町はないんですか?」
《後ろにある細い道を一キロほど進めば小さな村がありますが、施設も少ないですし……あまりお勧めは致しませんよ?》
言われて後ろを見てみると、確かに細いが道はある。
しかしなんと言うか……薄暗い上にただの獣道のように見える。
町じゃなくて、森の中にある小さい村だもんな。
……だけど──
「あまり人混みは好きではないので、人が少なそうなそちらに向かうことにします」
《……変わった方ですね。 あまり発展してない村の方に向かいたいと言う方は、今の所貴方だけだと思いますよ?》
呆れた様な声が聞こえたが、聞こえなかったことにしておこう。
《ではご案内しますが、その前に武器の出し方をお伝えしておきますね。メニューと発声して、一覧が出たら装備変更をタップして下さい》
言われた通りにメニューと言うと、ステータス、マップ、アイテムストレージ、 装備変更の項目が目の前に出てきた。昔とはえらい違いだな……
装備変更を押してみると右手 左手 頭 首 上半身 下半身 足 の欄が出てきた。
《次に装備を変えたい箇所をタップすれば、ストレージに入っている物から装備出来る物だけ表示されますので、使いたい武器を選んでタップしてみて下さい》
右手を押すと今度はビギナースピアという槍のみが表示された。
詳細を表示してみると……
『ビギナースピア』
〖攻撃力4(+1) 攻撃速度-30%(+10%)耐久値50
初心者のために作られた槍。
両手で持つことで、攻撃力+1.5倍 攻撃速度+15%〗
うん、分かりやすいほどに初心者用の装備だな。()内の数値は槍術の効果かな?
早速ビギナースピアをタップすると、右手に一・五メートルほどの槍が現れた。
《無事装備できたようなので、軽く振ってみて下さい。
慣らしておかないと、モンスターが出た時に対処できないですからね》
ふむ、とりあえず振ってみるかな。まずは両手で持って突き、払い、斬る、などの動作を何パターンか組み合わせて振ってみる。
「うーん、これは槍にしては軽いな。勢いをつけて重心を掛けないとあまり威力出ないかも。って当たり前か……基本片手持ちの槍だし初期装備だもんな」
とりあえずメニューと呟き、ステータスを見てみる。
『リョウ』
〖LV1
HP 16/16 MP 10/10
STR 1 VIT 1 INT 1 AGI 1 DEX 1 LUK 1
ボーナスポイント 0
装備
両手 ビギナースピア
頭
首
(セット防具 冒険者装備一式により防御力+4)
上半身 冒険者の服(上)
下半身 冒険者の服(下)
足 冒険者の靴
攻撃力 10
防御力 12
攻撃速度 -4%
スキル
槍術 LV1〗
うん、正に初心者って感じだな。HPやMP以外のステータスは全部一だし。えっと、ステータスの詳細は……。
STR(筋力)
〖物理攻撃力、攻撃速度に影響。
重いものを装備するためには必要〗
VIT(体力)
〖物理防御力、 HP最大値に影響
攻撃によるノックバックの影響を受けにくくなる〗
INT(知力)
〖魔法攻撃力、魔法防御力に影響。
精神に作用する状態異常が効きにくくなる〗
AGI(敏捷)
〖攻撃速度、移動速度に影響。
自身の反応速度を高め、回避力が上昇〗
DEX(器用)
〖命中率、クリティカル率に影響。
生産時の成功率が上昇〗
LUK(運)
〖効果は僅かだが、様々な事柄に影響。
アイテムドロップ率上昇、クリティカル率上昇、生産時の大成功率上昇、生産時の失敗率減少、防御時ランダムでダメージ減少〗
と言った感じかな? 隠しパラメータもあるらしいけど、今はまだ公開されてないんだよな。
とりあえずステータス画面を閉じてまた槍を振り回す。まずはこれに慣れないと!
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