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第4章 ホテルの個性的な客達
第59話 初めてのお客様ー山男、再びー
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アデレードの邸宅の改装が済み、ホテルが開業したタイミングを見計らってあの男がやってきた。
「いやー、フロイライン・アデレード、素晴らしいじゃないですか」
短く刈り込んだ金髪に人好きする笑顔を浮かべた、マックスが約束通り山に登りに来たのだ。ホテルの外観を眺めて感嘆を漏らす。
「でも、マックスさん。リーフェンシュタール伯はまだ帰ってきていませんわよ?」
「えぇ、知ってます。僕は少し早く来たんですよ~楽しみで。中を見せてもらえますか?」
「もちろん、どうぞ。お客様を待たせるなんて、ホテル失格ですわね」
アデレードが悪戯っぽく笑い、マックスを中へ招いた。彼が持って来たトランクはクリスが中へ運ぶ。クリスもホテルの従業員らしく、制服を着用している。
まぁ、私が見よう見まねでこういう感じのもの作ってと頼んだ代物ですけれど。
アデレードが内心苦笑する。室内に入るとまずはカウンターがあり、そこでメグが笑顔で鍵を渡してくれる。カウンターを右に行くと食堂、左に行くと談話室だ。
「おーこちらは食堂ですか」
元々は大きなダイニングテーブルが一つあるだけだった食堂は、部屋数に合わせて小さなテーブルを置くようになっていた。
「で、こっちが談話室、と。山の絵が素晴らしいですね」
「ありがとう。描いた子に伝えておきますわ」
マックスがうきうきした様子で室内を検分していく。
「では、お部屋に案内しますわね」
アデレードが廊下を通り、マックスを客室へ案内する。
「これは、素晴らしいですよ」
ドアを開けて、彼が目を輝かせた。大きな窓に外の木立が見える。その窓を開ければ、テラスに出られるようになっている。木製のぬくもりを感じられるベッドや椅子などの調度品も心地良く、ほっと出来る空間となっている。
「これは楽しい滞在になりそうです。あ、そうそう、フロイライン。リーフェンシュタール伯から手紙預かってます」
そう言ってマックスは、懐から封筒を取り出す。
「私に、伯爵から?」
「はい。あれは劇場だったかな……」
マックスがリーフェンシュタール領に向けて出発する少し前。人気劇作家ブッフバルトの新作の歌劇を見に行った時のこと。
「伯爵!」
第1幕が終わり、シャンパンや目当ての者を探す着飾った人々でごった返していた。人々は口々にこの意味の分からない歌劇の話をしている。
「一体何でしょうな、これは?」
「酷いなんてもんじゃないわ」
「ブッフバルトは気でも触れたのか」
その中でマックスはカールの姿を見つけ、人を掻き分けて近づく。カールはリーフェンシュタール領で見た時よりも、疲れているように見えた。
「あぁ、マックスか」
「お久しぶりです、伯爵。今日こちらに来られると小耳には挟んだので、僕も来てみました」
「そうか」
「僕は歌劇はよく知りませんけど、こういうの流行ってるんですかね?」
「さてな。私も芸術のことは分からん。これも是非にと頼まれてな。フロイライン・アデレードでも居れば、楽しんだかもしれんが」
「そうかもしれませんね。どうされてます、フロイライン・アデレード?」
「君に言われた通り、ホテル開業の準備を着々と進めている」
その言葉を聞き、マックスが嬉しそうな顔をする。
「良いですね! この調子で、伯爵も山、登っちゃいましょうっ」
「……お前はそれを言いに来たのか」
「頼みますよ、伯爵」
呆れ顔のカールに、マックスが笑顔で念を押す。カールは軽く溜め息を吐くが、まぁそれも良いか、と思い始めていた。何故なら王都を離れる口実が出来るからだ。
「あら、リーフェンシュタール伯、こんなところで会うなんて珍しいですこと」
声を掛けられ、2人が振り向くと、そこに黒いドレスを着たシュミット夫人が立っていた。
「フラウ・シュミット、貴女もこちらに?」
「えぇ。お付き合いで。まー酷いのなんの。ブッフバルトはどうしちゃったのかしら?」
シュミット夫人の疑問に、2人は顔を見合わせる。どちらも歌劇は門外漢だったので、何とも答えられなかった。
「それで、こちらのお若い方はどなたかしら?」
「こちらは、マックス。ロイド家のお坊ちゃんです。マックス、こちらはフラウ・シュミット。シュミット商会の方だ」
カールが簡潔に説明した。
「初めまして! フラウ・シュミット。伯爵とはつい最近、知り合ったんです」
マックスが勢いよく挨拶すると、シュミット夫人は面白そうに笑う。
「伯爵にこんな元気なお友達がいるなんて安心しましたわ」
「それはどういう意味で……」
「はい! それで、今度リーフェンシュタール領の山に登ろうって計画を立ててるんです」
「おい……」
カールをそっちのけで2人で話し始める。
「あら、素敵。若いって良いわね」
「それにフロイライン・アデレードがホテルを開業してくれるみたいですし、それも楽しみです」
「フロイライン・アデレード?」
シュミット夫人がカールを見る。それは、”あの”アデレードか、と問うているのだ。カールは黙って頷く。
「まぁ、そう、ホテルを。まぁ、面白いことを聞いたわ」
何か思うところがあるように、シュミット夫人が顎に手を当てる。
「えぇ、今からわくわくしてます」
「ふふ、良いわね。それじゃ、伯爵。また」
「えぇ」
シュミット夫人が人混みに戻っていく。その姿を見送りながらマックスが呟いた。
「いやー、伯爵にこんな綺麗なお知り合いがいるなんて。フロイライン・アデレードはご存じなんですか?」
「……何でフロイライン・アデレードが出てくるんだ?」
「分かってらっしゃるくせに。そろそろ僕はリーフェンシュタール領に行こうと思うんですが……」
「……まぁ、良いだろう。だが、私はまだ王都に用がある。そうだ、出立する前に我が屋敷に寄ってくれ」
カールの頼みに意外だな、と思いつつも、マックスが頷く。
「勿論、構いませんけど、何か御用が?」
「あぁ、託したいものがある」
「……と、言う訳で、預かって来ました。どうぞ」
マックスが笑顔で、アデレードに手紙を差し出した。
「いやー、フロイライン・アデレード、素晴らしいじゃないですか」
短く刈り込んだ金髪に人好きする笑顔を浮かべた、マックスが約束通り山に登りに来たのだ。ホテルの外観を眺めて感嘆を漏らす。
「でも、マックスさん。リーフェンシュタール伯はまだ帰ってきていませんわよ?」
「えぇ、知ってます。僕は少し早く来たんですよ~楽しみで。中を見せてもらえますか?」
「もちろん、どうぞ。お客様を待たせるなんて、ホテル失格ですわね」
アデレードが悪戯っぽく笑い、マックスを中へ招いた。彼が持って来たトランクはクリスが中へ運ぶ。クリスもホテルの従業員らしく、制服を着用している。
まぁ、私が見よう見まねでこういう感じのもの作ってと頼んだ代物ですけれど。
アデレードが内心苦笑する。室内に入るとまずはカウンターがあり、そこでメグが笑顔で鍵を渡してくれる。カウンターを右に行くと食堂、左に行くと談話室だ。
「おーこちらは食堂ですか」
元々は大きなダイニングテーブルが一つあるだけだった食堂は、部屋数に合わせて小さなテーブルを置くようになっていた。
「で、こっちが談話室、と。山の絵が素晴らしいですね」
「ありがとう。描いた子に伝えておきますわ」
マックスがうきうきした様子で室内を検分していく。
「では、お部屋に案内しますわね」
アデレードが廊下を通り、マックスを客室へ案内する。
「これは、素晴らしいですよ」
ドアを開けて、彼が目を輝かせた。大きな窓に外の木立が見える。その窓を開ければ、テラスに出られるようになっている。木製のぬくもりを感じられるベッドや椅子などの調度品も心地良く、ほっと出来る空間となっている。
「これは楽しい滞在になりそうです。あ、そうそう、フロイライン。リーフェンシュタール伯から手紙預かってます」
そう言ってマックスは、懐から封筒を取り出す。
「私に、伯爵から?」
「はい。あれは劇場だったかな……」
マックスがリーフェンシュタール領に向けて出発する少し前。人気劇作家ブッフバルトの新作の歌劇を見に行った時のこと。
「伯爵!」
第1幕が終わり、シャンパンや目当ての者を探す着飾った人々でごった返していた。人々は口々にこの意味の分からない歌劇の話をしている。
「一体何でしょうな、これは?」
「酷いなんてもんじゃないわ」
「ブッフバルトは気でも触れたのか」
その中でマックスはカールの姿を見つけ、人を掻き分けて近づく。カールはリーフェンシュタール領で見た時よりも、疲れているように見えた。
「あぁ、マックスか」
「お久しぶりです、伯爵。今日こちらに来られると小耳には挟んだので、僕も来てみました」
「そうか」
「僕は歌劇はよく知りませんけど、こういうの流行ってるんですかね?」
「さてな。私も芸術のことは分からん。これも是非にと頼まれてな。フロイライン・アデレードでも居れば、楽しんだかもしれんが」
「そうかもしれませんね。どうされてます、フロイライン・アデレード?」
「君に言われた通り、ホテル開業の準備を着々と進めている」
その言葉を聞き、マックスが嬉しそうな顔をする。
「良いですね! この調子で、伯爵も山、登っちゃいましょうっ」
「……お前はそれを言いに来たのか」
「頼みますよ、伯爵」
呆れ顔のカールに、マックスが笑顔で念を押す。カールは軽く溜め息を吐くが、まぁそれも良いか、と思い始めていた。何故なら王都を離れる口実が出来るからだ。
「あら、リーフェンシュタール伯、こんなところで会うなんて珍しいですこと」
声を掛けられ、2人が振り向くと、そこに黒いドレスを着たシュミット夫人が立っていた。
「フラウ・シュミット、貴女もこちらに?」
「えぇ。お付き合いで。まー酷いのなんの。ブッフバルトはどうしちゃったのかしら?」
シュミット夫人の疑問に、2人は顔を見合わせる。どちらも歌劇は門外漢だったので、何とも答えられなかった。
「それで、こちらのお若い方はどなたかしら?」
「こちらは、マックス。ロイド家のお坊ちゃんです。マックス、こちらはフラウ・シュミット。シュミット商会の方だ」
カールが簡潔に説明した。
「初めまして! フラウ・シュミット。伯爵とはつい最近、知り合ったんです」
マックスが勢いよく挨拶すると、シュミット夫人は面白そうに笑う。
「伯爵にこんな元気なお友達がいるなんて安心しましたわ」
「それはどういう意味で……」
「はい! それで、今度リーフェンシュタール領の山に登ろうって計画を立ててるんです」
「おい……」
カールをそっちのけで2人で話し始める。
「あら、素敵。若いって良いわね」
「それにフロイライン・アデレードがホテルを開業してくれるみたいですし、それも楽しみです」
「フロイライン・アデレード?」
シュミット夫人がカールを見る。それは、”あの”アデレードか、と問うているのだ。カールは黙って頷く。
「まぁ、そう、ホテルを。まぁ、面白いことを聞いたわ」
何か思うところがあるように、シュミット夫人が顎に手を当てる。
「えぇ、今からわくわくしてます」
「ふふ、良いわね。それじゃ、伯爵。また」
「えぇ」
シュミット夫人が人混みに戻っていく。その姿を見送りながらマックスが呟いた。
「いやー、伯爵にこんな綺麗なお知り合いがいるなんて。フロイライン・アデレードはご存じなんですか?」
「……何でフロイライン・アデレードが出てくるんだ?」
「分かってらっしゃるくせに。そろそろ僕はリーフェンシュタール領に行こうと思うんですが……」
「……まぁ、良いだろう。だが、私はまだ王都に用がある。そうだ、出立する前に我が屋敷に寄ってくれ」
カールの頼みに意外だな、と思いつつも、マックスが頷く。
「勿論、構いませんけど、何か御用が?」
「あぁ、託したいものがある」
「……と、言う訳で、預かって来ました。どうぞ」
マックスが笑顔で、アデレードに手紙を差し出した。
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